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直木賞・直木三十五とは、どんな賞で誰なのか?


本好きではなくても、多くの人が知っているであろう文学賞「芥川賞・直木賞」。

『羅生門』などで有名な芥川龍之介もまた知っている人は多いと思いますが、では直木賞の“直木”は、一体誰なのかご存知ですか?

ドキッとした方、ご安心を。私も「直木三十五」と名前に数字が入っているという事しか知りませんでした。

今回は、そんな意外と知らない「直木賞」と「直木三十五」について、わかりやすくご紹介します。

 

直木賞 とは?

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「直木賞」は通称名であり、正式には「直木三十五賞(なおきさんじゅうごしょう)」といいます。

単行本、各新聞・雑誌として出版された大衆小説の中で最も優秀な作品に贈る賞として、1935年に芥川賞(芥川龍之介賞)とともに創設されました。創設したのは、文藝春秋の創業者・菊池寛氏です。

直木賞は芥川賞ともに年2回、7月と1月に受賞作が発表されます。また、受賞作として該当する作品がない場合は、「該当作なし」ということもあります。

 

直木賞について、ザックリとわかりましたでしょうか?
では次は直木三十五とはどんな人物なのか、みてみましょう。

直木三十五(なおき さんじゅうご)とは?


直木三十五(なおき さんじゅうご)
1891年2月12日~1934年2月24日没
本名:植村宗一
出身地:大阪府大阪市


明治から昭和初期に活躍した小説家で、小説の執筆のほかにも脚本や映画監督としても活動されていたそうです。

名前の「三十五」というのは、本人の年齢がもとになっていて、31歳のときに「直木三十一」という名前でデビューしてから、毎年誕生日を迎えるごとに「三十二」「三十三」……と、ペンネームも変えていたとのこと。30歳を過ぎると自分の年齢も忘れちゃいますもんね!(ポジティブ)

しかし、名前を読み間違えられたり、直木賞の創設者・菊池寛にもペンネームの変えすぎでお叱りを受けたことから、直木三十五という名で定着させたそうです。ちなみに、直木三十五が他界した時の年齢は43歳でした。

名字の「直木」は、本名の「植」を分解したのが由来だそうで、ユーモアのある作家さんだったことが伺えますね。

 

直木三十五の代表作

そんなチャーミング(勝手なキャラ設定)で、名誉ある文学賞の由来となった直木三十五は、一体どんな小説を書いていたのか、気になったので調べてみました。


■『南国太平記』

幕末に薩摩藩で起こったお家騒動・お由羅騒動を描いた物語。映画やドラマ化もされ、映画は10作も作られた直木三十五の代表作。


■『黄門廻国記』

あの言わずと知れた『水戸黄門』の原作!(月形龍之介主演映画作品)。一気にスゴさを感じました。


 

このほかにも、多くの著書や作品を残しているそうです。
絶版となり、なかなか手に入らない作品も多いかもしれませんが、本好きの方なら一作は読んでおきたい作家さんですね。

 

 直木賞と芥川賞の違いとは?

直木賞と芥川賞、同時に発表される賞ですが、一体何が違うのでしょうか?

まずひとつにジャンルの違いがあります。直木賞は「大衆小説」、芥川賞は「純文学」です。また、作品の長さにも違いがあります。芥川賞は短編、中編作品が対象でありますが、直木賞は長編も含まれるため、とくに長さは決められていません。

このような名誉ある作品をダブルで受賞したいという誰も成しえたことのないことにチャレンジしたい!と思っても、そもそもジャンルが違うためダブル受賞は無理な話のようです。しかし、両方の賞の候補に選ばれた過去は4度あります(第39回までですが……)から、叶わなくはないのかもしれませんね。

 

「直木賞」歴代受賞作は、どんな作品がある?

歴代受賞作をかいつまんでご紹介!


■第1回(1935年上半期)受賞作:『 鶴八鶴次郎』『風流深川唄』『明治一代女』川口松太郎

■第50回(1963年下半期)受賞作:『巷談 本牧亭』安藤鶴夫、『塵の中』和田芳恵

■第100回(1988年下半期)受賞作:『東京新大橋雨中図』杉本章子、『熟れてゆく夏』藤堂志津子

■第150回(2013年下半期)受賞作:『恋歌』朝井まかて、『昭和の犬』姫野カオルコ

■第156回(2016年下半期)受賞作:『蜜蜂と遠雷』 恩田陸


全156回中(2017年7月18日現在)、受賞作がなかったのは28回、第136回(2006年下半期)以降は「該当作品なし」は出ていません。

 

2017年直木賞受賞作品を紹介!

■2017年上半期、第157回受賞

月の満ち欠け
佐藤正午・著 岩波書店刊

3人の男と1人の少女が交錯するストーリー。物語は、主人公に子供が生まれ、その子が熱を出し異変が起きたところから動き出す。そこからはぐいぐいと物語に引き込まれ、フィクションなのに実際にあってもおかしくはないような話に恐怖を覚えた読者も多いとか。輪廻転生というものが本当にあるとしたなら?純愛とはこういうことをいうのか?さまよえる魂の物語は衝撃のラストを迎える。

 

■2017年下半期、第158回受賞

銀河鉄道の父
門井慶喜・著 講談社刊

『銀河鉄道の夜』の著者である宮沢賢治。その父の名は宮沢政次郎。裕福な質屋で生まれ育った親子の関係性を父目線で描いています。作家、宮沢賢治はどのようにして生まれたのか、またどのような生涯を送ったのか、その真相に迫っています。小説に描かれた宮沢賢治はごく普通の青年。新鮮な気持ちで銀河鉄道シリーズを読み返すのに一役買うでしょう。

 

歴代直木賞作品を読もう!

当たり前のように耳にしていたけれど、実はよく知らなかった「直木賞」「直木三十五」。

直木賞はベテラン作家の受賞が多く、読書に慣れていない人でも読みやすい作品がたくさんあります。この機会に最新の受賞作はもちろん、過去の作品にも触れてみてはいかがでしょう?

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