「読解力」をつけたいあなたに! 実践したい読解力を身につけるコツ
更新日:2019/4/17
「読解力」とは、単に本や新聞などに書いてある内容を正確に理解するだけの能力ではありません。
職場や家族、友人など身近な人と良好な人間関係を築く際にも役立ちます。また、仕事をスムーズに進めるうえで欠かせない能力ともいえるでしょう。
学生であれば、テストの中で文章から答えを導き出す問題も、より容易に解けるようになるかもしれません。
ここでは、「読解力」がどんな能力か、読解力のない人の特徴や原因、今日からすぐ実践できる読解力を身につけるコツをご紹介します。
読解力のない人の特徴と読解力低下の原因
「読解力」とは、文章に書かれた内容を読んで理解する力のこと。「文章が言わんとすることを正しく理解する能力」ともいえます。
この読解力が身についていないと、本や文章の内容が頭に入ってこない、目の前にいる人が話していることの内容が理解できない……なんてことに。
経済協力開発機構(OECD)では、15歳の生徒に対して3年におきに「国際学習到達度調査」を行っています。
この調査によると、日本人の読解力は2012年に世界で4位、ところが2015年は8位と、順位を落としているのです。
日本人の読解力低下には、スマートフォンの普及により日常生活でSNSの利用頻度が増えたことが1つの理由として挙げられます。
SNSは、用件や自分の考えを短い言葉で簡潔に伝えるのに便利なツールです。これらは入力できる文字数が限られていることから、SNS独自の略語や単語も生まれています。
しかしそれは、正しい日本語を使う機会が大幅に減ってしまったともいえるでしょう。その結果、読解力の低下に繋がったのだと専門家は指摘します。
また、「想像力が足りない」これも読解力低下の原因ではないでしょうか。誰が、いつ、何を、どうした、など、自分の頭で想像することが大切だと感じます。
読解力があることのメリット3つ
読解力があると小説を読むときに役立つ、文章題を解きやすくなるほか、日常生活やビジネスの場で次の3つのメリットが期待できます。
メリット1.コミュニケーション能力が上がる
読解力がある人は、コミュニケーション能力が高く、対人関係を築くのが上手い傾向にあります。
読解力は単純に文章の言わんとすることを正確に理解するだけの能力ではありません。会話中に相手の表情や仕草を見て、相手の気持ちを察することも立派な読解力といえるでしょう。
言語化されない相手の本心を汲み取る力や、その場の雰囲気を読む力がある人は、言い換えればコミュニケーション能力が高い人です。
コミュニケーション能力は職場や家族、友人など身近な人たちと良好な人間関係を築くのに欠かせないスキル。読解力が大切なことが分かります。
メリット2.仕事や勉強を教えるのが上手い
読解力がある人は、「教え上手」であるとも言われています。
会社で部下に仕事のアドバイスをした経験がある人もいるのではないでしょうか?また、子供に勉強を教えた経験がある人もいることでしょう。
自分が説明したことに対して相手から質問されたときに、わかりやすく説明するときにも読解力は欠かせません。
逆に相手の質問に対して、正確に理解して上手に答えられない人は、読解力が乏しいといえます。
メリット3.あらゆるビジネスの場で活かせる
さまざまなビジネスシーンで読解力は役立ちます。
ビジネスの場ではメール、プレゼン、商談などさまざまなシーンで、自分の考えを相手にわかりやすく伝えるスキルが必要です。
職場の人たちに自分の考えが伝わらなければ、業務効率の低下に繋がることも……。また、それが原因で人間関係が悪化する恐れもあります。
営業マンが商品を顧客に売るときに、商品の魅力をわかりやすく伝えることができなければ、会社の業績を上げることもできません。
読解力は仕事をするうえで必要不可欠なスキルといってよいでしょう。
今日から実践できる! 読解力を鍛えるコツ
それではここから、すぐ実践できる読解力を鍛えるコツをご紹介します。
コツ1.文章を読む習慣を身につける
読解力の低い人は、そもそも正しい日本語が書かれた文章に触れる機会が少ない傾向にあります。
まずは活字に触れてどんな種類の文章でも丁寧に読む習慣を身につけることをおすすめします。漫画、雑誌、なんでもかまいません。
黙読だと飛ばし読みをして、正確に文章の主旨が理解できないこともあります。可能であれば、時間を見つけて音読してみるとよいでしょう。音読することで必然的に全文章に目を通す形になります。
また、文字を言葉にすることで文章の内容が頭に入りやすくなるといったメリットもありますよ。
コツ2.語彙力を鍛える
語彙力を鍛えることも読解力アップへと繋がります。
文章を丁寧に読む課程で、意味のわからない言葉や単語が出てくることでしょう。これらの言葉や単語が出てきたときは、辞書で調べてみることをおすすめします。
より手っ取り早く調べたい人は、インターネットの検索エンジンで「単語+とは」で検索してみると良いでしょう。
ただし、インターネットには必ずしも正しい情報が掲載されているとは限りません。インターネットで調べるときは、公共機関や法人など、掲載情報の信憑性が高いサイトを選ぶようにしましょう。
コツ3.要約力を身につける
読解力を鍛えるのに、要約力を身につけることもおすすめの方法です。
気軽に試せる要約力アップの方法に、インターネットや新聞に掲載されているニュースを一言でまとめることがあります。以下の手順で実際に試してみてください。
1.先に本文だけ読んで本文を要約。この段階ではニュースタイトルと導入文に目を通しません。
2.本文の要約が終わってから、答え合わせを兼ねてニュースタイトルと導入文をチェック。
3.要約した内容とタイトル、導入文の内容がほぼ一致していれば、正しく要約できたことになります。
コツ4.常に考えるクセを身につける
常に考えるクセを身につけることも読解力アップに役立ちます。
人は文章を読むときに、文章にはない情報を知識や経験で補い、想像することで文章の内容を理解します。
また、文章からイメージした内容と、自分の経験や知識を比較して、自分なりの考えや意見を頭の中で整理しているのです。
つまり、文字情報を頭の中でイメージすることで、はじめて文章を正確に理解できたといえます。
新聞、雑誌、書籍などの情報に触れる機会を増やして、思考力を鍛えてみるとよいでしょう。その際はただ読むのではなく、本に書かれた内容を深く読み考えるクセをつけることをおすすめします。
読解力を身につけよう!
読解力はただ文章に書かれた内容を理解するだけの能力ではありません。日常生活でさまざまな立場の人とコミュニケーションと取るうえで必要不可欠な能力といってよいでしょう。
「文章を読むのが苦手」「相手の考えを察するのが苦手」など、お悩みの方は、今回紹介した読解力を鍛えるコツを早速実践してみてくださいね。
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