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読んでおきたい医療小説20選|医療の実態・人間の本質がリアル!


手術室

「白い巨塔」をはじめ、「チーム・バチスタ」や「救命病棟24時」など、ドラマで高い視聴率を得ている人気ジャンルの医療もの。

惹きつけられるその魅力は、命を扱う医療の現場に権力や金、欲望や妬みに陰謀。

また、それとは真逆の優しさや愛、思いやりなど、人間の本質や医療の実態がリアルに描かれているところかもしれませんね。

 

今回ご紹介する医療小説はどんどん引き込まれていくので、医療ドラマは見るけど小説は難しそう……と思う人にもおすすめです!

 

目次

メディア化の人気医療小説

『チーム・バチスタの栄光』海堂尊
『孤高のメス』大鐘稔彦
『神様のカルテ』夏川草介
『ノーフォールト』岡井崇
『白い巨塔』山崎豊子
『聖なる怪物たち』河原れん
『さまよえる脳髄』逢坂剛
『死の臓器』麻野涼
『がん消滅の罠 完全寛解の謎』 岩木一麻

単巻のおすすめ医療小説

『使命と魂のリミット』東野圭吾
『悪医』久坂部羊
『産声が消えていく』太田靖之
『見送ル』里見清一
『閉鎖病棟』帚木蓬生
『ドクター・デスの遺産』中山七里
『深紅の断片』麻見和史
『無言の旅人』仙川環
『救命拒否』鏑木蓮
『死者は穏やかに微笑んで』金丸仁
『ランクA病院の愉悦』海堂尊

おわりに

 

 

メディア化の人気医療小説①
『チームバチスタの栄光』

『チームバチスタの栄光』表紙

チーム・バチスタの栄光
海堂尊(著)、新潮社

東城大学医学部附属病院の“チーム・バチスタ”は、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。

ところが原因不明の連続術中死が発生。

高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼。医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。

 

ここからすべてが始まった大人気シリーズ!

外科の医師でもある海堂尊さんだからこそのリアリティが感じられる作品です。また医療の現場を知らない人でも理解できるので楽しめます。

「第4回 このミステリーがすごい!」でも大賞を受賞しました。

「チーム・バチスタ」シリーズ全巻はこちら

 

メディア化の人気医療小説②
『孤高のメス』

『孤高のメス』表紙

孤高のメス
大鐘稔彦(著)、幻冬舎

アウトサイダー医師・当麻鉄彦。国内外で腕を磨き一流の外科医となった彼は、民間病院で難手術に挑み患者達の命を救っていくのだった。

ある時、大量吐血して瀕死の状態となった少女が担ぎ込まれる。しかし両親は、エホバの証人であるためその信条により輸血を拒否する。

厳しい状況の中、手術を成功させることはできるのか!?

 

もし手術するならこんな先生がいいと思える当麻先生は、まさに「孤高」という言葉がふさわしい!

現在淡路島で地域医療に従事している著者の大鐘さんは、実際にエホバの証人の無輸血手術を担当されたそうなので実話が元になっているのかもしれませんね。

そんな物語の中に渦巻く医療ミスの隠ぺいなど医療界のドロドロには余計リアリティを感じさせられます。

 

メディア化の人気医療小説③
『神様のカルテ』

『神様のカルテ』表紙

神様のカルテ
夏川草介(著)、小学館

信州の24時間365日対応の救急病院で内科医を務める栗原一止は、山岳写真家の妻に支えられながら病院スタッフとともに過酷な現場をこなす日々。

突然舞い降りた大学病院からの誘いに心が揺れるが、癌で終焉に近づく入院患者から思いがけない贈り物をもらう。それが自分のこれからの答えを出す鍵となる。

 

現役医師でもある作者が自身の地方病院での勤務経験をもとに、医療制度や地域医療の矛盾のなかで命を見つめ、真摯に人と向き合う医療の本質に迫る心温まる作品。

デビュー作にして「小学館文庫小説賞」を受賞し、映画化もされたヒット作です。

 

メディア化の人気医療小説④
『ノーフォールト』

『ノーフォールト』表紙

ノーフォールト
岡井崇(著)、早川書房

産科医・柊奈智は、深夜の当直で容態が急変した妊婦に緊急帝王切開手術を行う。

幸い、子供は無事に生まれたが喜びも束の間、数日後に原因不明の出血が母親を襲う。医師たちの懸命の治療の甲斐もなく、母親は死亡してしまった。

救えなかったことでショックを受ける奈智。だが、それはさらなる試練の始まりに過ぎなかった――。

 

