天文学を学ぶのにおすすめの入門書4選|宇宙について学びたい初心者に!
宇宙はいつどのように生まれ、どのように進化してきたのでしょうか。
五千年以上の歴史を持つ、最も古い学問と言われる天文学。
今回のコラムでは、「宇宙について興味がある」「天文学を学びたい」読者に向けて、全く知識がなくても楽しめ学びになる書籍4冊をご紹介します。
天文学を学ぶことは「私たちは何者か」という、人間の根源を知る上で必要のように思います。興味のある方は、ぜひ一度手に取っていただけたらと思います。
『星の王子さまの天文ノート』
『星の王子さまの天文ノート』
縣秀彦(監修)、河出書房新社
世界中で愛されるサン=テグジュペリの名著『星の王子さま』を通して知る星々の世界。好きな星がきっと一つ見つかる、初心者の方のためのやさしい天文入門書。(帯)
星の王子さまの名言やイラスト、コラムとともに、天文学を学べる入門書。
『星の王子さま』が1942年に出版されて約75年。天文学の入門書=難解でハードルが高いように思いがちですが、本書は、星の王子さまの内容とリンクしているので、読み物として面白い一冊に仕上がっています。
月はどのように生まれたのか、日食はどうして起こるのか、流れ星とは、人は今宇宙のどのあたりにいるのか。読んでいるうちに、これらの疑問が解決していきます。
また、星座の基礎知識、黄道12星座の星案内、人と星の歴史も同時に学べます。
インテリアとして飾ることができるほど、美しい装丁であることもポイント。幻想的な世界をお楽しみください。
『14歳からの天文学』
『14歳からの天文学』
福江純(著)、 日本評論社
あかつき衛星やはやぶさ探知機などの報道、彗星・流星群や日食・月食などの天体イベント、そして映画やアニメでのSF的天文学に触れて、星や宇宙の不思議に強く関心をもつ時期でもあるでしょう。本書では、書籍の形で全体ときて整理された情報にまとめ、最新天文学への入門の手引きとしようとしました。(表紙裏)
14歳前後の中学生に向けた、天文入門書。とはいえ、中学生だけが読むのは勿体ない内容で、小学校高学年から大人までが楽しめる本格的な一冊です。
本書が他の作品と少し違うのは、堅苦しさが取り除かれているところ。SF小説、アニメ、映画などエンタメの話題にたびたび脱線するので、気軽にサクッと読むことができます。
また、書かれているテーマは、天体観測、宇宙開発、星と銀河、宇宙論と生命、天文や宇宙が学べる進路とお仕事の5つ。
なかでも、「天文や宇宙が学べる進路とお仕事」は珍しいテーマではないでしょうか。天文の仕事=天文学者や宇宙飛行士というイメージが強かったのですが、宇宙技術者、メーカー勤務(望遠鏡、プラネタリウムソフト、ロケットメーカー)という選択肢もあるのですね。
また、天文学(観測や理論で天体現象を研究する分野)と宇宙工学(ロケットを打ち上げたり衛星を開発する分野)の違いについて書かれているのも印象的でした。
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
渡部潤一(著)、日本文芸社
素朴なギモンに即答
宇宙のナゾに迫る!
太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明!(表紙)
天文学・宇宙科学の疑問を図解で説明した一冊。約50個のQ&Aと、豊富な写真・イラストから、初心者でも楽しく学べるようになっています。
なお、1つのQ&Aにつき2~4ページというボリュームなので、疲れず読むことができますし、なんといっても飽きません。
また、取り上げられている疑問はどれもこれも、誰もが不思議に思うことばかりです。
太陽はどうやって誕生したの?ブラックホールってどうしてできるの? 宇宙のグレートウォールってなに? 宇宙って一体なにでできているの? 宇宙エレベーターってどんな乗り物?
など、みなさまも一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
面白く、分かりやすく、知的好奇心をくすぐられる一冊を読みたい方はこちらをおすすめします。
『天文学者が、宇宙人を本気で探してます!』
『天文学者が、宇宙人を本気で探してます!』
鳴沢真也(著)、洋泉社
「本当に!?」ある星についての論文に、私は目を疑いました。それは、地球から1300光年離れた星に、巨大な建築物の存在を示唆したものだったのです。(中略)
地球外知的生命探査(SETI)は、科学者がまじめに取り組んでいる宇宙人の探索です。本書で、“まじめ”で“本気”の宇宙人探しの旅にご案内します。(帯)
最後にご紹介するのは、現役の天文学者による「SETI(地球外知的生命探査)」をテーマにした作品です。いわゆる、リアル「宇宙人探し」の最先端ですね。
ここ10年ほど前から、地球外の生命を対象にした学問=宇宙生物学(アストロバイオロジー)が活発になっていることをみなさまはご存知でしょうか。
本書では、UFOやエイリアンは出てきません。あくまでも、学問的な「宇宙人探し」のやり方が書かれています。
一例を挙げると、宇宙を飛行している高速宇宙船の軌跡を探査したり、ウイルスの DNAの中に、異星人のメッセージが隠されていないか? と分析したり……。
まるでSF小説を読んでいるかのようです。ですが、掲載されているものはすべて査読付き学術誌に掲載されたもの。
地球外知的生命にまつわるさまざまなアイデアは、想像を超えるものばかりで、知的好奇心がくすぐられることでしょう。
天文学を学ぶのにおすすめの入門書4選
今回紹介したものはどれも初心者に適した入門書ばかりです。
この機会にぜひ一度天文学にチャレンジしてみてはいかがでしょう?
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今回ご紹介した書籍
『星の王子さまの天文ノート』
縣秀彦(監修)、河出書房新社
『14歳からの天文学』
福江純(著)、 日本評論社
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
渡部潤一(著)、日本文芸社
『天文学者が、宇宙人を本気で探してます!』
鳴沢真也(著)、洋泉社