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ホワイダニット小説の傑作5選|なぜ罪を犯したか?その動機を推理せよ!


ホワイダニット小説の傑作5選|なぜ罪を犯したか?その動機を推理せよ!

 

ホワイダニットとは、「Why done it = なぜ犯行を行ったか」という意味のミステリー用語です。

犯人当てをするフーダニット(Who done it=誰が犯行を行ったか)小説も面白いですが、ホワイダニットタイプでは犯行の動機が丁寧に描かれることが多く、物語に厚みが生まれるのが特徴です。

 

今回は犯行の動機にこだわったミステリー小説の傑作を5冊ご紹介します。ご紹介した小説を読むときには、なぜ罪を犯さなければならなかったのか、考えながら読み進めていってみてください。

 

ホワイダニット小説の傑作1
宮部みゆき『火車』

『火車』の表紙

火車
宮部みゆき(著)、 新潮社ほか

 

ベストセラー作家、宮部みゆき氏の傑作の1つとされているのが『火車』です。第6回山本周五郎賞受賞のほか、「このミステリーがすごい! ベストオブベスト」の1位にも輝きました。

 

本作は、「火の車」という言葉のとおり、犯人も含めて借金で人生が狂った人たちを描いたミステリーです。サラ金・多重債務・カード破産などによる取り立てに翻弄されるさまは、読んでいて、決して他人事ではないリアルさを強く感じました。

同時に、お金を借りるということの怖い一面を知り、クレジットカードの使い方などをちょっと反省……。最も印象的なのはラストシーンです。ぜひあなたの目で確かめてみてください。

 

ホワイダニット小説の傑作2
アガサ・クリスティ『ABC殺人事件』

ABC殺人事件
アガサ・クリスティ(著)、早川書房ほか

 

数々の名作を発表したアガサ・クリスティ。

中でも『ABC殺人事件』は、ホワイダニットの傑作と言えます。

アルファベットをなぞるように連続殺人が発生し、被害者間にはアルファベット以外には何も関連はないと思われていました。しかし名探偵ポワロが根気強く調べていくうちに、新たな事実が次々と発覚し……。

 

名探偵ポワロと言えば鮮やかに事件を解決するイメージですが、この作品では珍しく苦戦を強いられます。犯人の正体・動機がわからず、「次の殺人があれば何かわかる……。」と、探偵らしからぬセリフを言ってしまうことも……。

読んでいて思わず、ポワロ焦りすぎ!と突っ込みを入れてしまいました。

 

そこまでポワロを苦しめた真犯人の動機とは何か、被害者との関係とは何かに注目です!

 

ホワイダニット小説の傑作3
横山秀夫『動機』

動機
横山秀夫(著)、 文藝春秋ほか

 

タイトルからしてホワイダニットそのものという作品である「動機」を含め、4編を収録した作品です。第53回日本推理作家協会賞を受賞しました。

4編の主人公は刑事・前科者・記者・裁判官です。物語の舞台設定は異なりますが、どこか共通したものを感じる主人公たち。一見ばらばらの内容に見えるのですが、4つの物語を読み終えた後には、1つの作品として成立する感覚を味わえます!

 

表題作の「動機」では、主人公の警察官が警察手帳の一括保管システムを導入するのですが、導入した矢先に警察手帳が30冊なくなってしまいます。一括保管に反対した内部の犯行の可能性もありますが、捜査はなかなか進みません。さらに他の問題が発覚していき……。

警察組織で次第に孤立し、焦燥感にかられる主人公は事件を通じ、自分自身を見つめ直すことになります。4編に共通するテーマは「自分を見つめ直す」といってもいいでしょう。

他の収録作品では、心理描写が特に見事な「逆転の夏」もおすすめです。

 

ホワイダニット小説の傑作4
東野圭吾『悪意』

悪意
東野圭吾(著)、講談社ほか

 

東野圭吾氏のホワイダニットの最高傑作とも言われている作品です。タイトルの通り、犯人の悪意ある動機に徹底的にこだわっており、殺害方法・トリックの要素はほとんどありません。

人気作家が殺され、刑事の捜査によって犯人は前半で明らかになるのですが、動機がなかなかわかりません。やっとつかんだ事実から真実を読み解くのですが、事態は二転三転していきます。

 

犯人はある目的のために、本当の動機を語らず、悟られないようにしています。なぜ動機を隠さなくてはならないのかが本作品の最重要ポイント!

真の動機が何か、あなたの推理は当たるでしょうか?

 

ホワイダニット小説の傑作5
天樹征丸『金田一少年の事件簿 電脳山荘殺人事件』

金田一少年の事件簿 電脳山荘殺人事件
天樹征丸(著)、 講談社

 

アニメ・漫画で有名な金田一少年シリーズのノベライズ版!

電脳山荘殺人事件は非常に高く評価されています。インターネットではなく、パソコン通信が使われていた頃の作品ですが、現在見ても古めかしい感じはしません。

パソコン通信で集まったミステリー・サークルの「電脳山荘」が、雪山の山荘でオフ会を開き、そこへ遭難しかけた金田一と美雪が避難してくるところから物語が始まります。サークルメンバーの中に殺意を秘めた人物が!やがて起こる連続殺人事件を金田一はどう食い止めるのか。明らかになる犯行の動機とは……。

 

ホワイダニットにあたる動機だけでなく、犯人は誰か、どのように殺したのかの設定も秀逸です。犯人やトリック当ての観点でも十分に楽しめる作品でしょう。

金田一から犯行を暴かれそうになる犯人の悪あがきっぷりも見ものですよ!

 

ラストまで見逃せない!

ホワイダニットは犯人の動機に焦点をあてるタイプのミステリー小説です。作品によっては前半から犯人が明らかにされることもありますが、動機が明らかになる後半まで見逃せません。

人の心理描写が丁寧な作品が多いのも、ホワイダニットの魅力的なポイントです。リアルさがあり、思わず考えさせられることも多い作品ばかり。

ぜひ一度、チャレンジしてみてください。

 

今回ご紹介した書籍

火車
宮部みゆき(著)、 新潮社ほか

ABC殺人事件
アガサ・クリスティ(著)、早川書房ほか

動機
横山秀夫(著)、 文藝春秋ほか

悪意
東野圭吾(著)、講談社

金田一少年の事件簿 電脳山荘殺人事件
天樹征丸(著)、講談社ほか

 

犯人当ての推理を楽しみたい方はこちら。

フーダニットミステリー小説(Who done it=誰が犯行を行ったか)傑作5選!