ミステリー小説のジャンル・用語まとめ|ミステリー初心者に♪
更新日:2019/10/29
ミステリー小説を探しているときなどに、「同じミステリーなのにだいぶ毛色が違うな」と思ったことはありませんか?
同じミステリー作品といえども、実はそれぞれ作品のジャンルが微妙に異なることがあります。
ここではミステリーのさまざまなジャンルを一挙にご紹介します。ミステリー初心者さんはぜひ参考にしてみてくださいね!
「ミステリー作品を読んでみたい、だけどどれから読んでいいか分からない」
そんなときは、自分に合いそうなジャンルの小説から読んでみてはいかがでしょうか?
※随時更新します。
ミステリーのジャンル・用語 目次
暗号解読
その名の通り、暗号を解読することで事件の謎を解いていく作品。パズルミステリーと呼ばれることもあります。
小説内に登場する暗号を見て、登場人物たちとともに真相を探る楽しさもありますが、これがなかなか難しい……(涙)
安楽椅子探偵
事件現場に赴かずに、関係者たちから話を聞くだけで事件を颯爽と解決してしまう探偵、またはその形式を指す言葉。
少ない情報のなかから真相を導き出す探偵たちの、見事な推理を楽しむことができます。
イヤミス
「事件を見事スッキリ解決!」とはいかず、読んだ後にスッキリさせてくれないイヤミス小説。
人間の心の闇を巧みに描いた作品が多く、先を読むのが怖いのに読む手が止まらない、不思議な魅力のあるジャンルです。
医療ミステリー
その名の通り、病院や医者に関わるミステリー作品を指します。
命を扱う医療現場にはびこる権力や金、欲望や妬みに陰謀。さまざまな思惑が絡み合う医療ミステリーにはリアリティが溢れており、読み手を惹きつけて離しません。
※リンク先には一部ミステリーではない小説が含まれます。
奇書
奇々怪々、不可思議、なんだか薄気味悪い空気を醸し出している小説。世にも珍しい小説のこと。
読み終わったあとは、しばらく現実社会に戻ってこられないかもしれません。
日本三大奇書といえば『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』『黒死館殺人事件』を指します。ここにもう1作、『匣の中の失楽』を含む「四大奇書」であるとも言われているんですよ。
⇒日本三大奇書をまとめて解説
⇒竹本健治『匣の中の失楽』詳しくはこちら
奇妙な味
「味がする小説!?」と驚かれた方も多いのでは? いえいえ、実際に味がするわけではありません。
「奇妙な味」とは、登場人物やストーリーがなんとも不気味であり、モヤモヤが残るようなミステリー小説を指します。
クローズド・サークル
外界から隔てられた「閉鎖空間」で起こる事件や謎を題材にしたジャンルです。
「大雪で連絡網が遮断された村」や「嵐の無人島」などがこれに当たります。ミステリー漫画『金田一少年の事件簿』などでもよく見られるテーマですね。
「全員が殺されるまでに犯人を見つけ出せるのか!?」ドキドキの展開を楽しめます。
警察小説
警察官や捜査官といった警察内部の人間が、さまざまな事件に関わっていくのが特徴の警察小説。ドラマ化や映画化されることも多いジャンルです。
本格的なミステリー作品を読みたいときにおすすめですよ。
コージー・ミステリー
「cozy」=「居心地の良い」「親しみやすい」などの意味を持つ単語。ハードボイルド小説とは対照的に日常的に起こる謎に挑みます。
殺人事件が起こらない作品も多く、血なまぐさくないミステリーを読みたい方におすすめです。
サスペンス
読者をハラハラ、ドキドキの展開に導く作品。
息もつかせぬ展開が続く作品ほど、読みごたえを感じます。(読み終わったあとに少々疲れますが……)
叙述トリック
叙述トリックとは、読者にあえて情報を伏せ、「女性だと思っていたら男性だった」「別の人物かと思っていたのに同一人物だった」などと、事実を誤認させるトリックのこと。
「この作品は叙述トリックが用いられたミステリーである」ということ自体ネタバレに当たるので、気持ちよく騙されたい方はおすすめ紹介は見ない方が良いでしょう。
探偵もの
事件の謎を探偵が解いていく作品。
シャーロック・ホームズや金田一耕助など、いわゆる職業が「探偵」の人が事件を解くことが多いですが、なかには普通の主婦や学生が「探偵役」として事件を解決に導く場合もあります。
短編小説
ミステリーに限りませんが、比較的短い物語を指します。
さらに短い作品を「ショート・ショート」、短編ながらそれぞれのお話にストーリーがあるものを「連作短編」とも言います。
ミステリー初心者にもおすすめです。
倒叙ミステリー
読者には犯人が分かっている状態で、どのように犯人を追いつめていくのか、を楽しめる倒叙ミステリー。
人気ドラマ「古畑任三郎」、アメリカの「刑事コロンボ」などがこれに当てはまります。
犯人目線で描かれることが多く、なぜ犯行に至ったかを知っていくうちに、その人が犯罪者と分かっていながらも愛着もわいてきます。
どんでん返し
これで終わり……かと思いきや、今までの展開をひっくり返された! など、読者の予想を裏切る展開技法のこと。アッと驚く展開を楽しみたい方におすすめです。
こちらも叙述トリック同様、それと知るだけでもネタバレになるのでご注意を。
日常の謎
人が死なない、日常に潜む謎に迫ったミステリー作品。
現実に起こり得るかもしれない身近な謎が多いので、物語に入り込みやすいことも特徴です。
バカミス
読めば思わず「そんなバカな!!」と叫びたくなるようなミステリー小説。誰も予想できない展開と結末に、ハマってしまうかも?
「ミステリーはお堅くて難しい」そんな概念を覆してくれます!
フーダニット
「Who done it = 誰が犯行を行ったか」に焦点を当てたミステリー作品。
犯人は誰なのか? ミステリーの醍醐味である犯人当てを楽しむことができます。
ホワイダニット
「Why done it = なぜ犯行を行ったか」に焦点を当てたミステリー作品。
犯人像、犯行の動機などが丁寧に描かれ、物語に厚みを感じられることが特徴です。
ライトミステリー
ライトノベルのような、気軽に読みやすいミステリー作品。ファンタジーや学園ものも多く、また登場人物の個性が光っています。
ミステリー初心者の方におすすめです。
自分に合う作品を読んでみよう!
チャレンジしたいと思うジャンルはあったでしょうか?
手軽に読める作品から、本格的なミステリーを味わえる作品など、ぜひ自分に合ったミステリー小説を読んでみてくださいね!
ミステリー小説に限らないですが、作家さんによっても扱うジャンルや小説の雰囲気が変わります。気になる作家さんの作品から読み始めてみるのもおすすめですよ。