藤原紀香さん主演ドラマ『ギネ』の原作小説。

産科医の過重労働や、医師の過失の有無に関わらず被害者に対して補償される「無過失補償制度」など知っておきたいことがリアルに描かれています。

著者は、雅子さまが愛子さまの出産時に超音波診断担当医も務めた産科医・岡井崇さん。ほかにも『デザイナーベイビー』などの著書があります。

 

メディア化の人気医療小説⑤
『白い巨塔』

『白い巨塔』教師

白い巨塔
山崎豊子(著)、新潮社

国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎。確かな技術と経験を持ち、マスコミでも脚光を浴びていた財前は、次期教授の座を確信していた。

だが、財前の傲慢さに懸念を抱く現教授の東は、他大学からの移入を画策する。

医師会の役員でもある義父とOB会を味方に持つ財前は、あらゆる術策をもって、し烈な教授選に勝ち抜こうとする。

 

医学界に渦巻く人間の欲望をリアルに描いた、最高傑作の医療小説! これを読まずして医療小説は語れません。

全5巻というボリュームも気にせず読み進められます。ラストもいいです。

 

メディア化の人気医療小説⑥
『聖なる怪物たち』

『聖なる怪物たち』表紙

聖なる怪物たち
河原れん(著)、幻冬舎

夜間の救急外来訪れた飛び込み出産の妊婦は、帝王切開の結果死亡してしまう。

身元不明の妊婦と残された新生児。赤字経営の病院を舞台に、外科医・司馬健吾は私欲に塗れた嘘と隠蔽の渦に飲み込まれていく。

 

「代理出産ミステリー」と銘打って2012年にテレビドラマ化された作品です。

代理出産や不妊治療、またその生命をあずかる病院の経営の問題などを背景に、それぞれが守るべきもののために生まれる嘘と、罪の意識からの葛藤が描かれています。果たしてそれは正義と言えるのでしょうか。

余韻を残すラストは、読者に正解を委ねられます。

 

メディア化の人気医療小説⑦
『さまよえる脳髄』

『さまよえる髄脳』表紙

さまよえる脳髄
逢坂剛(著)、集英社ほか

精神科医・南川藍子が関わることになる刑事、プロ野球選手、連続殺人犯の3人の異常者。この3人に共通するのは脳に損傷を受けていることだった。

やがて、連続殺人の魔の手が南川藍子にも忍びよる。事件は解決したかに見えたが、彼女にも秘密が――。

 

脳科学と心理分析の知見から展開されるサイコサスペンス。

脳科学ブーム以前の1988年に出版され、1993年にテレビドラマ化、同年に映画化もされました。原作のエンタメ要素の高いサスペンスとしての面白さが、メディア化作品に活きています。

オーソドックスな展開ながら、最後のオチは秀逸の一言です。

 

メディア化の人気医療小説⑧
『死の臓器』

『死の臓器』表紙

死の臓器
麻野涼(著)、文芸社

テレビディレクターの沼崎は自殺の名所富士山青木ヶ原で膵臓が摘出された形跡のある女性の遺体を発見する。

同じ頃、突然臓器売買の疑いをかけられた医師日野誠一郎。

日野を一方的にバッシングするマスコミに納得できない沼崎はこの2つの事件のつながりを解き明かしていく。

 

実際にあった事件をモチーフに、腎不全患者の臓器移植や人工透析にまつわる社会的矛盾、医学会の問題点を突いたミステリー。
2015年にテレビドラマとして放送されました。

臓器移植医療の倫理と臓器売買の実態に迫った、まさに社会派という言葉がふさわしい重みのある作品です。

 

メディア化の人気医療小説⑨
『がん消滅の罠 完全寛解の謎』

『がん消滅の罠 完全寛解の謎』表紙

がん消滅の罠 完全寛解の謎
岩木一麻(著)、宝島社

日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目。

ある日、生命保険会社の森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。
なんと、夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金三千万円を受け取った後も生存しているというのだ。

しかも、そのがん患者の病巣も消え去っているというのだが……。

 

がんの医療技術からの生じる犯罪の可能性から着想を得た、という経緯がある本作。トリックのキモとなるがん治療最前線の技術がわかりやすく解説されています。

がん治療の実態に対して、正しい知識に導きたいという著者の意図が、ミステリー小説という形で見事に結実した作品です。

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単巻のおすすめ医療小説①
『使命と魂のリミット』

『使命と魂のリミット』表紙

使命と魂のリミット
東野圭吾(著)、角川書店

十数年前のあの日、手術室で何があったのか?

