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あなたは誰が好き? 日本三大名探偵の魅力に迫る!


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日本三大名探偵と名高い、明智小五郎、金田一耕助、神津恭介。三者三様の名探偵、あなたは誰がお好きでしょうか。

 

西洋風のキザな探偵 【明智小五郎】 

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明智小五郎がはじめて出てくるのは、『D坂の殺人事件』という短編小説。当時、25歳を越してはいない年齢。

その頃の明智は、タバコ屋の2階にある4畳半の部屋を間借りして住む、定職に就かない風変わりな貧乏書生でした。容姿はどちらかといえば痩せていて、顔つきから声音まで講釈師の5代目神田伯龍にそっくり。いわゆる好男子ではないけれど、どことなく愛嬌のある、そして最も天才的な顔。髪の毛はモジャモジャ。歩く時に変に肩を振る癖がある。

なお、明智は当時から、犯罪や探偵について、並々ならぬ興味と、恐るべく豊富な知識を持っていました。人間の心理と論理に基づき、誰もが唸る推理を展開するのです。

評判が良く、再び登場したのは『心理試験』。その頃には、一般的に名の知れた名探偵となっていました。

明智はなんといってもおしゃれです。『D坂の殺人事件』では派手な木綿の着物を着ていました。上海から帰ってきた頃の『一寸法師』では、黒い支那服を。『蜘蛛男』では、詰襟の白服に白い靴、ステッキに白いヘルメット帽とまるで英国紳士のよう。

そして、いつも葉巻タバコをくわえています。

拳銃を持たせれば百発百中、完璧な変装。

そう、明智はスマートで、西洋風のキザな探偵なのです。

魔術師』では、のちに結婚する文代と出会い、『吸血鬼』では助手の小林くんが初めて登場します。小林くんは、シリーズ化されている「少年探偵団」の団長として有名ですよね。明智は『怪人二十面相』から登場しますが、そこでも完璧な紳士として描かれています。

 

人間味あふれた探偵 【金田一耕助】 

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金田一耕助が初登場するのは『本陣殺人事件』。金田一もこの頃25、6歳。

色は白いものの、容貌は取り立てていうほどの事はなく、髪の毛はボサボサ。アントニー・ギリンガムに似ていると書かれています。

金田一は、服装には無頓着で、風采を構いません。

この作品では(他の作品でもほぼ同じですが)、白の対の羽織と着物、紺の細い袴を身につけていました。羽織も着物もしわだらけ、袴は襞もわからぬほどたるんでいるし、紺足袋は爪が出そうになっているし、下駄はちびているし、帽子は形がくずれています。

珍しく 『支那扇の女』『雌蛭』『暗闇の中の猫』では変装をしている姿も描かれています。

金田一は、素晴らしい推理能力を持ち合わせながら、決して完璧な人間ではなく、人間味あふれた探偵であるところが魅力です。

身長は5尺4寸(約163cm)、体重は14貫(約53kg)と小柄で、初対面の相手には侮られる傾向が強く、金田一自身もコンプレックスを持っている描写がところどころに出てきます。ただ、その姿は母性を刺激するようで、女性には受けがいいのです。

相手の懐にすぐ入り込むような親しみやすさ。普段は控えめなのに、犯人の言動が非人道的だったり非社会的だった場合、厳しく批判したり、興奮するとどもる姿にはつい共感してしまいます。

本陣殺人事件』では、金田一は自身のスタイルについてこう語っています。

「足跡の捜索や、指紋の検出は、警察の方にやって貰います。自分はそれから得た結果を、論理的に分類総合していって、最後に推断を下すのです。これが私の探偵方法であります」

なお、最後の事件『病院坂の首縊りの家』が解決したあとに、金田一はアメリカに旅立ち、消息不明となっています。

 

非の打ち所がない頭脳派探偵 【神津恭介】

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神津恭介の初登場は『刺青殺人事件』。この頃神津は弱冠19歳。

色の白い、長身の痩せぎす、頰の真っ赤な美少年。女性のように華奢で繊細な体の持ち主でした。

その美しさは「同性愛の野蛮な風習がなかったことを私は彼のために祝福したい」という表現でも分かりますよね。

神津は10代の頃からすでに英、独、仏、露、ギリシア、ラテンの6カ国語を話し分けていました。そのため、理学部の数学科か物理学科に進学して、世界的な大学者、大教授になると思われていましたが、東京大学医学部に進学し、法医学教室に勤務しています。そこでも「神津の前に神津なく、神津ののちに神津なし」と評されています。

軍医として戦地に派遣された神津が日本に戻ってきて、再会したのが、殺人事件に巻き込まれていた松下。それを機に、神津は探偵としてのキャリアを進んでいく事になります。なお、松下はのちに、神津のワトソン役として活躍します。

神津の魅力は、非の打ち所がないキャラクターであること。華奢で美しい容姿、そして性格は温厚でやさしく紳士的。博識で、幅広く深い知識と天才的な頭脳を駆使しスピーディーに事件を解決します。

また、日本の古代史に精通しており 『成吉思汗の秘密』『邪馬台国の秘密』『古代天皇の秘密』など、入院中の暇つぶしとして、日本の古代史を紐解きながら謎をといていたりします。

 

「日本三大名探偵」の作品を読もう

推理小説好きなら一度は通る「日本三大名探偵」の作品たち。この機会に読み直してみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介した書籍

◆明智小五郎 著/江戸川乱歩
■『D坂の殺人事件
■『心理試験
■『一寸法師
■『蜘蛛男
■『魔術師
■『吸血鬼
■『怪人二十面相

 

◆金田一耕介 著/横溝正史
■『本陣殺人事件
■『支那扇の女
■『雌蛭』⇒「七つの仮面」に収録
■『暗闇の中の猫』⇒「悪魔の百唇譜」に収録
■『病院坂の首縊りの家

 

◆神津恭介 著/高木彬光
■『刺青殺人事件
■『成吉思汗の秘密
■『邪馬台国の秘密
■『古代天皇の秘密

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ライター

I.Megumi
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。