おすすめ警察小説まとめ|本格ミステリーが読みたいあなたに!
更新日:2019/8/20
ミステリー小説のジャンルの1つに、警察小説と呼ばれるものがあります。警察官や捜査官といった警察内部の人間が、さまざまな事件に関わっていくのが特徴です。
ドラマ化や映画化されることも多く、2018年には「警察小説大賞」が作られるなど人気の警察小説。
ここでは、そんな警察小説のおすすめ作品をピックアップしてご紹介していきます! 読み応えも抜群ですよ。
おすすめ警察小説1
姫川玲子シリーズ
「姫川玲子シリーズ」
誉田哲也(著)、光文社
警視庁捜査一課の女性主任である女性刑事、姫川玲子を主人公とした「姫川玲子」シリーズ。
過去には竹内結子さん主演で映像化されており、2019年には二階堂ふみさん、亀梨和也さん主演で再びドラマ化されました。
本シリーズの特徴ともいえるのが、数々の凶悪事件。
1作目の『ストロベリーナイト』は、ビニールシートで覆われた惨殺死体が見つかるところから物語は始まります。
捜査が進んでいくにつれさまざまな謎が浮上。抜群の行動力と推理力を持つ姫川が、チームの仲間とともに事件解決に動き出しますが……!?
丁寧に作り上げられた謎解き、またタイトルに込められた言葉の真意、すべてが繋がるときの爽快感がたまりません!
おすすめ警察小説2
「アナザーフェイスシリーズ」
「アナザーフェイス」シリーズ
堂場瞬一(著)、文藝春秋
捜査一課の第一線に戻ってきたシングルファザー大友鉄が主人公のシリーズ。大友が子育てと事件解決を両立する少し変わった設定です。
1作目『アナザーフェイス』では、かつての上司に招集された大友が、銀行員の息子の誘拐事件の謎に迫ります。
警察小説に堅苦しいイメージを持たれる方もいるかもしれません。しかし本シリーズには謎解きする楽しさはもちろん、人間ドラマも織り込まれているので、警察小説を初めて読む方にもおすすめ。
ほかの警察小説とは違った、のらりくらりと警察組織を生きる主人公像も新鮮です。
おすすめ警察小説3
『教場』
『教場』
長岡弘樹(著)、小学館
2020年1月に木村拓哉さん主演でドラマ放送が決定している『教場』。警察小説ではありますが、警察官を育成するための警察学校が舞台となっています。
教官の風間がと生徒たちの間で起こるトラブルを描いた短編集です。ショッキングな内容も多いですが、読みごたえは抜群ですよ。
風間が生徒たちを淡々と罰していく様子が恐ろしく、常に閉鎖空間にいるからこそ生まれる人間の醜さが浮き彫りになります。
次の生徒はどうなるのか? ぜひハラハラする緊迫感を味わってください。
おすすめ警察小説4
「法医昆虫学捜査官シリーズ」
「法医昆虫学捜査官」シリーズ
川瀬七緒(著)、講談社
法医昆虫学者の赤堀、警部補の岩楯のコンビが、虫を手掛かりに事件を解決していくシリーズ。
1作目『147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官』では、火災現場で見付かった焼死体の謎が描かれます。
なんと焼死体には、大量のハエの幼虫が。これによって捜査は困難を極めます。
そんなとき捜査で導入されることになったのが、アメリカで導入されている「法医昆虫学」。遺体と昆虫、法医学をさらに踏み込んだ視点で見る捜査です。
ほかの警察小説ではあまり見られない「法医昆虫学」の視点で描かれる、新しいタイプの警察小説。テンポの良い真相解明が楽しめますよ。
おすすめ警察小説5
「道警シリーズ」
「道警」シリーズ
佐々木譲(著)、角川春樹事務所
「道警」シリーズは、佐々木譲氏の故郷である北海道を舞台に、北海道警察が奔走するシリーズ。北海道警察全体が物語の中心になっているのが特徴です。
1作目『笑う警官』は、女性の警官が殺害され、同じ警官である巡査部長に疑いの目がかけられるところからはじまります。
警察組織の汚職や隠ぺい体質について描かれており、「小説の中だけの話にしてね……」と思うほど、警察内部の様子がリアルです。
単に事件解決だけでは終わらない面白さのあるシリーズですよ。
おすすめ警察小説6
「加賀恭一郎シリーズ」
「加賀恭一郎」シリーズ
東野圭吾(著)、講談社
