気軽にミステリーを楽しめる! おすすめライトミステリー
更新日:2019/10/4
ライトミステリーとは、ライトノベルのように気軽に読めるミステリー小説のこと。推理小説は興味があるけれど、難しそうで気が進まないという方には、ライトミステリーがおすすめです。
難しく考えずに読めて、でもしっかりミステリーの要素を味わえる作品をご紹介します。
温かくも切ない青春を。
『誰も死なないミステリーを君に』
『誰も死なないミステリーを君に』
井上悠宇(著)、早川書房
自殺、他殺など、寿命以外で訪れる「人の死」を予測できる志緒。
いつも「死」を目の当たりにしてきた志緒が苦しまないよう、「僕」は「死の予兆」を消去しようと奮闘します。
タイトルの通り、誰も死なないようにひた走る志緒と「僕」。先が読めそうで読めない展開に何度もハラハラさせられました。
また、話が進むにつれて繋がっていく2人のバックグラウンドの描写には度肝を抜かれます。
大切な人と一緒に過ごすあなたの「今」「過去」「未来」を想像しながら読み進めると、感動はさらに広がるはずです。
ほろり涙が出る感動ミステリ。
『一番線に謎が到着します』
『一番線に謎が到着します』
二宮敦人(著)、幻冬舎
必ず涙する感動の鉄道員ミステリ。
(帯より)
蛍川鉄道の藤乃沢駅に勤める鉄道員の夏目壮太が、個性的な同僚たちとともにさまざまなトラブルを解決していく物語。日常に潜む謎や事件に迫っていきます。
サスペンスの要素はないので、血なまぐさいミステリーが苦手な方にもおすすめですよ。全体を通してほのぼのと落ち着いた気持ちで読み進められます。
物語最大の「謎」が解けたとき、帯に書かれているように、あなたはきっと涙をこらえることができなくなるはずです。
幽霊の噂は本物?
『理由あって冬に出る』
『理由あって冬に出る』
似鳥鶏(著)、東京創元社
本作は、似鳥鶏(にたどりけい)さんのデビュー作。「市立高校」シリーズとしても人気を博しており、2006年には第16回 鮎川哲也賞で佳作に入選しました。
芸術棟に出没すると噂される、フルートを吹く幽霊のせいで、部員が怯えて練習どころではなくなった吹奏楽部。
そんな現状を打破すべく、吹奏楽部部長の高島を中心に結成された「にわか高校生探偵団」が解決のために立ち上がります!
幽霊の噂に迫る内容ですが、コミカルで爽やかな印象です。さて、本当に幽霊はいるのでしょうか……?
暗号の謎を解け!
『パチンコと暗号の追跡ゲーム』
『パチンコと暗号の追跡ゲーム』
伽古屋圭市 (著)、宝島社
パチンコやパチスロで生計を立てている山岸は、謎の美女と出会い、言われるがままに“ゴト”の手伝いをすることに。
気付けばなぜか暗号の解読まですることになり、美女とその仲間に巻き込まれていくが――。
第8回「このミステリーがすごい!大賞」において優秀賞を受賞した本作。公務員退職後、パチプロとして全国を放浪した著者の伽古屋さんが描く、暗号ミステリー小説です。
暗号好きな方であれば、絶対に読んでおきたい一冊ですよ。
独特の世界が魅力的
『GOSICK―ゴシックー』
『GOSICK―ゴシックー』
桜庭一樹(著)、角川書店ほか
アニメや漫画にもなった『GOSICK―ゴシックー』。
ヨーロッパにある小国ソヴュールを舞台に、少女ヴィクトリカと留学生の久城一弥が事件に立ち向かいます。
ミステリーとしての面白さに加え、ヒロインであるヴィクトリカの持つ魅力も幅広い人気を集めている理由のひとつです。
さまざまな仕掛けがあるので、そこに注目しながら読んでみてくださいね。
学校の七不思議がテーマのライトミステリー
『僕が七不思議になったわけ』
『僕が七不思議になったわけ』
小川晴央(著)、KADOKAWA
心配症の中崎夕也は、ある晩七不思議を司ることのできる精霊テンコと出会います。
「お主はこの学校の新しい七不思議に選ばれた。」
彼はなんと七不思議の引き継ぎとして、仮登録されたのです!
生きていながらも、なぜが七不思議の1つとなってしまった少年の日々とは――?
油断していると、騙されます! そして、もう一度読みたくなります! 巧みなトリックは見事の一言。読後感の良い作品としておすすめします。
夕也とテンコの掛け合いがテンポよく、楽しんで読み切れます。最後の展開にはちょっと驚かされました。
読むとほっこり。恋がテーマのライトミステリー
『恋衣神社で待ちあわせ』
『恋衣神社で待ちあわせ』
櫻川さなぎ(著)、集英社
神社の巫女さんアルバイトをするはずが、手違いで巫女コスプレカフェで働くことになってしまったすず。
そこで出会った軽そうな神主と、なぜかある事件に巻き込まれて――?
恋にまつわる3話で構成されている短編集。恋がからむ謎にもドキドキします。
軽いキャラクターの神主とお嬢様巫女のキャラがかわいく、ほのぼのとした雰囲気が好きな女性におすすめですよ。
ほんわかながら、謎解きもなかなかです。仕掛けを見逃さないように、じっくり読んでください。
サラサラと読めてしまうライトミステリー
『二階堂弁護士は今日も仕事がない』
『二階堂弁護士は今日も仕事がない』
佐藤大和(著)、マイナビ出版
イケメン弁護士の二階堂に出会い、法律事務所で働くことになった瑞穂。ところがコミュニケーション力が全くない二階堂が原因で、仕事がまったくありません。
そんな状況を見兼ねて営業を開始する瑞穂ですが、やがて天才弁護士二階堂の過去が明かされ――。
ムカッとする事件をスカッと解決してくれます! 現役弁護士が書いた作品だけあり、法律の内容も出てきて参考になる内容ですよ。
登場人物が面白く描かれていて、乙女心をくすぐるような展開も随所にちりばめられいます。
青春感じるライトミステリー
『退出ゲーム』
『退出ゲーム』
初野晴(著)、角川書店
幼なじみの穂村チカと上条ハルタ。夢見る2人にふりかかる複雑な謎を解き明かしていきます。
化学部から消えた劇薬の行方は? ルービックキューブはなぜ六面全部が白いのか? など、2人の推理が冴えわたる青春ミステリーの決定版です。
最後の種明かしの展開が上手く、オチのつけ方もきれいにまとまっていて、謎解き以外にも吹奏楽や恋愛の部分もあり読みどころがたっぷりです。
学生のリアルな悩みを描くライトミステリー
『午前零時のサンドリヨン』
『午前零時のサンドリヨン』
相沢沙呼(著)、東京創元社
須川くんが一目惚れした酉乃初はなんとマジシャン。学校で起きた不思議な事件を、マジックテクニックを駆使しながら、鮮やかに解決していきます。
学園生活がセンシティブに、かつ活き活きと描かれている、“ボーイ・ミーツ・ガール”のミステリー。普段は無口で内向的な女子高校生が、マジックで事件を解決に導く探偵役という設定です。
ミステリー、マジック、恋愛のもどかしさなどの要素が満載の作品ですよ。
ライトミステリーを気軽に楽しもう!
ライトミステリーと呼ばれる作品には、登場人物の個性が光っていて、軽く読める推理小説が多いですね。
学園の不思議、探偵モノ、ファンタジーまで、様々な謎が読む人の心をつかんでワクワクさせます。気軽にミステリーを楽しみたいとき、ライトミステリーの作品をお手に取ってみてください。
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