講談社X文庫ティーンズハートの懐かしい名作少女小説
1987年から2006年に講談社から刊行された「講談社X文庫ティーンズハート」。ピンク色の背表紙が懐かしい! という方も多いのではないでしょうか。
美しい挿絵と胸がキュンとなる物語の数々は、集英社コバルト文庫と並んで、読書好きの少女たちをトリコにしました。
そこでここでは、ティーンズハートの人気作品の中から「今だからこそ読み返したい10作品」をご紹介します。
当時を懐かしむだけではなく、昔は気付かなかった新しい発見があるかもしれませんので、是非手に取ってみてくださいね。
『山田ババアに花束を』
『山田ババアに花束を』
花井愛子(著)、折原みと(絵)
品行方正で男性経験がほとんどない教師の山田。山田を恐れるイマドキの女子高生の瑠奈。
そんな2人の身体が、山田のお見合い中に入れ替わってしまい……!?
先生と生徒の入れ替わりで起きる騒動が描かれたコメディ作品。
若い子への心配や嫉妬など、当時はよく分からなかった山田ババアの心境も、今改めて読み返してみると胸が痛くなるほど共感できます……。なんとも感慨深いものです。
内容はドタバタでぶっ飛んでいますが、テンポ良くサクッと読めますよ。
『時の輝き』
『時の輝き』
折原みと(著)
看護師を目指し、私立高校の看護科に通う由花は、初めての病院実習の日に、病院で「初恋の人」である峻一と再会する。
バイク事故で入院したという彼の笑顔の裏には、実は秘密があって……。
王道の純愛物語であり、「命」に向き合った感動作です。
ある病気に侵されている峻一を、看護師の卵として、目をそらすことなく懸命に支える由花。由花のとても純粋な思いに、きっと涙が止まらなくなるでしょう。
大切な人がいるという方に、ぜひ読んでほしいと思います。
「とんでもポリスシリーズ」
『とんでもポリスは恋泥棒』
『とんでもポリスは恋泥棒』
林葉直子(著)、伊東千江(絵)
普段はポニーテールの女子大生・忍が、得意の変身術で50代の県警本部長に大変身!
腐敗した警察を正そうとした矢先、さっそく大事件が。なんと、忍が恋をした松前刑事が殺人犯にされてしまい……。
本作はシリーズ第1作目であり、女流棋士としても活躍していた林葉直子さんのデビュー作です。
「とんでもポリスシリーズ」は基本的にコミカルな恋愛小説ですが、しっかりとしたミステリーの要素もあります。
普通の恋愛小説に飽きてしまった方にもおすすめですよ。
「沙保ちゃんシリーズ」
『16才♡子供じゃないの』
『16才♡子供じゃないの』
小林深雪(著)、牧村久実(絵)
16歳の志保は、家庭教師をしてくれている大学生の高野先生に絶賛片思い中。先生に近づきたくて、ママのメイク道具を使ってみるも、つれない反応をされてしまうのだった……。
家庭教師と生徒という関係、切ない恋模様が丁寧に描かれます。切なくて、苦しくて、だけど甘いラブストーリーに胸がキュンとするはず。
本作は、全9作ある「沙保ちゃんシリーズ」の1作目。
本シリーズのほか、沙保の母、沙保の子供たち、三女・果保の子供が主人公など、4世代にわたるシリーズ作品が刊行されています。
「ティー・パーティーシリーズ」
『ぱらどっくすティー・パーティー』
『ぱらどっくすティー・パーティー』
皆川ゆか(著)、佐藤まり子(絵)
何の取り柄もない平凡な少女まつり、とっても可愛い超能力者の栄、美人だけど男勝りな転校生の蘭。そんな3人の周囲で、何故かおかしな超常現象が次々と起こり……。
「ティー・パーティーシリーズ」の第1作目。夢と冒険が詰まった学園ファンタジーです。
しかしながらシリーズは徐々に加速し、火星に行くなどスケールアップ!
