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本当の頭の良さは「地頭力」|考える力を身につけるおすすめ本


更新日:2019/4/12

「地頭力 (じあたまりょく)」という言葉は、人材採用の現場などでよく耳にする言葉です。

学業成績が優秀な「頭の良い」学生が、ビジネスの世界で必ずしも優秀な結果を出せるわけではないですよね。
このことから、ポテンシャルに期待できる、素養としての頭の良さを持っている人を指して「地頭が良い」と形容されます。

ここでは、そんな「地頭力」についてもっと掘り下げていきます。

 

 

地頭力 って何?

地頭力 って何?

就職面接の際に地頭の良さを見るテストとしてもてはやされたのが、フェルミ推定。

「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」といったような、現実的には調べることが難しい問題を、柔軟な仮説を立てて論理的に推定することです。
論理的な思考や発想力、応用力や分析力など、問題解決能力に直結する力が必要とされます。

 

もうひとつ、ビジネス環境のなかで評価される能力という点で、コミュニケーション能力が地頭の良さに加わります。
理解力や説明力、想像力、判断力、柔軟性や寛容さなどもその要素と言えるでしょう。

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地頭力があることのメリット

地頭力があることのメリットは、単純なテストの点や頭の良さだけで表せるものではありません。

ここから、地頭力があることのメリットをご紹介します。

 

メリット1.イレギュラーなことに臨機応変に対応できる

地頭力があると、イレギュラーなできごとに臨機応変に対応できるようになります。

たとえば、友達と喧嘩したときの仲直りの方法。これには決まった方法はなく、友達の性格や関係によって答えが変わりますよね。
素直に謝って仲直りできる場合もあれば、謝っても相手が許してくれない可能性も十分に考えられるでしょう。

もし地頭力がないと、このような展開になったときに困り果てることになります。

地頭力がある人は、思いがけないトラブルが発展したときに、短時間で現状を正しく把握して、最善の解決策がとれます。

 

メリット2.物事の理解が早い

知識や経験のないことでもすぐに理解できる。それが地頭力のある人ならではのメリットです。

地頭力のある人は、自分が現状をしっかりと把握できます。人に質問して得られた回答から、分からない部分をしっかり理解できるのです。

また、過去に得た知識や経験と照らしあわせて、自分なりに解釈して実行できる応用力にも優れています。

 

メリット3.推理力が高い

推理力が高いところも、地頭力の良い人の特徴です。

身近に、クイズ番組を見ていて、ものすごく頭が良いわけではないのに、正解を導き出せる人っていませんか?
決して当てずっぽうではなく、論理的な推測に基づいて正解を出す人のことです。こういう人も地頭力のある人といえるでしょう。

知識が豊富で物知りの人、いわゆる記憶力のある人も頭の良い人に分類されます。しかし、地頭力の良さは、記憶力よりも推理力を表すものと考えられています。

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今すぐ試せる!地頭力を鍛える方法

「地頭力の良い人」=「生まれつき頭の良い人」だから、わたしには関係ない、なんて思っていませんか?

安心してください。地頭力は後天的に身につくもので、意外と簡単に鍛えることができます。

すぐに実践できる簡単な方法を2つご紹介するので、ぜひ試してみてください。

 

・自分で考えるクセを身につける

「地頭力がある」=「自分で考えて解決する力がある」ということです。

まずは自分で考えるクセを付けましょう。ここを考えられなければ、何をすべきか指示を待つだけの人になりかねません。

日々の生活の中で、考えるクセが身につくよう習慣づけてみてください。
たとえば読書をしているときに、「この人はこのあとどうするだろうか?」など、次の行動を考えてみたり、結末を考えてみたり……。

少しの時間でも構いません。答えを、まずは自分で考える時間を増やしましょう。

 

・さまざまな人と接する機会を増やす

さまざまな人とコミュニケーションを取ることも、地頭力を鍛えるのに効果的な方法です。知らない人、慣れない人と接することで適度な緊張感が生まれて、良い刺激を与えてくれますよ。

「この人はどんな人物か?」「どうやって話しかけようか?」など、初対面の人を前にすると、さまざまなことを考えることになります。

そうすることで、頭を働かせる機会が増えて、地頭が鍛えられるというわけです。

居酒屋やバー、新しい習い事など、人と関われる場所に、ぜひ赴いてみてくださいね。

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地頭力を身につけられるおすすめの本

ここではより地頭力について理解するために、おすすめの本をご紹介します。

 

