鋭い視点!森博嗣作品の「名言」に生き方を学ぶ
「すべてがFになる」で作家デビューした森博嗣さん。
「理系ミステリ」と称される作品の中には、通常とは異なる視点から切り取った価値観に触れる内容が多く、読んでいて“ハッ!”とさせられる名言がいくつもあります。
ミステリー小説以外の小説作品やエッセイ集なども幅広く執筆する森博嗣さんの名言の中から、心に刺さる言葉をご紹介します。
「生きること」について考えさせられる言葉
「死を恐れている人はいません。死に至る生を恐れているのよ。苦しまないで死ねるなら、誰も死を恐れはしないでしょう?」(真賀田四季)
――『すべてがFになる』より
森ミステリの中で非常に重要な位置にいる人物、「天才」真賀田四季の言葉です。
普段誰もが漠然と感じている死への恐怖。「ほんとうに怖いのは死ぬことではない」とわかった時、あなたはどう生きますか。
「人は常に理由を持って行動するのではない。それにもかかわらず、常に理由を探そうとする。」
――『月は幽咽のデバイス』より
こちらはVシリーズからの抜粋。日常の様々な行動に理由をつけている私たちですが、生きることに理由はいるのでしょうか?
考えだすと途方もないようなことでも、一度立ち止まって考えることが人生を豊かにすることもあります。
仕事に迷った時に読みたい言葉
「やる気」の有無は重要ではない。問題は「やる」か「やらない」かの違いである。
――『毎日は笑わない工学博士たち』より
仕事のやる気が出ない、どうしたらやる気が出るのか、と迷っている方に。
迷ったところで、私たちにできるのは「やる」か「やらない」かを選ぶことだけです。「やる気が出ないな」と思ってしまった時、思い出したい言葉ですね。
『毎日は笑わない工学博士たち』は、森博嗣さんの日記をまとめたもの。少し古い著作にはなるのですが、エッセイとも小説とも違う日記のシリーズは文体も独特。一読をオススメします。
問題を把握できた時には、問題の大半は解決している。また、問題を解決した時には、新たな問題が既に始まっている。
――『議論の余地しかない』より
仕事をしていると、毎日何かしらの新しい問題にぶつかることは多いと思いますが、次々と現れる問題にどう対応していきますか?
つい「どうしてこんなことが起こるのか?」といらだってしまう時、この言葉で冷静になることができます。
問題が解明できれば、あとは「やる」か「やらない」かが問題です。
自分に自信が無くなってしまった時に読みたい言葉
「許すのは私ではありません。あなたを許すことができるのは、あなただけです。」(デボウ・スホ)
――『女王の百年密室』より
働いていると自分のミスに落ち込んでしまう時や、どうしても自信が持てない時など、誰にでもあるのではないでしょうか。
迷いは自分に問いかけることでしか解決できないこともあります。自信が無くなった時は、自分と向き合うことをうながしてくれるこの言葉を思い出してみてください。
「誠意」が相手に届くことは稀であるが、自分に届かないことは決してない。
――『的を射る言葉』より
自分の努力や善意が認められないことは、多々あると思います。ですがあなたの「誠意」はあなた自身を救っているのです。
まとめ
森博嗣さんの言葉は、どこか一歩引いていて、読んだ人を冷静にさせるところがあります。
当たり前のことを疑ってみることが、新しい世界を見るために必要だと気づかせてくれる言葉ばかりです。
ほかにも多くの名言が、各作品には登場します。気になった方はぜひ著書を手に取ってみてください。
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