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藤原和博『10年後、君に仕事はあるのか?』|自分の未来を考えるきっかけに。


 

『10年後、君に仕事はあるのか?
未来を生きるための「雇われる力」』
藤原和博(著)、ダイヤモンド社

未来を生きるための「雇われる力(エンブロイアビリティ)」

人工知能、グローバル化、就活の地殻変動・・・

仕事が消滅していく社会で「稼げる大人」になる、シンプルかつ強力な対処法。(帯)

 

作者の藤原和博さんは、リクルート社出身、東京都の公立中学初の民間人校長という経歴を経て、現在では奈良市立一条高等学校校長を勤められています。

 

本書のテーマは「10年後(2020年代)の近未来の姿とその対処法」。

内容は、「これからの10年で世界は激変する」「仕事が消滅する時代に身につけておきたいこと」「遊びと戦略性が情報編集力の鍵になる」「雇われる力の鍛え方」「一生が90年の時代のライフデザイン」「君たちが日本の未来を拓く10の理由」の6章に分かれています。

なかなかショッキングな内容が書かれているかと思いますので、覚悟してお読みくださいね。

 

学力は必要なくなるのか?

本書では、「生きるチカラ」として3つの能力の強化を推奨しています。

・基礎的人間力・・・忍耐力や精神力、集中力、持久力など

・情報処理力・・・早く正確に処理できる力

・情報編集力・・・正解がないか、正解が1つではない問題を解決する力(p40)

 

1+2=3とか、微分・積分の問題を解くのは、早く正確に「正解」を当てる力、すなわち「情報処理力」です。

これに対して、「情報編集力」は、正解がないか正解が1つではない問題を解決する力。

 

「情報処理」のプロセスが速く、時短が図れれば、「情報編集」の仕事に時間を費やすことができますよね。ビジネスマン目線で考えれば、両方の力が必要不可欠であることは言わずもがな、かと思います。

 

藤原さんは両者の能力アップを訴えながらも、本書では特に「情報編集力」を言及しています。

情報編集力を向上させるための方法についても述べられていますが、まずは、みなさまの「情報編集力」をテストしてみましょう。

 

「情報編集力」とは?

今から取り上げるのは、藤原さんが、ご自身が勤める一条高校の始業式で話した「問題」です。ぜひ、読者のみなさまも「アタマを柔らかくする練習」だと思ってチャレンジしてみてください。

<問題>

1500万人が餓死する世界の現実に対して、日本では1日1500万食が捨てられると言います。これをなんとかマッチングして、世界中から飢餓を撲滅することはできないのか?

 

何か案は浮かびましたでしょうか。

この問題を見て、「ああ、なるほど!最近はこういう問題が世の中で問われるようになっているんだ」「情報処理力だけに偏った教育ではもうヤバいんだな」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私もこの問題についてひとしきり考え、「答え」は何だろうか? とワクワクしてページをめくったのですが……

書かれていたことは想像していなかった内容でした。

普通の人は、普段はたいていアタマが「正解主義」モードになっているから、問題を出されると、ついつい正解を出そうとしてしまう。今回の出題のような、正解のない問題にもかかわらず、です。(中略)

正解っぽい案というのは何より面白くないし、脳を活性化させないからブレストが盛り上がらない。すぐに考えつく正解っぽい案なんて、もう世界中では100万人が考えていて、1万社が試している。

だから、思いっきり外した案から考え始めて、正解主義モードから脳を解放し、アタマを柔らかくしてアイディアを出す必要がある。(p56)

 

藤原さんはこれが言いたかったんですね。「答え」がない問題があるということ。

また、情報処理として問題に答える、のではなく、柔軟な発想が今の時代には求められており、それが「情報編集力」なのだということ。

 

ちなみに本書では

・余った食材を瞬間的に冷凍して粉にする

・小さな穴を掘って日本とアジア、アフリカを結ぶ

・カプセルに入れた粉を空気圧で高速で運ぶ

といった藤原さんの案も書かれていますが、これらは「答え」ではなく、単なる一例に過ぎないことはもうお分かりかと思います。

 

何よりも、頭を柔らかくして、アイデアを出すことが重要なのです。

突拍子のない夢物語のような答えだとしても、それらが実現しないとは限りません。

なぜなら、リニアモーターカーもスマホも、20年前には夢のまた夢だったからです。

 

私たちがこれからの時代を生き抜いていくには、その柔軟なアイデアこそが鍵となります。頭の鍛え方については、ぜひ本書でご確認くださいね。

 

改めて10年後の自分を考える機会に

いかがでしたでしょうか。

ネタバレ防止のため、詳しい内容は省いていますが、この作品は間違いなくおすすめの一冊です。

本書を読むことで、「10年後の自分」を考える機会になれば幸いです。

 


今回ご紹介した書籍

10年後、君に仕事はあるのか? 未来を生きるための「雇われる力」
藤原和博(著)、ダイヤモンド社


 

10年後の自分を変えるために、読んでみませんか?

 

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。