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本棚の整理どうしてる?こだわりの本棚を作るポイントとは?


本棚

「本棚」にはその人の人柄や内面が現れると言われます。

本棚への本の並べ方で、その人の頭の中が見えてしまうのです。

でも家族が多い人など、自分の本だけ並べることができない環境の方もいますよね。そんな人は「他人のための本棚」と「自分のための本棚」の両方をふまえ、そのお家に合った本の整理法を見つけなければなりません。

 

そこで今回は、本棚の選び方と並べ方を通して「本棚の整理法」について考えてみました。

 

本を整理するための本棚の役割とは?

本を本棚に整理するときには主に「収納」「保管」が問題となります。

◆収納

本棚の第一の存在目的は”本の収納”にあることは異論のないところだと思います。

本棚は、「ある程度本が増えてきて置き場所に困ったから整理するために持つもの」であります。本棚とは、ずいぶん散文的に言ってしまえば、「本に占有される水平面積を、垂直面積へ変換する装置」です。重力のせいで自然の状態では、水平面の利用に比べ、垂直面の利用が難しいわけですが、これを可能にするのが本棚というわけです。そうです、高層マンションを建てる理由と同じコト。

 

したがって、本棚は高さがあるほど収納力はアップします。しかし、あまり高すぎると本の背表紙が見えなかったり、本が取れなかったりします。そのため筆者は、高いところには本を置かず、物置にしています。ただし、その場合は地震による落下の恐れがあるため、柔らかい物しか置けないという制限があります。

カラーボックスなどを使って、ベッドの下などの水平面を利用して整理することも可能ですが、背表紙が見えにくくなり死蔵しがちなので、おすすめしません。

 

◆保管

本棚の副次的な機能としては、保管があります。本棚の保管機能を高めるには、置き場所に工夫が必要です。まず、直射日光のあたる場所は避けましょう。気になるようならば、本棚に扉やカーテンをつけるのも良いですね。

また、湿気対策のために、湿気の急激な変動がなく、換気のよい場所に置くことも大切です。本棚を壁に密着させずに隙間を作っておくと、掃除がラクにもなりますよ。

 

本をきちんと整理するための並べ方

本棚の本

本棚が設置できたら、本を並べます。

しかし、本の整理方法には色々な流儀があります。本を並べるときには「自分のためのディスプレイ」「他人のためのディスプレイ」という二つの視点が大切です。この二つの面から考察していきましょう。

 

◆自分のためのディスプレイ

本棚は、やはり自分の探している本がわかるように整理されるべきです。ですから、本の背表紙が見えない並び方、脈絡のない並べ方は原則避けたほうがいいでしょう。もちろん、「どこになにがあるかわからないワクワク感」を味わいたいという方はあえて背表紙を隠すという方法もありますが……。

それはさておき、”本の背表紙が見えるように”というのは、本を探すだけのためではありません。
本の背表紙が見えることは、自分の読書歴を一覧しながら思い出にふけったり、満足したり、はかない世の中で生きた軌跡を実感したり、様々な楽しみにつながります。また、背表紙が見えることで、「あの本読んでないな」とか「あの本なんだっけ」といった無言のプレッシャーがかかり、読書のモチベーションにもなります。

 

さて次に、本の「脈絡ある並べ方」について、いくつかの整理方法を紹介します。便宜的に、「外的脈絡」と「内的脈絡」に分けて紹介します。

外的脈絡のある並べ方の流儀として、オーソドックスなものに「著者50音順」派があります。本の検索にめっぽう強い一方で、独自性がなく、自分の本棚という満足感が得られないという欠点があります。同じようなものに出版社ごとに並べる「出版社別著者50音順」派があり、「著者50音順」よりも見た目の統一感が増しますが、検索性に劣ります。

ちなみに、筆者ははじめて本棚をもったときに「買った日順」という並べ方をしていましたが、初めこそ本が増えていく喜びがありましたが、しだいに訳が分からなくなってしまいました。

