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「フォーチュン・クエストシリーズ」がおすすめ!冒険者になりたかったあなたへ。


更新日:2017/7/25

子どもの頃、冒険者になりたかったアオノです、こんにちは。(職業は詩人希望)

冒険者だなんて、夢見がちだったのには理由があります。
それは子どもの頃に『フォーチュン・クエスト』に出会ってしまったから!

今回は、わたしが大人になった今も愛してやまない、ファンタジーライトノベル「フォーチュン・クエストシリーズ」の魅力をご紹介します!

 

『フォーチュン・クエスト』とは

『フォーチュン・クエスト(1)』表紙

フォーチュン・クエスト
深沢美潮(著)、迎夏生(絵)
角川書店

「フォーチュン・クエストシリーズ」は、深沢美潮さんによるファンタジーライトノベル。1989年にスニーカー文庫からシリーズ一作目が発売されました。

深沢さんの処女作で、30年近く経った今も新作が書き下ろされているロングセラー。現在は出版社が変わり、電撃文庫から続編の他、新装版も発売されています。

 

冒険者とモンスターが存在する世界。
剣に魔法、RPG要素がたっぷり詰まった、ハラハラドキドキの、だけどほっこり優しい気持ちになる冒険が特徴です。

あるときはドラゴンの棲むダンジョンに、またあるときはレアアイテムを取ってくるおつかいに……冒険者になったばかりでレベルの低い6人と1匹のパーティが、力をあわせながらさまざまなクエストを経験していきます。

 

「フォーチュン・クエストシリーズ」の魅力

子どもの頃に『フォーチュン・クエスト』に出会い、大人になった今も読み続けている、わたしのようなファンも少なくないと思います。
そこで、長年愛され続ける『フォーチュン・クエスト』の魅力を3つ、ご紹介します。

 

1.一緒に冒険をしている気持ちになれる

2017025-fotunequest-2

フォーチュン・クエストシリーズの主人公は、18歳の女の子、パステル・G・キング。
彼女の一人称で綴られているのが大きな特徴のひとつです。

パステルは自分たちの冒険小説を執筆し雑誌に連載しており(これがパーティの収入のひとつでもあるのです!)この物語はまさにパステルの書いた冒険小説のようです。

さらに、パステルの口語で書かれた文体はとても優しく読みやすく、親しみがわくので、まるで自分がパステルたちと冒険をしているような気持ちになれるところが、最大の魅力です!

 

2.個性的なキャラクター

冒険者になった目的も出生も境遇も違う6人と1匹のパーティはみんな個性的。
でこぼこパーティと呼ばれるパステルたちのパーティのメンバーをご紹介します。

●パステル・G・キング
この物語の主人公。職業は詩人兼マッパー(ダンジョンなどでマッピングをする仕事)だけど極度の方向音痴。

●クレイ・S・アンダーソン
職業ファイター。パーティのリーダー。優しくてまじめで美形だが、「不幸」が代名詞に。装備はお手製の竹アーマー。

●トラップ
職業は盗賊。盗賊団の家柄で、口が悪くてギャンブル好きのトラブルメーカー。現実主義者で交渉がうまい。

●ルーミィ
職業は魔法使い。エルフ族の子ども。舌ったらずの幼子で、出生や家族の消息についてはすべて不明。

●ノル
職業は運搬・運送。巨人族の寡黙な青年。小動物と会話ができる能力を持つ優しい性格で、行方不明の妹を探している。

●キットン
職業は農夫。記憶喪失。薬草の知識があり、モンスターの弱点などを調べる役目も担っている。

●シロちゃん
ホワイトドラゴンの子ども。まっしろでふわふわ。普段は仔犬としてパーティに参加している。

 

他にも、ドワーフやソンビなど人間以外にも個性あふれる魅力的なキャラクターがたくさん登場します。
過去に登場した懐かしいキャラクターがふっと再登場する、なんてこともしばしば。

そんな時、懐かしい友達に再会したような気持ちになるから不思議です!

 

3.冒険者を身近に感じられる

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フォーチュン・クエストはファンタジー小説ですが、わたしたちの世界と、とても似ているところがあります。
ファンタジー小説としては珍しい要素ですが、フォーチュン・クエストの世界が身近に感じられる理由のひとつでもあります。

その中から、わたしがおもしろい!と思っている5つをご紹介します。

 

1.冒険者テストがある
誰でも冒険者になれるわけではありません。
冒険者テストに合格しなければ、冒険者にはなれないのです。パステルは一度テストに落ちており、予備校に通うはめに。まさに受験ですね!

2.冒険者支援グループがある
冒険者を認定したり、支援してくれる団体のこと。
冒険者テストに合格するともらえる冒険者カードの発行を行ったり、クエストの情報がもらえたりします。

3.冒険者専用の保険会社がある
まさかの生命保険もあります。冒険は危険がつきものですからね!

4.冒険者用のローンがある
冒険はお金もかかります。冒険者たちには安い利子で貸してくれるローンが便利!

5.通販がある
ポータブルのカンテラから、移動手段として使う生き物まで、冒険に必要なものは通販で揃えられます。読んでいると、通販の広告が掲載されているページもあるんです。通販広告を読むのも楽しみのひとつ!

通販を駆使しながら、ローンを組んだり、ときには生活費を稼ぐためにアルバイトをしたり……冒険者も楽ではありません。

冒険者ってとてもかっこいいけれど、パステルたちもわたしたちと同じように、生活するためにがんばっているんだ!と感じられるところに、親近感がわいてきます。

 

でこぼこパーティの成長を描く

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『フォーチュン・クエスト』の6人と1匹のパーティは、まわりの冒険者からバカにされてしまいます。子どもと犬を連れていて、リーダーのファイターの装備はまさかの竹アーマー。
でこぼこパーティと呼ばれ、誰も彼らがたくさんの冒険を乗り越えてきたパーティだとは思いません。

確かにパステルたちはレベルも低く、冒険者としてはまだまだ駆け出しです。しかし、彼らはお互いを家族のように愛し信頼しており、困ってる人がいたらほうっておけないお人よしばかり。

その人の良さから、ドラゴンや一国の王女まで、彼らの優しさに触れ、彼らが大好きになり、手を差し伸べてくれるのです。

さまざまな冒険の中で、確実にレベルを上げ、子どもだったパステルたちが大人へと成長していく姿に、自分の姿を重ねる人も多いのではないでしょうか。

 

「世にも幸せな冒険者たち」

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いよいよクライマックスへと近づいている彼らの冒険ですが、この先どうなっていくのか、まだまだ見当もつきません。
わたしは大人になってしまいましたが、フォーチュン・クエストを読むたびに、彼らと共に冒険をしているような気持ちになった子ども時代にすぐに戻れるのです。

シリーズ1巻目のタイトルは「世にも幸せな冒険者たち」。読んでいるこちらも幸せな気持ちになれるシリーズです。

あなたもぜひパステルたちとの冒険を、楽しんでみてください!

今回ご紹介した書籍

「フォーチュン・クエストシリーズ」一覧はこちら
深沢美潮(著)、迎夏生(絵)

 

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