女性作家が綴る美味しい食エッセイ10選|食いしん坊さんはヨダレ必至!
更新日:2019/4/29
美味しそうな料理は、見ているだけでも幸せな気持ちになりますよね。みなさんも、料理にまつわる思い出は多いのではないでしょうか。
ここでは女性作家が綴った、読んでいるとお腹が空いてくること間違いなしの食エッセイをご紹介します。
美味しいレシピや食にまつわる思い出など、女性作家ならではの視点から綴られたエッセイはヨダレ必至。
読んだあとは、台所に立ちたくなるかもしれませんよ。
『ごはんのことばかり100話とちょっと』よしもとばなな
『ごはんのことばかり100話とちょっと』
よしもとばなな(著)、朝日新聞出版
よしもとばななさんの、日常の食事について綴られた食エッセイです。
家族と食べる家庭料理や、友人達に教わったレシピの数々。特にエスニック料理について多く書かれているので、エスニック料理好きの方は必見ですよ。
よしもとばななさんが実際に作った料理や外食での料理など、想像力を膨らませながら読むのがおすすめ。
食が登場するシーンを書き連ねた、まさに「ごはんのことばかり」な1冊。読めばお腹が空くこと間違いなしです!
『何度でも食べたい。あんこの本』姜尚美
『何度でも食べたい。あんこの本』
姜尚美(著)、文藝春秋
タイトルの通り「あんこ」について徹底して書かれているのがこちら。
あんこ嫌いから、突如あんこ好きになった筆者の姜尚美さんが、京都・大阪から東北まで、実に全国36店舗を訪ねます。
そして、あんことそれを作る人々を写真とともに紹介したエッセイです。
こしあんもつぶあんも、職人の誇りとこだわりを感じられます!
文庫版には特別収録として、韓国、ヴェトナム、中国など、東アジアでのあんこ旅が綴られた「あんこ日記」を収録。
あんこを愛していることが強く伝わるエッセイで、あんこ好きにとってはバイブルにもなる1冊ですよ。
『なにたべた?』伊藤比呂美、枝元なほみ
『なにたべた?』
伊藤比呂美、枝元なほみ(著)
中央公論新社ほか
学生時代に、友達と手紙交換をしたことのある方も多いのではないでしょうか。
本書は、かたや詩人、かたや料理研究家。40歳を過ぎた2人のFAXによる往復書簡集。
今日は○○を食べた、昨日は○○だった……と、お互い報告し合います。
気取らない言葉で、料理のことはもとより、家庭のことや恋愛のことなども赤裸々に語られているのが特徴。
2人の会話を聞きながら、登場する美味しい料理を一緒に食べているような気分になれますよ。2人の飾らない暮らしぶりもうかがえます。
『旅行者の朝食』米原万里
『旅行者の朝食』
米原万里(著)、文藝春秋
元ロシア語通訳であり、少女時代から海外生活が長かった著者の米原万里さん。
本書には、ロシアの美味珍品を中心にその地でしか手に入らない食べ物や、それらにまつわるエピソードなどが書かれています。
たとえば「アルプスの少女ハイジ」で、ハイジが美味しそうに飲んでいたヤギのお乳にアルバニアで遭遇した米原万里さん。
しかしそれはとても臭いものだった……など、ユーモアある食の体験がたくさん詰まっています!
筆者の食べっぷりに感心しながら、文化の違い、食文化の違いが楽しめるエッセイです。
『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』高山なおみ
『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』
高山なおみ(著)、文藝春秋ほか
料理研究家の高山なおみさんが、本格的な料理家になる少し前に書いた本書。
美味しい食べ物を楽しく紹介しているのではなく、あくまで料理が思い出の小道具として登場する作品です。
しかしそこは料理家のエッセイ。それぞれの章にリンクする料理が、美味しそうなカラー写真付きレシピで掲載されています。
日常の出来事に揺れる様子が繊細で切ない、そしてやっぱり美味しい1冊です。
『女ひとりの夜つまみ』ツレヅレハナコ
『女ひとりの夜つまみ』
ツレヅレハナコ(著)、幻冬舎
人気ブロガーである著者・ツレヅレハナコさんの美味しいおつまみエッセイ。
美味しいお酒とおつまみが大好きなツレヅレさんが、とにかく簡単ですぐにできるレシピを写真付きで紹介しています。
10分でできるおつまみ、野菜不足を感じる時のおつまみなど、条件に分けて紹介されているので夕食のメニューを考えるのもピッタリ。
何といっても食欲をそそるレシピばかり。お酒好きな人はもちろん、お酒好きな人に料理を作ることがある人は手元に置いておいて損のない1冊です!
『貧乏サヴァラン』森茉莉
『貧乏サヴァラン』
森茉莉(著)、早川暢子(編)
筑摩書房
家事が苦手だけれど、例外として料理だけは得意だった著者の森茉莉さん。食へのこだわりを持つ森茉莉さんが書いたエッセイが『貧乏サヴァラン』です。
本書を読むときには、紅茶とビスケットを用意しておくことを強くおすすめします!
文豪・森鴎外の長女である森茉莉さんは、いわばお嬢様として育ち、純真さや無邪気さを亡くなるまで持ち続けた人。
ストレートな物言いで、本書からは痛快さも感じられます。
読んだあとには、「本当の贅沢とは何だろう」と考えさせられるエッセイです。
『今日もごちそうさまでした』角田光代
『今日もごちそうさまでした』
角田光代(著)、新潮社ほか
自他ともに認める肉好きの筆者・角田光代さん。
突如苦手としていた野菜や青魚が食べられるようになった! それ以来「食」に目覚めた角田光代さんが、日々のごはんについて綴るエッセイです。
―「食べられない」から「食べる」に移行する時には、ダイナミックな感動がある―
と、あとがきにあるように好き嫌いが激しかった角田光代さん。
苦手な食材も食べることができるようになったことで「美味しい」の世界が広がったと語っています。
「私のごちそうさまレシピ」として、本文中に登場する料理のレシピもたっぷり掲載。読んだ後は、それらのレシピを参考に料理をしたくなることでしょう。
『料理の基礎の基礎 コツのコツ』小林カツ代
『料理の基礎の基礎 コツのコツ』
小林カツ代(著)、大和書房
「“ヒタヒタ”の水」ってどれくらい?
「“ス”が入る」ってどういう状態?
知っていそうで意外に知らない料理の基礎について、料理研究家・小林カツ代さんが教えてくれるのが本書。
ザクザクと切るから「ザク切り」など、思わず「なるほど!」と納得してしまう料理の基礎がたくさん綴られています。
料理初心者の人はもちろん、食べること専門の人でも料理をしたくなるような、楽しく読める軽快なエッセイですよ。
『いとしいたべもの』森下典子
『いとしいたべもの』
森下典子(著)、文藝春秋ほか
これを食べると、あの時の気持ちや情景が思い出される……そんな食の記憶はありませんか?
本書は、そんな味の記憶や食べ物の思い出が、優しく温かい文章で綴られたエッセイ集。ほのぼのとした淡いタッチのイラストにも癒されますよ。
食べ物を食べたときの表現が豊かで、まるで食べているときの情景が浮かんでくるようです。
続編となる『こいしいたべもの』もあわせて、ぜひ。
夜中に読むのはご注意を!
女性作家による美味しい食エッセイをご紹介しましたが、夜中に読む時は注意してくださいね。
お腹が空いて、夜中でも台所に立つことになってしまうかもしれません。
それほど、どのエッセイも「美味しい」が満載!
料理ができない人も、掲載されたレシピに挑戦したくなりますよ。
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