コージー・ミステリーとは?|コージー・ミステリーのおすすめ小説
更新日:2019/5/13
ミステリー作品には、そのなかにもさまざまなジャンルがあります。
その中でも国内外を問わずに注目を集めているのが「 コージー・ミステリー 」。
ここでは、日本のコージー・ミステリー作品を10作をご紹介します。
読みやすい作品が多いので、ミステリー初心者の方でも楽しむことができますよ。ぜひお気に入りの1冊を探してみてくださいね!
目次
コージー・ミステリーおすすめ小説
└『御子柴くんの甘味と捜査』
└『ビブリア古書堂の事件手帖』
└『思い出のとき修理します』
└『氷菓』
└『人形はこたつで推理する』
└『晴れた日は図書館へいこう』
└『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』
└『珈琲店タレーランの事件簿』
└『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』
└『万能鑑定士Q』
そもそも「コージー・ミステリー」とは?
コージー・ミステリーとは、日常的な場面における謎を扱う作品のことで、ハードボイルドのイメージの対極にある作品といえます。
また、コージー・ミステリーでは職業が探偵の人は登場しません。探偵役となるのは喫茶店の店主や学校の生徒など、いわゆる“素人”が活躍するのです。
舞台は主人公が暮らしている地域の中であることが多く、人間模様や日常生活の描写が非常に丁寧なことが特徴。殺人事件が起きない作品も珍しくありません。
ホラーや連続殺人が苦手な方でも楽しむことができるのが魅力です。
さて、そんなコージー・ミステリーのおすすめ作品をご紹介します。
『御子柴くんの甘味と捜査』
『御子柴くんの甘味と捜査』
若竹七海(著)、中央公論新社
長野県警に勤めている御子柴は、警視庁へ出向することに。すると長野県警の面々が、東京のお使いを御子柴に依頼するようになってしまった。
スイーツのように甘くはない事件に立ち向かいつつ、お使いをこなしていた御子柴だが……。
「葉村晶シリーズ」の『プレゼント』に登場した御子柴と小林警部補が登場する本作。非常にコミカルな展開を楽しむことができます。
東京と長野の甘味がたくさん登場する本作は、スイーツ好きの方にぜひ手に取っていただきたい作品です。短編集なので、長文に苦手意識がある方にもピッタリですよ。
『ビブリア古書堂の事件手帖』
『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~』
三上廷(著)、アスキー・メディアワークス
本を読めない「体質」の大輔は、古書を売るために鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」を訪れる。
店主の栞子は美しい女性だったが、初対面の人とは会話もできないほどの極度の人見知りだった。しかし、並大抵ではない本の知識を持っており……。
ドラマ、映画にもなった人気シリーズ「ビブリア古書堂の事件手帖」。
実際にある小説や作家の話が登場し、古書をキーワードに展開される栞子さんの推理にぐいぐい引き込まれてしまうでしょう。伏線の描かれ方も秀逸です。
ミステリー初心者の方や、血なまぐさい展開が苦手な方に特におすすめします。
『思い出のとき修理します』
『思い出のとき修理します』
谷瑞恵(著)、集英社
美容師である明里は、都会での生活に疲れてしまい祖父母が営んでいたヘアーサロンを訪れる。
店の向かいにある「おもいでの時 修理します」というプレートを掲げた時計屋の店主・秀司と、神社の社務所で寝起きしている大学生・太一との出会った明里。あるとき太一が、神社で壊れたオルゴールを拾い……。
「思い出」がテーマの連作短編集。温かい時間が流れる、ちょっぴり大人向けの小説です。謎解きだけでなく恋愛要素も描かれています。
ゆっくり穏やかな物語の中に、感動を味わうことができるでしょう。
『氷菓』
『氷菓』
米澤穂信(著)、角川書店
神山高校の1年生の奉太郎は、姉の勧めで古典部に入部。そこで好奇心旺盛なお嬢様えると出会う。
部に持ち込まれる謎に対し「わたし、気になります!」と声をあげるえる。やる気はないけれど面倒見の良い奉太郎はすっかりえるのペースに呑まれ……。
4人で活動する古典部が学校生活の謎に挑む、ビターな青春小説。「省エネ」をモットーとする奉太郎が、えるを含む部員に振り回されながらも謎を解いていきます。
高校生たちが活躍しますが、語りは丁寧で落ち着いた印象。ポップな青春小説が苦手な方でも楽しめるでしょう。
