文学賞の一覧|短編・長編小説、エッセイなどジャンル別まとめ
文学賞には知名度が高いものからあまり知られていないものまで、たくさんの種類があります。文学賞の受賞をきっかけに、その作家に興味を持つこともありますよね。
また、自分で小説を書いている人にとって、公募の文学賞は作家デビューの大きなチャンスです。
今回は、ジャンル別の文学賞をピックアップしてご紹介します。
エッセイの文学賞
エッセイの文学賞で知名度が高い賞は、すでに発表された作品を対象とした賞が多いのですが、中には公募型で賞金が高い賞もあります。
・講談社エッセイ賞
1985年に創設された講談社主催の文学賞で、5名の選考委員によって受賞作品が選ばれます。受賞者には、正賞の記念品と副賞の100万円が贈られます。
第33回(平成29年)は小泉今日子さんが受賞したことでも注目を浴びました。
・読売文学賞 随筆・紀行賞
過去1年間に発表された作品を対象として選ばれる文学賞です。読売文学賞は昭和24年度に創設され、第19回から随筆・紀行部門も追加されました。
受賞者には正賞として硯、副賞として200万円が贈呈されます。
・約束(プロミス)エッセー大賞
産経新聞社が主催し、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が協賛する文学賞で、1995年に創設されました。アマチュア対象の文学賞で、人間関係や約束の大切さを再認識することがコンセプトです。
大賞には賞状と100万円相当の商品券が贈られます。
短編小説の文学賞
短編小説の定義は具体的に決まっているわけではありませんが、一般的には原稿用紙10枚~80枚程度と言われています。公募の新人賞が多いのも特徴です。
・オール読物新人賞
文芸春秋が主催する「オール読物新人賞」は、400字詰め原稿用紙50枚以上100枚以内の未発表短編小説が対象です。ジャンルはエンターテインメント全般とされていますので、時代小説でもミステリーでも、得意なジャンルで挑戦できます。
1952年に創設された歴史ある文学賞で、受賞者には正賞と賞金50万円が贈られます。
・短編小説新人賞
集英社のWebマガジン cobaltが主催する「短編小説新人賞」は、原稿用紙25~30枚で応募できますので、ビギナーにおすすめの文学賞です。入選作には賞金20万円、佳作には10万円が贈られます。
この賞を足掛かりに集英社の「ノベル大賞」を受賞してデビューした作家も多くいるんですよ。
・大藪晴彦新人賞
徳間書店が主催する「大藪晴彦賞」が第20回を迎えたことを記念して、2017年に創設された公募の新人賞です。
応募できるのは冒険小説、ハードボイルド、サスペンス、ミステリーをベースとしたエンターテインメント小説で、400字詰め原稿用紙50枚以上80枚以内の短編小説となっています。受賞者には賞状と賞金100万円が贈られます。
長編小説の文学賞
長編小説に限定された文学賞をご紹介します。才能あふれる新人を発掘するための公募文学賞も多いんですよ。
・小説現代長編新人賞
1963年に創設された「小説現代新人賞」はベストセラー作家を数多く輩出しましたが、2006年より「小説現代長編新人賞」として新たにスタートしました。
ジャンルは不問で原稿用紙250枚以上400枚以内、新人のみ応募できます。
賞金は小説誌の新人賞として最高額の300万円が贈呈され、講談社から単行本が発刊されますよ。
・新潮ミステリー大賞
新潮社が主催する文学賞で、広義のミステリー作品が対象となっています。原稿枚数は400字詰め原稿用紙350枚以上で、応募資格はプロ・アマ問いません。大賞受賞作には賞金300万円が贈られます。
また、東映が後援となっていて、最終候補作品は映画やドラマなど映像化される可能性があるので注目です。
・松本清張賞
日本文学振興会が主催する「松本清張賞」は、プロ・アマ関係なく応募できる文学賞です。ジャンル不問で広義のエンターテインメント小説を対象とし、400字詰め原稿用紙300~600枚の長編小説と規定されています。
受賞作には正賞として時計、副賞として500万円が贈られ、文芸春秋より刊行されます。
ライトノベルの文学賞
若者向けで比較的気軽に読めるライトノベルを対象とした文学賞も多数あります。若い読み手が楽しめるライトノベルを書いている人は、応募してみてはいかがでしょうか。
・MF文庫Jライトノベル新人賞
10代の読者が楽しめるエンターテインメント作品が対象で、ジャンルは不問です。年に4回の締め切りでそれぞれ佳作を選出し、通年で大賞、最優秀賞、優秀賞が選出されます。
大賞には正賞の盾と副賞の300万円、最優秀賞は盾と副賞100万円、優秀賞は盾と副賞50万円、佳作は盾と副賞10万円が贈られ、MF文庫Jより出版されます。
・このライトノベルがすごい!大賞
宝島社が発行する「このライトノベルがすごい!」から生まれた新人賞。ジャンルは不問ですが、10代の読者を意識したエンターテインメント性が高い未発表の作品が対象です。
大賞には賞金500万円、金賞は賞金200万円、優秀賞は3名に各100万円が贈られます。
推理小説の文学賞
面白い推理小説は読み始めたら止められない魅力があり、ファンが多いですよね。長編の推理小説を公募する文学賞を2つご紹介します。
・江戸川乱歩賞
講談社が主催する「江戸川乱歩賞」は、広義の推理小説で400字詰め原稿用紙350~550枚の長編小説が対象となっている文学賞です。
受賞作には正賞として江戸川乱歩像、副賞として500万円の賞金が贈られ、講談社からの刊行と、フジテレビでの映像化が約束されています。
・鮎川哲也賞
東京創元社主催の新人文学賞で、本格派の有望な新人を発掘するための文学賞です。創意・情熱あふれる未発表の長編推理小説が対象となっています。受賞者には正賞としてコナン・ドイル像と印税全額が賞金として渡されます。受賞作は刊行され、「kikubon」で朗読音源が配信されます。
好きなジャンルは? 文学賞に注目しましょう
5つのジャンルの文学賞をご紹介しましたが、これ以外にも「ファンタジー」や「児童文学」「SF」など、さまざまなジャンルの文学賞があります。
好きなジャンルの文学賞に注目すれば、読書がもっと楽しくなるでしょう。
また、新人賞も多いので、自分で書くのが好きな人は、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか。
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