「地頭力」=「考えるための基本となる力」

書籍『地頭力を鍛える』表紙

地頭力を鍛える
細谷功(著)、東洋経済新報社

本書では「頭の良さ」を「物知り」「機転が利く」「地頭力」の3種類であるとし、「地頭力」を「考えるための基本となる力」と定義しています。

その本質を「結論から」「全体から」「単純に」考えるという3つの思考方法の総合力であると結論づけ、地頭力を鍛えるツールとしてフェルミ推定を活用しようというものです。

2007年に出され20万部を超えるロングセラーである本書のほか、「地頭力」についての多くの著作がある細谷功氏。

マンガ版の『まんがでわかる地頭力を鍛える』も読書になじみのない方にも読みやすいため、おすすめです。

 

本の読み方で変わる地頭力

書籍『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』表紙

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書
西岡壱誠(著)、東洋経済新報社

本の読み方を変えることで地頭が良くなるというのが本書のテーマです。

東大生は能動的に本を読むと言います。

能動的な読み方というのは、各章で紹介される、仮説作り、取材読み、整理読み、検証読み、議論読みなど。
これらの読み方をすることで読解力、論理的思考力、要約力、客観的思考力、応用力がつき、地頭がよくなると著者は主張します。

偏差値35から東大に合格したという結果の裏付けがあるからこそ説得力のある内容は、本との向き合い方を変えるきっかけを与えてくれますよ。

 

思考力を伸ばすための方法

書籍『思考の整理学』表紙

思考の整理学
外山滋比古(著)、筑摩書房

東大生、京大生に最も読まれた本で、書店のポップから売れ行きに火がついた200万部を超えるベストセラー。

本質的な思考力を伸ばすための方法が書かれた33のエッセイは読みやすく、出版されてから30年以上の時を経ても色あせない普遍性を持っています。

自ら考えるということはどういうことか、なぜ自ら考えることが必要なのか、自ら考えるためにはどうすればよいのかを示唆してくれる、地頭を良くするための栄養が詰まった1冊です。

 

自分で考え抜く力を養える!

書籍『すべての知識を「20字」でまとめる 紙一枚!独学法』表紙

すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法
浅田すぐる(著)、SBクリエイティブ

30秒間で上司を納得させる説明ができるかを問うエレベーターテスト。
わかりやすく説明する力、優れたコミュニケーション能力があることも地頭の良さのひとつと言われます。

20字に要約する、紙1枚に書くという制約を与えることが、情報を整理しまとめあげる、考え抜く力を養うことにつながり、考え抜くことが本質を見抜く地頭力を高めるというのが中身です。

本書が『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』と合わせ35万部のベストセラーとなっていることは、著者が社員時代に身につけたというこれらのメソッドが具体的で、再現性が高いことの証ではないでしょうか。

 

子供で分かりやすい地頭力

書籍『考える力をつける3つの道具』表紙

考える力をつける3つの道具
岸良裕司、きしらまゆこ(著)、ダイヤモンド社

3つの道具というのは「ブランチ」「クラウド」「アンビシャスツリー」という思考ツールを指しており、これらはビジネス書のベストセラー『ザ・ゴール』で有名になったTOC(制約条件の理論)がもとになっています。

TOCはサプライチェーン・マネジメントの世界で用いられる専門用語なので難しそうですが、本書は「ウサギとカメ」「アリとキリギリス」の童話を題材に挿絵をふんだんに使った子供と一緒に読める仕立てになっています。

問題解決のためのTOC、そのバックグラウンドとなる思考方法を子供のうちにわかりやすく教えてあげることは、地頭力の基礎を形づくる助けになります。

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地頭力を身にをつけよう!

地頭力は考える力とその運用能力の上手さであると言えそうです。

そして、就職の成功や仕事ができる人になるための単なる手段ではなく、より深く、充実した人生を送るために成長させていきたい本当の頭の良さです。
人生のターニングポイントで最適な決断を下すためにも地頭力は欠かせません。

少しずつ、地頭力を鍛えていきましょう。

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