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西尾維新「<物語>シリーズ」のおすすめ作品|傑作5選


更新日:2016/7/5

「<物語>シリーズ」とは、西尾維新さん原作の大人気ライトノベルシリーズです。

「怪異」と呼ばれる存在にまつわる青春ストーリーで、SFありミステリーありの伝奇小説となっています。

ここでは、そんな「<物語>シリーズ」の傑作を、筆者の独断と偏見で5作選びました!
みなさんにとっての傑作は何作目でしょうか?

「<物語>シリーズ」(講談社) 作品一覧はこちら

 

その1.『化物語(上)』

『化物語(上)』表紙

化物語(上)

「怪異現象」に苦しめられる5人の少女。ある者は体重がなく、ある者は延々と道に迷い、またある者は悪魔と契約をしてしまう。
そんな少女たちに、高校3年生の阿良々木 暦(あららぎ こよみ)は手を差し伸べるのだった。

なぜ「怪異」は少女たちを苦しめるのだろうか? そしてその中で見えてくる彼女たちを取り巻く複雑な環境や悩みとは……。

 

シリーズ第1弾『化物語』。

作者の西尾維新さんは本作について、趣味で書いた作品と述べています。それもあってか非常に自由度の高い作品です。

時に本題を外れて語られる漫才のような掛け合いが、そのもっともたる例です。もちろんその掛け合いは非常に面白く、作品の大きな魅力の1つになっています。
コミカルな空気に終始せず、しめるところはしっかりとしめる、メリハリのきいた作品です。

 

その2.『傾物語』

『傾物語』表紙

傾物語

夏休みの最終日、いまだ宿題を終えていない阿良々木は、怪異の王であり吸血鬼の忍野 忍(おしの しのぶ)に、時間を戻してもらうことに。
時間跳躍を行い過去に行くが、2人が辿りついたのは11年前の5月だった!

夏休みの宿題どころではなくなった阿良々木は、11年前に亡くなったとある少女を救うことを思いつく。ところが彼女を救ったことで未来が大きく変わってしまい……。

 

本作『傾物語』は、シリーズ第5弾。阿良々木の夏休み最終日の冒険が描かれた作品となっています。
序盤のコミカルな展開からは想像のつかない終盤の展開は圧巻で、SF的に非常に面白い作品です。

たった1人の少女を救うことが、なぜ未来をこうも変えてしまったのか? その理由は興味深く、思わず考えさせられるでしょう。

 

その3.『花物語』

『花物語』表紙

花物語

高校3年生になった神原 駿河(かんばる するが)は、ある日奇妙な噂を耳にする。それは、悩み事をなんでも解決してくれる「悪魔様」の話だった。

かつて悪魔に取り込まれかけたところを阿良々木に救われた神原は、「悪魔様」という名前に妙な因縁を感じ、正体をつきとるために動き始める。
なんと「悪魔様」の正体は、かつてライバルだった沼地 蠟花(ぬまち ろうか)であることを知り……。

 

シリーズ第6弾『花物語』。阿良々木が大学生となっている本作は、シリーズ時系列の最後に位置する物語です。

神原と悪魔に1つの決着がつく話であり、沼地と神原の内面を掘り下げた話となっています。
2人の切実な悩みや、そこから生じる複雑な心理を書ききった本作は、文句のない傑作と言えるでしょう。

 

その4.『終物語』

『終物語(上)』表紙

終物語(上)

10月上旬。忍野 扇(おしの おうぎ)に誘われ、学校にある隠し部屋を探すことになった阿良々木だが、その隠し部屋入ると、「怪異現象」に巻き込まれ外に出られなくなってしまう。

そこで、2年前自らが孤立する原因となったある事件を思い出した阿良々木は、その事件について扇に語りはじめる。

事件の中で不登校になってしまった少女のことを思い出した阿良々木は、その少女にまつわる過去の事件の真相を追うことになり……。

 

シリーズ15冊目の『終物語(上)』は、ミステリー色の強い作品になっています。

デビュー作の『クビキリサイクル』や「忘却探偵シリーズ」など、ミステリー作家としての一面を持つ西尾さん。本作は、そんなミステリー作家としての西尾さんが垣間見える一作となっています。

犯人当てから消えた人間の謎まで、面白いミステリーが詰まった作品です。

 

その5.『傷物語』

『傷物語』表紙

傷物語

高校2年生の春休みに、四肢を失った満身創痍の金髪美女に遭遇した阿良々木。
自らを吸血鬼・キスショットと名乗る彼女に血を与えた阿良々木は、死を覚悟するが、なんと吸血鬼となって甦ってしまう!

3人の吸血鬼ハンターから、彼女の四肢を取り戻すことで人間に戻してもらうことを約束した阿良々木は、吸血鬼ハンターと対峙することに。

 

『傷物語』はシリーズ第2弾で、阿良々木が吸血鬼となった理由が明かされる物語です。

時系列的には『化物語』前の話。
西尾さんが本作のあとがきで
「あえて『傷物語』から先に読むというやり方も認められてしかるべきでしょう(p357より抜粋)」
と述べているため、本作は「真のはじまりの物語」と言ってもいいかもしれません。

本作では終盤に驚愕の事実が明かされ、それまでに語られてきた物語がまるで別の意味を持ち始めます。構成や展開の妙が本作の魅力となっており、個人的には特にイチオシの作品です。

 

あなたはどの「物語」が好き?

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いかがでしたでしょうか。

基本的には刊行順に読むのが好ましいので、手に取る際はどのような順番で刊行されているか確認することをおすすめします。

「<物語>シリーズ」とは?作品の魅力を刊行順に紹介!

 

気になった方は是非参考にしてみてくださいね。

「<物語>シリーズ」(講談社) 作品一覧はこちら

 

業界一(!?)コアなライトノベル情報が満載!