本のスリップとは|売上スリップ売上カードの意味と役割
本屋さんの本に挟んである短冊状の紙。みなさんは、この紙の名前や役割をご存知ですか?
この紙は栞(しおり)として使うのにも便利ですが、栞ではありませんよ!
今回は、見たことはあるけれどよく知らない“この紙”についてご紹介いたします。
“本のスリップ”の呼び方
本に挟まれている短冊状の紙のことを『売上スリップ』。単に『スリップ』、見た目そのままに『短冊』ともいいます。
ちなみに、上部の丸い突起部分は通称『ぼうず』などと呼ばれているそうです。『ぼうず』ってなんか覚えやすい……!
本のスリップの役割 その1
二つ折りになっている本のスリップは、片面が「売上カード」、もう片面が「補充注文カード」と、二つの役割をもっています。
★「売上カード」…売上げを管理するためのもの
★「補充注文カード」…出版社や取次に注文するためのもの
(※取次=本の問屋さん)
いままで意識して見たことがなくても名前を聞くと、どちらも想像がつきますね!
本のスリップの役割 その2
本のスリップには、売り上げや注文などの管理以外にも「なるほど!」な役割がありました。
★「取引・販売方法の表示」
本の取引・販売方法は出版社によって違いがあり、返品可能の本や、売れ残りや破損した本を返品できない「責任販売制」など、取引内容の意味を売上スリップの色で示しているそうです。
※ただし、スリップの色や意味は出版社によって違います。
★「消費税率の表記」
通常、本のカバーや裏表紙にも価格の表記はありますが、よく見てみると「定価:○○○円+税」となっています。これは、消費税率が変わったときに改めて修正しなくて済むようにしているそうです。
出版社や書籍にもよりますが、税込み価格と消費税率の表記が売上スリップの新たな役割になってきています。
デジタル管理で、本のスリップはもう回収不要?
筆者がちいさな子供だった199X年。少ないお小遣いを握りしめ、本屋さんで本を購入したときに、レジで書店員さんが売上スリップを抜いていた光景はありふれたものでした。
ですが、現在では買った本に売上スリップが挟まったままなことが増えてきている印象があります(特に雑誌やコミックなど)。
今では多くの本屋さんで、POSというデジタル管理システムを取り入れて売上げなどを管理しているので、売上スリップを回収する必要がなくなってきました。
そんな中、現在でも町のちいさな本屋さんでは昔ながらのやり方で会計時に抜き取っているところもあります。あの光景がなぜか記憶に焼きついている私は、今後あの光景が見られなくなるかもと思うと、なんだか少し寂しいです。
本のスリップの今後のゆくえは――?
売上げの管理や補充注文などは今後もデジタル化が進んでいきそうですが、本の“帯”がどんどん多様化しているように、本のスリップもまた進化していくかもしれません。
本屋さんに行った時は、ぜひ本のスリップに注目してみてください。
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