【関連記事】米沢穂信人気シリーズ「古典部」シリーズの魅力に迫る
『人形はこたつで推理する』
『人形はこたつで推理する』
我孫子武丸(著)、講談社
内気な腹話術師・朝永嘉夫と、彼が操る人形の「鞠小路鞠夫」。
ある日幼稚園のクリスマス会に招かれた2人は、そこで働く睦月と出会う。クリスマス会が行われた日から、うさぎ小屋で奇妙な事件が連続して起こり……。
人形が謎を解決していく異色のミステリー短編集。嘉夫が二重人格であり、人形が探偵役を務めているちょっと変わった設定に惹きつけられます。
殺人事件を扱う物語もありますが、凄惨な描写が苦手な方でも安心して読み進めることができますよ。
『晴れた日は図書館へいこう』
『晴れた日は図書館へいこう』
緑川聖司(著)、ポプラ社ほか
小学5年生のしおりは図書館司書であるいとこの美弥子に憧れており、雲峰市立図書館へ毎日通っている。図書館では、本にまつわる少し変わった事件が起きていて……。
図書館で起こる日常の謎を解いていくほのぼのストーリー。もともと児童文学だった作品であり、連作短編のため非常に読みやすいです。
爽やかな読後と、溢れる図書館への愛に触れられますよ。親子で読むのもおすすめです。
『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』
『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』
似鳥航一(著)、KADOKAWA
和菓子屋「栗丸堂」では、若い主人である栗田仁が4代目として店を継いだ。
腕は確かな仁だが、店の切り盛りを心配した知人の紹介で「和菓子のお嬢様」である葵に出会う。そして彼女との出会いによって、栗田の和菓子は大きく変化する……。
和菓子屋を取り巻く珍騒動と、下町のぬくもりある風景が魅力的な作品です。和菓子を通じて映し出される人々の関係に心が温かくなることでしょう。
和菓子が好きな人はもちろん、下町の匂いが好きな方、恋愛要素のあるミステリーをお探しの方にもおすすめです。
『珈琲店タレーランの事件簿』
『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』
岡崎琢磨(著)、宝島社
彼女と喧嘩別れし、喫茶店「タレーラン」を訪れた青野大和(通称:アオヤマ)。
アオヤマは、バリスタである美星が提供したコーヒーに理想の味をみる。来る途中に財布を無くしていたことに気付き、連絡先を残して店をあとにしたが……。
とある京都の喫茶店が舞台。その喫茶店で起こる日常での謎を追う物語です。謎の解決後、美星の「その謎、たいへんよく挽けました」という決め台詞がたまりません。
肩の力を抜いて、コーヒーを飲みながらの読書にいかがでしょうか?
『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』
『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』
天野頌子(著)、ポプラ社
ホストあがりのニセ陰陽師である安倍祥明が経営する「陰陽屋」は、王子稲荷のふもとの平和な商店街にある怪しい店。キツネ耳の中学生・瞬太は「陰陽屋」で働くことになるが……?
「異世界ファンタジー×ミステリー」な作品の本作。店に来たお客様の悩みをインチキ陰陽師と妖狐の少年が解決していく物語で、ほのぼのとした世界を楽しめます。
愛嬌のあるキャラクターが多くほっこりさせられますよ。
『万能鑑定士Q』
『万能鑑定士Q(1)』
松岡圭祐(著)、角川書店
東京23区に貼られている「力士シール」の謎を追う週刊誌記者・小笠原は、ある日猫のように鋭い瞳を持つ万能鑑定士・凜田莉子に出会う。
劣等生だった莉子は沖縄の波照間島から上京し、「万能鑑定士Q」として看板を掲げるようになるが……。
探偵役が最初から頭脳明晰なのではなく、努力して才能を開花させていく過程を描かれる珍しい作品です。
本作では、莉子が鑑定士に至るまでの経緯と、力士シールの謎解きが楽しめます。鮮やかな推理を楽しみたい方は、ぜひ読んでみてくださいね。
ミステリー初心者さんも、まずはコージー・ミステリーから!
気軽に読み進められるコージー・ミステリーは、お子様からシニア世代まで、幅広い世代で楽しむことができます。
今までミステリー作品を読んだことがない方でも、安心して楽しめますよ。シリーズ化されている作品も多くありますので、気に入ったらぜひ続編も手に取ってみてくださいね。
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