西野精治『スタンフォード式最高の睡眠』で睡眠の質を上げよう
『スタンフォード式最高の睡眠』
西野精治(著)、サンマーク出版
「世界最高」の呼び声高いスタンフォードの睡眠研究。そのトップを務める世界的権威が明かす、「究極の疲労回復」と「最強の覚醒」をもたらす超一流の眠り方。
「眠れない」「起きれない」「日中ねむたい」・・・「睡眠の質」を徹底的に高めて、
仕事・勉強・運動など、あらゆるパフォーマンスを劇的に飛躍させる!
世界最新の睡眠データ満載!科学的エビデンスに基づいた、睡眠本の超決定版!(帯)
この帯に惹きつけられ、本書を手にとった私。
作者の西野さんは、スタンフォード大学医学部教授であり、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長という「睡眠のプロフェッショナル」です。西野さんが30年近く研究して得た知見はどのようなものがあるのでしょうか?
西野さんは「あなたの睡眠を、あなた史上最高にする」方法を本書で伝えています。仕事や生活と折り合いをつけながら、無理なく睡眠について考えることができる一冊に仕上がっているので、ぜひ日々の睡眠の参考にしてください。
睡眠は『量より質』
より良い睡眠を取りたいと思っても、「毎日8時間眠る」のは生活的に難しいという人が大半ではないでしょうか。そんな「今以上に睡眠時間を確保するのは難しい……」という、日々忙しい読者のみなさまに、朗報です。
西野さんは本書でこのように言っています。
睡眠にまつわる悩みもストレスも、「量の確保」では解決しない。
たくさん眠ったところで、最高の睡眠は得られないのだ。(p7)
そう、睡眠においては『量より質』が重要なのです。そして、「睡眠の質」は「覚醒(パフォーマンス)の質」に直結します。
読者のみなさまも、質の良い睡眠を取れたと実感したときは、仕事でも勉強でもパフォーマンスの高い1日を過ごせることが多いはずです。また逆に、睡眠時間は確保したのに、調子が崩れてしまったり、なぜか身体が疲れているということも。
『量より質』というのは、現代社会におけるスタンダードなのかもしれませんね。
最高の睡眠をとるには『最初の90分』が重要
では、実際のところ、どうすれば『質』の高い睡眠がとれるのでしょう?
その鍵が、本書でお伝えする『90分の黄金法則』だ。レム・ノンレムの周期にかかわらず、睡眠の質は、眠り始めの90分で決まる。
どんなに忙しくて時間がなくても、「最初の90分」をしっかり深く眠ることができれば、最高の睡眠がとれるといっていい。(p9-10)
『90分』というのが本書のキーワードです。現に、作者は本書で『最初の90分』の睡眠の重要性を繰り返し説いています。
その「最初の90分」の質を上げるためのキーワードは「体温」「脳」「スイッチ」の3つ。
ネタバレにならない程度に、3つのポイントのうち「体温」におけるメソッドを一部引用したいと思います。
入眠時に意図的に皮膚温度を上げて、深部体温を下げる。この「上げて、下げる」というのが良質な眠りには欠かせない。
深部体温と皮膚温度をより縮める方法として紹介したいのが、「入浴」だ。(中略)
0.5℃上がった深部体温が元に戻るまでの所要時間は90分。入浴前よりさらに下がっていくのはそれからだ。
つまり、寝る90分前に入浴をすませておけば、その後さらに深部体温が下がっていき、皮膚温度との差も縮まり、スムーズに入眠できるということだ。(p129-132)
これなら、普段の生活にも無理なく取り入れることができますね。自身のパフォーマンスを向上するためにも、ぜひとも睡眠クオリティを上げる努力はしたいものです。
本書を読んでいるかどうかが、人生の分かれ道
本書では、私たちが普段抱えている疑問を次々と回答しています。
たとえば……
・「理想の睡眠時間」とは?
・「見たい夢」は見られるのか?
・「8時間寝たのに眠い人」「6時間寝てスッキリした人」の違い
・週末の寝だめは効果があるのか?
・短時間睡眠は太る?
・「細切れ睡眠」ははたして有効か?
・徹夜で仕事をしないといけない時は、一度寝たほうがいいのか?
など。
ぜひとも知っておきたい知識が宝の山のように詰まっています。
私が思うに、本書を読んでいるかどうかが、これからの人生をより有意義なものにするかどうかの分かれ道だと思います。睡眠は人生の3分の1を占めているものですからね。
とにかく、みなさまの人生に役立つ本であることは保証します。できるだけ多くの人に本書を読んでもらえるとうれしく思います。
今回ご紹介した書籍
『スタンフォード式最高の睡眠』
西野精治(著)、サンマーク出版