恋愛ものは苦手だけど、少女小説に興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
『マーメイド・ぱにっく』
『マーメイド・ぱにっく』
小泉まりえ(著)、武内直子(絵)
※画像は2巻
1000年に1度、マーメイド・プリンセスが愛する人間の男の子とキスをしなければ、世界が海の魔女に支配されてしまう――。
なんと自分が、その1000年目のマーメイド・プリンセスだと知らされた真珠。ピンクパールのネックレスの力で人間の少女の姿になった真珠は、地上に上がるのだが……。
童話『人魚姫』がモチーフとなったファンタジー恋愛小説。
世界を守るために頑張る真珠が奮闘し、自分にとって本当に大切な人を見つけるまでの過程が描かれています。
イラストを担当しているのは、『美少女戦士セーラームーン』で知られる武内直子さん! こちらも必見ですよ。
「つかまえてシリーズ」
『ミモザの庭でつかまえて』
『ミモザの庭でつかまえて』
秋野ひとみ(著)、赤羽みちえ(絵)
とある誕生パーティーに、友人のサキとともに参加していた由香。2人が参加している理由は、パーティーの主役である理恵の元に届いた、脅迫状めいた謎の文書のせいで……。
秋野ひとみさんのデビュー作『夕暮れ時につかまえて』を含む、「つかまえてシリーズ」の13作目。シリーズは全103冊にのぼります。
事件の謎を解いていく由香とサキのやり取りがとても軽快。恋愛要素も含まれますが、ミステリー色が強いのが特徴です。
「つかまえてシリーズ」を読んで、探偵ごっこに憧れた方もいたのではないでしょうか?
「好きから始まるシリーズ」
『好きから始まる夏物語』
『好きから始まる夏物語』
青山えりか(著)、長嶋めぐみ(絵)
夏休みを舞台に繰り広げられる、5つの恋のショートストーリー。本を読むのが苦手な人にもおすすめです。
どの作品も懐かしく、ワクワク感と恋の甘酸っぱさを感じられるでしょう。
シリーズは春、夏、秋、冬など、さまざまなテーマで描かれます。みなさんはどの物語が一番好きでしょうか?
「とラブるトリオシリーズ」
『きらめく星空に哀愁のチャルメラが聞こえる』
『きらめく星空に哀愁のチャルメラが聞こえる』
ゆうき☆みすず(著)、河内実加(絵)
聖マリア女学院に通っている、平凡な女の子ミキ、頭脳明晰よしの、生意気な美女メグの3人は、学校の帰りにラーメンを食べようと屋台に寄る。なんとそこに、店主の死体が転がっていて……!?
「とラブるトリオシリーズ」の第1作目。横浜を舞台に繰り広げられる、コメディ色の強いミステリー作品です。
3人の掛け合いがコミカルで面白く、恋愛要素もしっかり含まれており、少女小説ならではの魅力がギュッと詰まっています。
作品を読んで、ラーメンを食べたくなってしまった方も多いのではないでしょうか?
「アナトゥール星伝シリーズ」
『アナトゥール星伝 金の砂漠王』
『アナトゥール星伝 金の砂漠王』
折原みと(著、絵)
「アナトゥール星伝」という書物を見つけた結奈は、突然砂漠の王国に飛ばされてしまう。結奈はそこで出会ったシュラ王子も、自分が砂漠を救う「銀の星姫(メシナ)」だと言われるのだが……。
「アナトゥール星伝シリーズ」は、砂漠を舞台に繰り広げられる異世界ラブストーリー。全20巻あり、完結までに15年を要しました。
結奈が幾多の試練に立ち向かい成長していく姿や、シュラ王子との恋など、とにかく見どころが満載。ファンタジー作品をあまり読んだことがない方にもおすすめです!
もう一度X文庫ティーンズハートを読もう!
懐かしいティーンズハート作品のおすすめ小説を10作ご紹介しました。
胸がキュンとしてしまう恋愛ものから、ミステリー、冒険もの、そして異世界ファンタジーなど、幅広いジャンルからセレクトしてみたので、お気に入りがきっと見つかるはずです。
もう一度手に取って読み返してみて、あの頃を思い出してみませんか?
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