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第19回 文豪が愛した甘いお菓子|文豪たちは“スイーツ男子”だった……!【連載コラム】


第19回 文豪が愛した甘いお菓子|文豪たちは“スイーツ男子”だった……!【連載コラム】

 

みなさんは、「文豪」に堅苦しいイメージを持っていませんか?

文豪といえば、お酒が好きだった、という話はよく聞きますが、実は、甘いお菓子やジュースが大好きだった文豪たちがいたんです。

今回は、文豪たちが愛した甘いお菓子やジュースをご紹介します!
現在でも食べられるスイーツや、マネできる食べ方もありますので、ぜひ試してみてくださいね。

 

芥川龍之介
<しるこ>

おしるこ

 

芥川龍之介は、『しるこ』というエッセイを書いてしまうほどのおしるこ好き。

芥川は『しるこ』で、西洋の人にしるこをすすめてみたら気に入るかもしれないし、ニューヨークのクラブでもしるこが流行するところを想像するのが楽しい! と書いています。おしるこへの愛情と想像力がたくましいですね……!

 

『しるこ』の中で、関東大震災以降、しるこ屋さんが減ってしまい、カフェばかりになってしまったと嘆いている芥川。今では、しるこ屋さんの方が珍しいので、しるこ屋さんにはぜひ一度行ってみたいものです。

それにしても、しるこでエッセイを書く文豪がいたなんて! よほどのしるこ愛がないと、エッセイは書けませんよ。

芥川が愛したおしるこは、現在でも浅草の「梅園」という甘味処で食べることができます。

 

 

夏目漱石
<いちごジャム>

イチゴジャム

漱石は「いちごジャム」が好き。

ジャムといえばパンに塗って食べるのが、一番メジャーな食べ方かと思いますが、漱石はちがいます。なんと、いちごジャムをそのまま「なめる」のが好きだったそうです!

想像するだけで甘いですね。胸やけしそう……。

 

代表作『吾輩は猫である』でも、吾輩の主人、珍野 苦沙弥(ちんのくしゃみ)が「ジャムをなめる」シーンが登場します。この主人公は漱石がモデルと言われているんですよ。

また、漱石は羊かんも大好きでした。漱石の身体を心配した奥さんが隠した羊かんを、こっそり探して食べた、というエピソードも残っています。

こんな甘党の漱石、胃潰瘍と糖尿病もわずらっていたのに、医者から止められても甘いものはやめられなかったんですって。

漱石の甘味に対する執着、恐るべし。

 

宮沢賢治
<サイダー>

瓶に入った飲み物

宮沢賢治は「天ぷらそばと三ツ矢サイダー」が大好きでした。

賢治が「一杯どうですか」と誘うのは、お酒ではなく「サイダーを飲みにいきませんか?」の意味。いつも、天ぷらそばとサイダーをセットで注文するのが賢治流でした。

 

彼が天ぷらそばとサイダーを好んで注文していたのは、大正10年頃のこと。当時、サイダーは天ぷらそばよりも高価でした。大好きな天ぷらそばと一緒にサイダーを飲み、人にもご馳走し、本やレコードなどを買っていたら、もらったお給料が3日でからっぽになることもあったのだとか!

おそばを食べる時の飲み物は、お茶をイメージしていましたが、炭酸のさっぱりとした喉ごとしと一緒に天ぷらそばを食べるのも、案外合いそうな気がします。

今でも宮沢賢治の故郷、岩手県花巻市の「やぶ屋」では、彼が愛した天ぷらそばとサイダーのセットを食べることができます。

天ぷらそばを食べる時には、サイダーを片手に、賢治気分を味わってみてはいかがでしょうか?

 

森鷗外
<饅頭茶漬け>

最後に、一風変わった甘味をご紹介します!

森鷗外が好きだった「饅頭茶漬け」です。

鷗外は、大きなお饅頭を4つくらいに割って、その一つをご飯にのせ、煎茶をかけて食べたそうです。

お饅頭とお茶漬けって、おいしいの?と疑問はありますが、鷗外の娘たちもマネして食べていたようで、あの甘さが好きだったと話しています。

 

おはぎがあるのだから、あんことご飯は合うかもしれないけれど、煎茶が混ざるとどうなんでしょう?甘味と渋みが一緒にやってくるのでしょうか?

気になったので、実際に作ってみました……!

 

1.大きなお饅頭を4つくらいに割って、その一つをご飯にのせる

白いご飯の上に四つに切ったお饅頭

 

2.煎茶をかける

白いご飯と四つに切ったお饅頭の上にお茶をかける

 

できました! 饅頭茶漬けです!

 

実際に食べてみたら……

あんこの甘味と、煎茶の苦味がマッチしている……ような気がしました!
お饅頭が多い方がおいしそうだったので、わたしはこのあと、残りの4分の3も全部入れて食べました。

個人の感想ですが、あんこが多いと、ちゃんと甘味が出て、おはぎみたいなおいしさも楽しめるかと思います。

 

森鷗外が愛した饅頭茶漬け、今すぐ真似できる食べ方なので、ぜひ試してみてください!

 

今も愛される甘いもの

大福

 

文豪たちは甘いものが好きだった、と聞くと、堅苦しいイメージから、ちょっと親近感がわいてこないでしょうか?

甘いものを食べながら生み出された文豪たちの作品、スイーツをおともにぜひ読んでみてくださいね。

 

参考文献

ずっしり、あんこ』 安藤鶴夫、ほか(著)、河出書房新社

和菓子を愛した人たち』虎屋文庫(著)、山川出版社

貧乏サヴァラン』森茉莉(著)、早川暢子(編)、筑摩書房

漱石、ジャムを舐める』河内一郎(著)、 新潮社

宮沢賢治の食卓』魚乃目三太(著)、少年画報

 

今回ご紹介した文豪をふくめ、計23人の文豪の著書を集めました!
たくさんの名著と出会えます。

 

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