「ガリレオシリーズ」など、数々のヒット作を生み出してきた東野圭吾氏。「加賀恭一郎」シリーズは、刑事の加賀恭一郎を主人公とした推理小説です。1作目では大学生であり探偵です。
阿部寛さん主演でドラマ・映像化もされており、人気を集めました。
困難な事件を解いていくなかで徐々に明かされていくトリック、そしてストーリー展開が秀逸。どの作品もひとつひとつ、読み応えのある内容になっています。
1作目の『卒業』は東野氏のデビュー2作目になるので、デビュー当時の東野作品に興味がある方にもおすすめです。
【関連記事】「加賀恭一郎シリーズ」の読む順番と見どころ
おすすめ警察小説7
「警視庁殺人分析班シリーズ」
「警視庁殺人分析班」シリーズ
麻見和史(著)、講談社
警視庁捜査一課十一係の物語。父の遺志で刑事となった如月塔子と、所属する係の刑事たちがともに事件の真相究明のために奔走します。
1作目は、『石の繭 警視庁殺人分析班』(講談社ノベルス『石の繭 警視庁捜査一課十一係』を改題)。
石像のように固められた遺体が見つかった翌日、電話で指名された如月が犯人の交渉相手になることに……。
知能犯と警察との駆け引きや謎解きが巧妙でとてもハラハラさせられます。私は読んでいて、思わず手に汗握ってしまいました。
おすすめ警察小説8
「警視庁公安部・青山望シリーズ」
「警視庁公安部・青山望」シリーズ
濱嘉之(著)、文藝春秋
テロやスパイなど、日本の警察組織の中でも一線を画した犯罪を負う組織、公安。本作はそんな謎の組織である公安をメインに取り上げた作品です。
1作目の『完全黙秘 警視庁公安部・青山望』では、現職の財務大臣が殺害されます。現行犯逮捕された犯人は黙秘を貫き、調査のうちに同様の黙秘事件が複数あることが明らかになる……というもの。
著者が元警察官というだけあって、フィクションながらも緻密に、そして警察内部の様子がリアルに描かれているため、より臨場感を味わえます。
おすすめ警察小説9
「生活安全課0係シリーズ」
「生活安全課0係」シリーズ
富樫倫太郎(著)、祥伝社
杉並中央署生活安全課に設置された何でも相談室、通称「ゼロ係」が舞台。
署内でも落ちこぼれの警官たちが集まる部署には、ボヤ事件や迷子の保護といった問題が持ち込まれます。
警察小説といえば緊張感のある作品が多いですが、本シリーズはどちらか言えばほのぼのした印象です。
空気は読めないものの人の心は理解できる小早川警部など、個性豊かな登場人物たちが自由に描かれていて、物語をより盛り上げてくれます。
おすすめ警察小説10
『海と月の迷路』
『海と月の迷路』
大沢在昌(著)、講談社
舞台は長崎県の軍艦島。全盛期は多くの人が炭鉱員として働き、人類の文明の証として、今では世界遺産にも登録された場所です。
そんな軍艦島で昭和34年に少女の遺体が見つかり、事故死と認められます。しかし島にやってきたばかりの荒巻は、警察官として少女の死に疑問を持っていました。
少女の死因は本当に事故死なのか、あるいは……。
ハードボイルドな作品を多く手掛けている著者の大沢氏。緊張感のあるストーリー展開に、高度経済成長期の時代背景が合わさり重厚な雰囲気が醸し出されています。
おすすめ警察小説11
『半落ち』
『半落ち』
横山秀夫(著)、講談社
アルツハイマーの妻を殺したと自首した現職の警察官。ところがこの男、なぜ妻を殺したのかは語るものの、殺害から自首するまでの2日間については頑なに口を開こうとしない。
この男が口を割らないのにはある理由があり……?
「犯人は誰か」ではなく、「事件の真相は何か」に迫った本作。犯人、あるいは警察側の視点だけでなく、検察や裁判官などさまざまな視点から語られます。
待ち受けるラストには、思わず涙してしまうことでしょう。
警察小説で物語を体感しよう!
本格的なミステリーを味わうことのできる警察小説のおすすめ作品をご紹介しました。
警察小説の醍醐味は、なんといっても読みながら警察になったつもりで謎解きを体感できることです。自分の推理と物語の結末は果たして合っているのか、ぜひ読み進めて答え合わせをしてみてください。
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ライター:モトムラ
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