脳を強くするトレーニングに!『アタマがみるみるシャープになる!! 脳の強化書』
『アタマがみるみるシャープになる!! 脳の強化書』
加藤俊徳(著)、あさ出版
いつもの“習慣”を変えるだけで、脳がビュンビュン動き出す!!
思考、感情、運動、聴覚、視覚、伝達、理解、そして記憶…。脳の8つのエリアが目覚める66のトレーニングメニュー。(帯)
著者の加藤俊徳さんは、脳科学専門の医師。胎児から100歳まで、1万人の脳画像を分析してきた経験を生かし、MRI脳画像診断のスペシャリストとして活躍されています。
本書のテーマは「トレーニングによって脳を強くする」こと。
「脳のトレーニング」が取り上げられているため、いわゆる「脳トレ」本と言えますが、巷に出回っている「脳トレ」本とは一線を画します。
従来の「脳トレ」は、パズルや計算ドリルが中心で、記憶力やひらめきという機能を鍛え直し、老化を防止するものでした。
ですが、本書は、「日常の習慣」のなかで、脳を鍛えることができる構成となっています。人それぞれ個性があるように、人によって鍛えるべき「脳の部分」もさまざま。自分に合った方法で脳を鍛えることが重要なのです。
加藤さんいわく「チャンスを与えれば、脳はいつまでも成長し続ける」「脳が最も成長するのは20代から40代にかけて」とのこと。
ぜひ、「脳の強化書2」「まんがで鍛える 脳の強化書」といったシリーズ作品と合わせて「脳トレ」にチャレンジしてみてはいかがでしょう?
脳番地は8つの種類に分けられる
脳には1000億個を超える神経細胞が存在しており、同じような働きをする細胞同士が集団を構成しています。
加藤さんはその集団が存在するエリアを「脳番地」と名付けています。
加藤さんいわく、脳には全部で120の脳番地が存在するのだとか。この脳番地を機能別にくくると、以下の8系統に分けることができます。
①思考系脳番地・・・人が何かを考えるときに深く関係する脳番地
②感情系脳番地・・・喜怒哀楽などの感情を表現するのに関与する脳番地
③伝達系脳番地・・・コミュニケーションを通じて意思疎通を行なう脳番地
④理解系脳番地・・・与えられた情報を理解し、将来に役立てる脳番地
⑤運動系脳番地・・・体を動かすこと全般に関係する脳番地
⑥聴覚系脳番地・・・耳で聞いたことを脳に集積させる脳番地
⑦視覚系脳番地・・・目で見たことを脳に集積させる脳番地
⑧記憶系脳番地・・・情報を蓄積させ、その情報を使いこなす脳番地
(p29)
本書では、この8系統の脳番地別の「脳トレ」が収録されています。
脳トレを行う際のポイントは、「普段の生活のなかで使わない脳番地」を鍛えること。
就いている仕事や生活パターン、思考の方法などで、どの脳番地をよく使っているかは人それぞれ異なります。普段何に一番頭を使っているかを考えれば、自分が鍛えるべき脳番地はわかってきます。
本書に掲載されていたMRI画像を見ると、成人の脳画像のなかの一部が白くなっていることに驚くことでしょう。
この白い部分は、いわゆる「休眠中」の脳番地で、普段利用されていない脳番地です。私たちは、使われていない脳番地があることを自覚するべきなのです。
脳番地を鍛えるには、たくさんの経験を積んで、使い込むことが必要となってきます。ご自身にとって必要な脳番地を鍛えることは、脳の活性化に役立つはずですよ。
歌を歌いながら料理をつくる
脳番地を鍛えるための66の「脳トレ」が書かれた本書ですが、そのうちのひとつをご紹介したいと思います。
【歌を歌いながら料理をつくる】
あえてスポーツをしなくても、日常生活の中で運動系脳番地を鍛えることは十分可能です。
料理をすること自体が運動系脳番地のトレーニングになり得るのですが、ここではあえて歌を歌いながら料理をすることを提案しましょう。
調理の最中も、次に何をすればいいのかが素早く計画されています。これに「歌を歌う」というアクションを付け加えることで、運動系脳番地に一定の負荷がかかるというわけです。(p138-139)
これは、運動系脳番地を鍛えるトレーニングです。運動系脳番地は、他の脳番地と連動しており、すべての脳番地の発達につながる基礎となる部分です。
歌を歌いながら料理をつくるということは、料理をする「手」と歌を歌う「口」が連動することになります。これは、脳にとってとても高度な指令なのだそうです。
体を動かしながら頭の中では別のことを考える、というのは、意識して取り組まないと出来ないことですが、「歌を歌いながら料理をつくる」ならば、気軽に取り入れることができるのではないでしょうか?
「脳トレ」は少しずつの取り組みが重要です。ぜひ実践してみてくださいね。
日常の習慣を見直す「脳の強化書」
本書を読み、日常の習慣を見直すことは、脳の刺激に役立ちます。強い脳を作れば、潜在能力が引き出される等メリットも多いので、興味を持っていただけた方は本書を使ってみてくださいね。
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