松岡修造『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』でメンタルを強くする
『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』
松岡修造(著)、アスコム
読めば元気に!
いま話題の松岡修造の名言が1冊に!!
後悔しないで生きるための修造式メンタル術(帯)
元男子プロテニス選手であり、現在はスポーツ解説者として活躍中の松岡修造さんの「名言」が楽しめる本書。
帯の裏に書かれた「崖っぷちありがとう!最高だ!」「今日からおまえは富士山だ!」「大丈夫、なぜならきみは太陽だから」という言葉が目に入り、軽い気持ちで本書を手に取った私。
松岡修造さんといえば、とにかく‟アツい男‟という程度の印象しか持っていなかった私ですが、読み進めて行くとあら不思議、自分がどんどん元気になっていることに気づいたのです。
そして、いつのまにか松岡さんの世界に魅了されていました。これは、本書を読むまでは想像もしていないことでした。
本書は、楽しい時に読めばますます楽しくなり、しんどい時に読めば元気をくれる起爆剤となり得る一冊です。ぜひ、“日本一アツい男”の言葉に耳を傾けてみてくださいね。
今を生きる人に向けて、心の底からの応援になる言葉たち
私が本書を面白いと感じた理由のひとつに、「消極的な松岡修造」が垣間見れたこと、が挙げられます。
テレビ越しに松岡さんを見るかぎりでは、消極的な姿はなかなか想像できませんよね。ですが、松岡さんは本書で自身のことをこのように語っています。
松岡修造は常にポジティブで熱い男のようなイメージがありますが、人と比べるとかなり消極的で弱い人間です。だから、苦しいとき、辛いときは自分を鼓舞しようと「修造、がんばれ!」「大丈夫、できる」「絶対できる」と声に出し、ときには心の中で強く叫び続けてきました。
今もそれは変わりません。自分を必死に応援しています。自分を自分自身で応援することは、消極的になりそうな自分、諦めそうな自分を前向きな気持ちにしてくれるからです。(p7)
松岡さんは、自分で自分を鼓舞することで、そのモチベーションを維持してきたというのです。
ご自身の経験に基づいているからか、実際、本書に収録されている言葉は、物事の核心をついた「名言」が多いな、というのが率直な感想です。ストレートに心に響くのです。
それもそのはず、本書に掲載されているのは、現役時代から現在に至るまで、松岡さんが発言した「言葉」の中から、「今を生きる人に向けて、心の底からの応援になる」というコンセプトのもと選ばれた83の言葉たち。
数えきれない言葉たちの中から、83の言葉を厳選するのは大変な作業であったことが想像できます。
私は、本書を読んで、松岡さんのイメージが変わりました。私のような、あまり松岡さんのことを知らなかった方に、ぜひとも読んでいただきたい1冊ですね。
「ベストを尽くすだけでは勝てない。僕は勝ちにいく」
明るく元気な印象がある松岡さんですが、その眼光は鋭いです。私自身、作品を読んでいる中で、何度か心がざわつきました。まるで自分の弱さを言い当てられたような気分になったからです。
僕はベストを尽くすことが大好きです。なぜなら、それ以上はできないからです。でも、「ベストを尽くす」という言葉の中に言い訳が入り込んでいるのはいけません。「ベストを尽くすのだからどんな結果になっても仕方がない」という言い訳です。
人は最高の言葉を使いながら、実は逃げていることがあります。
もし、言い訳しようと考えているようなら、「ベストを尽くす」の後に「必ず契約を取る」「完璧な企画書にする」といった具体的な言葉を付けた方が強い気持ちになれます。(p33)
松岡さんが、現役時代に「勝ちに行く」と言い切っていたのは、実力的に強い相手と対戦する時ばかりだったそうです。松岡さんは、負けるだろうな、という弱い気持ちを振り切るべく、「ベストを尽くす」だけでなく「勝ちにいく」という言葉を常に付け加えていたのです。
私はこの箇所を読んでハッとしました。果たして自分は「ベストを尽くす」という言葉を、負けの免罪符として使っていなかっただろうか?と。
人間ですから「ベストを尽くす」と言っていても、心のどこかでは「多分、ダメだろうな」と考えてしまう時もあるでしょう。でも、そんな弱い自分に気づいているかどうかで、その先の行動は変わってきます。
もしさらに上に行きたいのなら、ぜひ具体的な目標を付け加えることをおすすめします。
明日のワクワクを寝る前に考える
本書では、松岡さんの「名言」だけでなく、「今日から自分を強くする、修造流スペシャル特訓法」もコラムとして掲載されています。それがまた面白く、なるほどなぁと感心する内容ばかりなのです。
ここでは「明日のワクワクを寝る前に考える」を少しご紹介しましょう。
夜、寝るときに僕がやっている明日を楽しくする方法です。
ポイントは、寝るのも一所懸命です。
消極的なことを考え始めると、やめようと思っても難しいものです。無意識にどんどん連鎖していきます。そんな状態で眠りに落ちてしまったら、自分本来の心を弱くすることになります。
そこで、僕は楽しいことを意図的に考えるようにしています。(中略)
僕は毎日、その日にあった大好きなことを寝る前にもう一度振り返ります。(p58-59)
ポイントは、「誰もが、今すぐに、何も準備せずともできること」が書かれている点。自分の心の持ちようで、すぐに行動に移すことができるんですね。そういう意味でも、大変実践的な1冊かと思います。
『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』を読んでみよう
いかがでしたでしょうか。松岡さんの前向きな言葉は、きっとみなさまに力をくれます。ぜひ一度手に取ってみてくださいね。
「なんだかやる気が出ない……」そんなあなたにぴったりの本がきっと見つかります!
今回ご紹介した書籍
『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』
松岡修造(著)、アスコム