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太宰治のイメージが変わる! 文豪・太宰治はこんな人だった


更新日:2018/6/13

太宰治のイメージが変わる!太宰治はこんな人だった

『走れメロス』や『人間失格』など、数多くの名作を書いた、日本を代表する作家のひとり、太宰治。

その作品や名前はとても有名ですが、みなさんは太宰治がどんな人なのか知っていますか?

意外なものが好きで、好きなものにはひたむきな情熱をもっていた、太宰治。みなさんが思っている太宰治と、ちょっとイメージが違うかもしれませんよ。

ここでは太宰治のこと、そして、おすすめの太宰作品をマンガでご紹介します!

 

 

そもそも、太宰治ってどんな人?

太宰治について、まとめてみました!

太宰治(本名:津島修治)

誕生日:1909(明治42)年6月19日
出身地:青森県北津軽郡
命日:1948(昭和23)年6月13日

太宰は、11人兄弟の10番目に生まれました。幼い頃から読書が好きだったそうです。

 

太宰のここが凄い!

・16歳で初めて小説『最後の太閤』が雑誌に掲載される
・第1回目の芥川賞候補に選ばれる。(しかし受賞はならず……)
・代表作『人間失格』は、新潮文庫だけで670万部売り上げている!

太宰ここがやばい……!

・人生で5回の自殺未遂、心中未遂事件を起こす
・「芥川賞ください」という4メートルもある手紙を送る
・自身の作品を川端康成に酷評されたことに腹を立て、「川端康成へ」と、名ざしの恨み節文章を雑誌に掲載。

良くも悪くも凄すぎるゾ、太宰……。

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太宰治はこんな人だった!

エピソード1:芥川龍之介のことが好きすぎる

絡まった赤い糸

太宰は、学生のころから、芥川龍之介の作品が大好きだったそうです。

こんなエピソードが残っています。

 

・芥川龍之介が好きすぎて、ノートに「芥川龍之介」と何度も書いていた

2013年に、太宰が授業で使っていたノートが発見されました。
芥川の名前が端にびっしり描いてあるだけでなく、らくがきだらけのそのノート。文豪も授業中にらくがきしてたんだと思うと、なんだか親近感がわきます。

 

・芥川龍之介が好きすぎて、同じポーズで写真を撮っていた

芥川龍之介の一番有名な写真、顎に手を当てたポーズがあるのですが、太宰が若いころの写真で、芥川のポーズをマネして撮っている写真があるんです。
好きだからマネしてみたくなってしまったんでしょうね。ちょっとかわいいですね。

 

・だけど芥川賞は取れなかった

大好きな芥川龍之介の名前がついた芥川賞、第1回目に、太宰の『逆行』がノミネートされました!

どうしても芥川賞がほしい……その一心で、芥川賞の選考員のひとり、佐藤春夫に「佐藤さん、私を忘れないで下さい。私を見殺しにしないで下さい」と、4メートルもある巻物の手紙を送ったそうです。

しかし受賞を逃してしまった上に、川端康成に酷評され「川端康成へ」という名指しの文章を雑誌に掲載。
「刺す」とか「大悪党だと思った」とか、過激な言葉を連ねていたんです。今だったら大問題ですね……。

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エピソード2:丼に○○をかけて食べた!

お茶碗に入った白いご飯

太宰治の友人のひとりに、小説家の檀一雄(だんかずお)という人がいます。

直木賞受賞作家ですが、太宰よりはなじみのない名前かもしれません。彼は、友人太宰治とのエピソードを綴った本『小説 太宰治』を出版しています。

『小説 太宰治』によると、太宰は意外なものが好きだったみたいで……

鮭缶が丼の中にあけられた。太宰はその上に無闇と味の素を振りかけている。

「僕がね、絶対、確信を持てるのは味の素だけなんだ」

(岩波現代文庫『小説 太宰治』14ページ)

 

なんと、味の素!
確信を持てるのが味の素だけだなんて、味の素に絶対の信頼を寄せているようです。

 

また、太宰の小説『HUMAN LOST』の中にも、味の素が登場します。

太宰は、筋子に味の素の雪を降らせ、納豆と青のりとからしを添えれば、他に何も不足はない、と書いています。ここまでくると、太宰がどれだけ味の素が好きだったか伝わってきますよね。

毎年太宰のお墓には、たくさんのファンから、たくさんのお供えものが置かれています。その中に、ちゃんと味の素もあるそうですよ。

鮭缶に味の素、筋子に味の素……今でもマネできそうな、太宰治レシピですね!

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エピソード3:5回の自殺未遂・心中未遂を図る

玉川上水

太宰治は、5回の自殺未遂・心中未遂をしたと言われています。

こんなにたくさんの自殺未遂をしているから、狂言自殺じゃないかといつも言われていたそうです。だから本当は、5回目も太宰は死ぬつもりはなかったんじゃないかと言うひともいます。

ですが、最後の入水心中の時、太宰と、心中した愛人の山崎富栄は、腰を赤い紐で結ばれていたそうです。
本当のことはわかりませんが、「赤い紐」で結ばれていたと聞くと、本当に心中だったのではないか、と思ってしまいますね。

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太宰治おすすめ作品『桜桃』

太宰治のおすすめ作品はたくさんありますが、ここではわたしのイチオシの太宰作品『桜桃』をご紹介します。

太宰が自殺する一週間前に発表された短編小説で、主人公は作家の男。このお話は、太宰の家族がモデルと言われています。

『桜桃』の冒頭をマンガでご紹介します!

太宰治『桜桃』のあらすじマンガ

 

主人公の男は気まずい事に耐えられない性格で、いつも冗談ばかり言うし、妻は子供の世話で忙しい。一触即発の夫婦を描いた作品で、太宰の父としての姿、夫としての姿、作家としての姿を覗いているような作品です。

太宰はこんな風に生きていたのかもしれない……と想像を膨らますことができる1作。

短いお話なので、ぜひ一度読んでみてくださいね。

⇒『桜桃』角川春樹事務所ほか

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太宰治のことを知ろう!

いかがでしたか? みなさんが知っていた太宰治から、ちょっとイメージが変わったのではないでしょうか。

太宰に限らず、作家のことを知れば作品を読んだときに、より一層楽しめると思います。そして、今回のコラムで太宰治にちょっとでも親しんでもらえたら嬉しいです!

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