笑顔で手術室に入った父は、手術中に亡くなった……。
その事をきっかけに医師を目指した氷室夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。

その目的を果たすべき日、大学病院を前代未聞の危機が襲う――

 

冒頭部分では単なる医療ミスがテーマの物語と思わせながら、読み進めるごとに見えてくる医者の使命。

東野圭吾さんらしい傑作医療ミステリーです! 単巻としておすすめさせていただきましたがドラマにもなっています。

 

単巻のおすすめ医療小説②
『悪医』

『悪医』表紙

悪医
久坂部羊(著)、朝日新聞出版

胃ガン患者・小仲辰郎はガンの再発後、外科医の森川医師に、もう治療法がないと告げられる。
その事実を受け止められない小仲は、抗ガン剤専門の腫瘍内科、免疫細胞療法、ホスピス等を転々とする。

診療を中断した小仲のことを忘れることができず「悪医とは何か」を日々問いかけた森川は?

 

病院の利益問題や治療についての誤解なども提議している作品で、日本医師会が主催している日本医療小説大賞の受賞作でもあります。

同著、『破裂』『無痛』もおすすめ。

 

単巻のおすすめ医療小説③
『産声が消えていく』

『産声が消えていく』表紙

産声が消えていく
太田靖之(著)、祥伝社

二十四時間体制の医療方針を掲げる病院に入職した産科医・菊池堅一。
志溢れた医師生活を始めるも、医師不足、過重労働、医療訴訟と、現実は甘くなかった。

そして、分娩中に救急産婦の治療が重なり、新生児に障害を残してしまう事件が起きる……。

 

産科を舞台にした医療サスペンス小説。

産婦にとっても魅力である自然なお産が望める二十四時間体制というシステムは一見理想的に思えますが、産科の現場に考えられるリスクにリアリティを強く感じます。

 

単巻のおすすめ医療小説④
『見送ル』

『見送ル』表紙

見送ル
里見清一(著)、新潮社

医者だって人間だから、患者との相性の問題やら外科と内科の対立やらも日常茶飯事。

疲れてしまうときもあるけれど、輝く笑顔で退院する患者を見送ル。力を尽くしひっそりと命の灯が消えるのを見送ル。どちらの医師の仕事。

 

医師の現状や苦悩を、医師目線で綴った小説。誰しもいつか必ず訪れる死について考えるきっかけをもらえます。

 

単巻のおすすめ医療小説⑤
『閉鎖病棟』

『閉鎖病棟』表紙

閉鎖病棟
帚木蓬生(著)、新潮社

リアルな精神科病棟の平穏な日常。その影に隠された患者たちの悲惨な過去が次第に明らかになっていく。

その正すことの出来ない歪んだ過去に追い詰められていく患者たち。突然起こった病棟内での殺人事件は何を意味するのか。

 

患者の視点から淡々と温かい語り口で精神科病棟の日常が描かれています。

そして、ここにたどり着くしかなかった人間の不条理と、コントロールを失った感情を描ききれるのは作者が精神科医だからこそ。

人間の本性が決して暗いものではないことを教えてくれる作品です。

 

単巻のおすすめ医療小説⑥
『ドクター・デスの遺産』

『ドクター・デスの遺産』表紙

ドクター・デスの遺産
中山七里(著)、KADOKAWA

事件の始まりは「悪いお医者さんがお父さんを殺した」という少年からの110番通報。

しかし、母親との話はくい違い、捜査を進めると安楽死を20万円で請け負う医師がいることが判明する。
果たしてドクター・デスは連続殺人鬼と言えるのか?