 

一方、内的脈略を重視した整理方法もあります。内的脈略とは、本同士の内容的なつながりのことで、外的脈絡よりも主観性が強いものです。内的脈略を重視した並べ方には、たとえば「テーマ別」「ジャンル別」「時代別」などがあります。

こうした流儀は、多分に主観性が反映される並べ方であるため、「自分がかつてその本を読みながら考えた事」や「自分の脳内に占める本同士のコンテクスト」などが本棚に反映されるため、有機的な本棚となり、自分だけの本棚を作り上げる喜びがあります。しかし、出版社、大きさ、著者、背表紙のカラーなどが錯綜してしまい、見た目が悪くなったり、自分以外の人が見たら、「だらしないやつだ」と思われたりする欠点があります。

たとえば、筆者の洋書棚には、岡倉天心のとなりにエドワード・サイードが、ジョン・スチュワート・ミルのとなりにリチャード・ファインマンがそれぞれ肩を並べていますが、筆者がだらしないのか、なにか深遠なセオリーで並べられているのか、わからないでしょう?

 

◆他人のためのディスプレイ

本棚はインテリアの一角を担う家具としてのデザイン性が求められます。これが、「他人のためのディスプレイ」です。つまり、「外面的な美しさ」です。「他人のためのディスプレイ」面を強化することは簡単で、各人の美意識にそってもっぱら背表紙の色・本の大きさを基準に揃えれば良いのです。

しかし、外面的な美しさが「自分のためのディスプレイ」における内容的規則性と両立することは難しく、この両者の葛藤のなかで、最適な整理方法を見つけ出さなければなりません。また、「他人のためのディスプレイ」に特化した本棚は、得てして知的装飾になってしまう危険があります。

 

このように、本棚をコーディネートするためには、二つの平衡点を見つけなければなりません。はじめに、「他人のための本棚と自分のための本棚というジレンマ」と言ったのはこういうことです。もちろん、どちらを優先するかは、個人の交友関係、趣向の問題ですから、なんともいえませんが、試行錯誤しながら、平衡点を見つけ出すこともまた、読書の楽しみでもあります。

 

リーズナブルに本を整理したい人は?

カラーボックス

お金をかけないで本の整理をするなら100圴アイテムやカラーボックスを上手に使いましょう。

◆100均アイテムを使った本棚の整理方法

大きさが異なる本を並べると無駄な隙間ができてしまいますよね。そこで100均で箱を購入し、箱の中に本を入れて本棚の棚に重ねて整理するという方法もあります。

家族で本棚を共有している場合も、箱に名前を書いておけば一目瞭然です。

また、倒れやすい雑誌類や書類はクリアケースに入れてから本棚に整理するとすっきりとまとまります。100均アイテムなら気軽に必要な数だけ購入できるのでとてもおすすめです。

参考⇒部屋がスッキリきれい! 100均グッズを使った本の収納法6選

 

◆カラーボックスを使った本棚の整理方法

引っ越しが多い人などは、大きい本棚を持っていると結構面倒なことも。また家具をあまり持ちたくない派の人にもおすすめなのが、カラーボックスを使った本棚の整理方法です。

最近ではカラーボックスのサイズのバリエーションが豊富になっているので、持っている本の大きさに合わせてカラーボックスを揃えると良いでしょう。

気軽に買い足しができる点も便利です。ただし、壁面にすっきりと本棚のように揃えて見せたい場合は奥行きの長さを統一することがポイントになります。

参考⇒漫画や本もスッキリ!簡単に実践できるカラーボックス収納術

 

本棚の整理をしてみよう

本のラインナップ、並べ方などで自分の本棚のイメージが変わってくることでしょう。

自分だけのこだわりの本棚から、家族との繋がりのきっかけとなる本棚まで。

「自分の本棚」について、深く考えたことのなかった人は、今一度自分の本棚を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

 

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