どれに応募する?文学賞を賞金順にランク付けしてみた
文学賞には、芥川賞や直木賞のように既に発表された作品から選ばれるタイプと、未発表の作品を一般から公募して選考されるタイプがあります。
これから小説家としてデビューしたい方なら、公募文学賞に応募してみてはいかがでしょうか。
ところで、文学賞には賞金がつきものです。どうせ応募するなら賞金が高額な文学賞を狙いたいという方も多いでしょう。
そこで今回は公募文学賞の賞金順ランキングを6位から順にご紹介します。
【第6位】賞金200万円の文学賞2選
まずは賞金200万円が贈呈される文学賞を2つご紹介します
・小説すばる新人賞
応募条件は「面白い小説」! ジャンルは不問でエンターテインメント小説が対象の文学賞です。
日本語で書かれた自作未発表の作品のみ応募できます。正賞は記念品で、副賞は200万円の賞金となっていて、受賞作は集英社から単行本が出版されます。
・坊ちゃん文学賞
数々の俳人を輩出し、夏目漱石「坊ちゃん」の舞台にもなった松山市が、市政100周年を記念して1989年に創設した隔年公募の文学賞です。対象は斬新な作風の青春小説で、日本語で書かれた自作の未発表作のみ応募可能です。
大賞には賞金200万円が贈呈され、マガジンハウス発行の「Hanako」に掲載されます。また、佳作2作品には賞金50万円が贈られますよ。
【第5位】賞金300万円の文学賞6選
賞金300万円が贈られる公募文学賞はたくさんあります。ジャンルが決められているものもあるので、応募しやすいのではないでしょうか。
・小学館ノンフィクション大賞
さまざまな視点から時代を捉えたエンターテインメント性があるノンフィクションが対象の文学賞。主催は小学館の「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」で、大賞には賞金300万円が贈呈されます。
雑誌やブログで発表した作品でも加筆が半分以上あれば応募可。自費出版物であっても書店に流通していなければ応募できます。グループや共同著作でも応募可能です。
・日本ファンタジーノベル大賞
ファンタジー小説を対象として1989年に「日本ファンタジーノベル大賞」が創設されました。
第25回(2013年)に休止となりましたが、2017年に「日本ファンタジーノベル大賞2017」として新たにスタート。応募はプロ・アマ不問ですが、日本語で書かれた自作で未発表の小説に限ります。
大賞の賞金は300万円で、受賞作は新潮社から刊行されます。
・小説現代長編新人賞
講談社の「小説現代」で公募され、掲載される文学賞です。
応募できるのは新人のみで、ジャンルは問いませんが、自作の未発表小説に限ります。受賞作には賞状と賞金300万円が贈られ、「小説現代」に掲載のうえ、講談社から単行本が出版されます。
・開高健ノンフィクション賞
枠にとらわれない広いジャンルのノンフィクションを公募しています。
プロ・アマ・年齢や国籍を問いませんが、日本語で書かれた未発表の作品のみ応募可能です。受賞作は正賞として記念品、副賞として300万円が贈られます。
・ノベル大賞
集英社が主催する文学賞でジャンル不問、幅広く楽しめるエンターテインメント小説が対象です。プロ・アマ不問で、日本語で書かれた自作・商業出版未発表の作品に限ります。
大賞には正賞として盾、副賞として賞金300万円が贈呈されます。また、準大賞には正賞の盾と副賞の100万円が、佳作には正賞の盾と副賞の50万円が贈られます。
・電撃小説大賞
KADOKAWAのアスキーメディアワークスが主催する「電撃小説大賞」は、ジャンル不問の長編または短編小説を対象とした文学賞です。日本語で書かれたオリジナルの未発表作品に限ります。
大賞は正賞+副賞として300万円が贈られます。そのほかにも、金賞には副賞として100万円、銀賞には副賞50万円、メディアワークス文庫賞には副賞100万円、電撃文庫MAGAZINE賞には副賞50万円……というように、受賞のチャンスは多数。
受賞作は電撃文庫やメディアワークス文庫などからの出版が約束されています。
【第4位】横溝正史ミステリー大賞
未来のミステリー作家を募集するため昭和55年に創設された文学賞。対象は広義のミステリー小説で、自作・未発表の作品のみ応募できます。
大賞には金田一耕助像と賞金400万円が贈られ、受賞作は株式会社KADOKAWAより出版されます。
【第3位】賞金500万円の文学賞3選
賞金500万円が贈呈される文学賞は意外とたくさんあります。バラエティ豊かなので、自分の作品のジャンルに合った文学賞に応募してみませんか?
・日本ミステリー文学大賞新人賞
新人作家発掘の目的で光文文化財団が主催する「日本ミステリー文学大賞新人賞」は、正賞としてシエラザード像、副賞として500万円が贈呈されます。
広義のミステリー小説で、日本語で書かれた自作未発表の作品が対象です。受賞作は光文社から刊行されます。
・松本清張賞
日本文学振興会が主催する「松本清張賞」は、長編エンターテインメント小説を対象とした文学賞です。
ジャンルは問いませんが、日本語で書かれた自作未発表の作品に限ります。正賞として時計、副賞として500万円が贈呈され、受賞作は文芸春秋より刊行されます。
・日本ホラー小説大賞
広義のホラー小説を対象とした文学賞で、プロ・アマ不問ですが未発表の作品に限り応募可能です。
受賞者には賞金500万円が贈られ、受賞作はKADOKAWAより出版されます。また、「日本ホラー小説大賞読者賞」に選ばれた作品は、角川ホラー文庫より刊行されます。
【第2位】江戸川乱歩賞
推理作家の登竜門としてこれまで数々の作家を輩出してきた歴史ある文学賞です。
対象は広義の推理小説で自作未発表のものに限ります。正賞は江戸川乱歩像で、副賞として賞金1000万円(ただし受賞者が複数の場合は分割)が贈呈。受賞作は講談社より刊行となり、フジテレビで映像化されます。
【第1位】「このミステリーがすごい!」大賞
最後に、もっとも賞金が高いのが、2002年にスタートした「このミステリーがすごい!」大賞。エンターテインメント性が高い広義のミステリー作品が対象の文学賞です。
大賞には1200万円、優秀賞には200万円の賞金が贈呈され、作品は宝島社から出版されます。
賞金も楽しみ!公募文学賞に応募してみよう
今回は受賞作に200万円以上の高額な賞金が贈呈される文学賞をご紹介しました。
受賞者に高額賞金が贈呈される文学賞はミステリーや推理小説などのジャンルが多いものの、ジャンル不問というものもあります。小説家デビューを考えている方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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