 

中山七里氏の犬養刑事シリーズ4作目。

高齢化社会の現実が様々な場所に影を落としている今の時代にこそ、読まれるべき作品ではないでしょうか。

肉親を看取るときにどんな気持ちを抱くのか、それぞれの環境により見解の異なる終末期医療のあり方について考えるきっかけを与えてくれます。

 

単巻のおすすめ医療小説⑦
『深紅の断片』

『深紅の断片』表紙

深紅の断片
麻見和史(著)、講談社

謎の連続猟奇傷害事件に遭遇する消防救急隊、被害者には必ずトリアージタグのような緑、黄、赤、黒のシールが貼り付けられていた。
そして、現場に残される大量の出血が意味するものとは……。

救急第二係の真田隊長が暴く、意外な犯人とその真相は?

 

119番で駆けつける救急隊員がヒーローとして描かれた、医療小説としては異色の作品。
彼らの仕事ぶりと大変さがわかる細かい描写がリアルです。

麻見さんの作品のなかでも展開の面白さはダントツ。何よりも、読み終えてからタイトルに納得する社会派ミステリーです。

 

単巻のおすすめ医療小説⑧
『無言の旅人』

『無言の旅人』表紙

無言の旅人
仙川環(著)、幻冬舎

耕一は交通事故で意識不明になってしまう。

残されていたのは延命処置を拒否する尊厳死の要望書。耕一は何を思いこんなものを残したのか。なぜ事故当日に安土に会いに行ったのか。

葛藤の末、家族と婚約者公子がそれを受け入れた矢先に起きた、ある出来事から真相が徐々に明らかになっていく。

 

死との向き合い方、人の命のあり方という重いテーマを扱いながらも読みやすく、それでいて「慟哭」という言葉がピッタリとくるエンディングが待っています。

多くの医療・介護の現場の取材経験を持つ作者が思いを込めた、主人公とその家族、医者によって伝えられる死生観は深いの一言です。

 

単巻のおすすめ医療小説⑨
『救命拒否』

『救命拒否』表紙

救命拒否
鏑木蓮(著)、講談社

「トリアージ判断の妥当性」という講演をする直前に起きた爆破事件により救急医若林は死亡した。

死ぬ間際に若林が発したのは「私にブラッグタグを」という言葉。若林はなぜ自ら救命されることを拒んだのか。
この爆破事件に隠された真相とは。

 

命の選別というトリアージの重さ、それを判断する側の葛藤と本人や周囲のその後の苦悩が見事に描かれています。

阪神淡路大震災や3.11を経験した私達にとって、これは決して起こりえないことではなく、この極限状態での判断は命に対する哲学を問いかけてきます。

 

単巻のおすすめ医療小説⑩
『死者は穏やかに微笑んで』

『死者は穏やかに微笑んで』表紙

死者は穏やかに微笑んで
金丸仁(著)、万来舎

不老即死を確実に実現するという遺伝子操作技術の開発と不老不死の研究。

この超高齢化社会の課題を解決するための政府の極秘プロジェクトの実験台となる医師長瀬。その結果、長瀬は不老不死を手に入れたのだが。

 

医療の立場においても高齢化社会の進行が大きなウェイトを占めているのは間違いないでしょう。

不老即死というのは、よく「ピンピンコロリ」とも言われる、長期入院・療養をすることのない老衰による突然死のこと。

年金問題、介護保険制度の崩壊など、これからさらに深刻化するテーマに迫った作品です。

 

単巻のおすすめ医療小説⑪
『ランクA病院の愉悦』

『ランクA病院の愉悦』表紙

ランクA病院の愉悦
海堂尊(著)、新潮社

診てもらえる病院のランクが、それぞれの経済力により指定される医療格差のある近未来。

最低ランクC病院は銀行ATMのようなロボットに問診され薬が出てくるだけ。

一方最高ランクA病院は医師の指名ができるし、ナースによるおもてなしサービスも。

 

それぞれの作品がリンクする海堂作品のなかで、それらとは一線を画す5篇の短編集です。

現在の医療制度の深刻な問題を、皮肉を込めてあれこれと論じながらユーモアあふれる軽めのタッチで描いています。

このなかの3作品で、お馴染みのキャラクターが登場するのも海堂ファンには嬉しいところ。

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おわりに

手術用具

現実なのかと錯覚してしまうほど描写がリアルな医療小説。おもわず息を呑む、衝撃的な内容のものばかりです……。医療ものを読んで、自分のことは自分で決めよう!と改めて感じました。

みなさんも、ご紹介した中に気になる作品がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

ドロドロ系のお話がお好きな方に……

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