90年代の週刊少年サンデー作品|懐かしの名作漫画、全部知ってる?
更新日:2019/4/23
小学館が出版する週刊の少年向け漫画雑誌「週刊少年サンデー」。1959年に創刊されて以来、多くの人々の心をワクワクさせてきた人気雑誌です。
『タッチ』や『名探偵コナン』など数々の名作を輩出してきた「週刊少年サンデー」ですが、ここでは90年代に連載されていた漫画にスポットを当てました。
こんな漫画あったなぁ、と懐かしい気分に浸りながらぜひご覧ください!
サンデーと言ったらやっぱり高橋留美子!
『らんま1/2』
『らんま1/2』
高橋留美子(著)
水をかぶると女になってしまう特異体質になってしまった少年乱馬と、許嫁の天道あかねが織りなすバトル有り、ラブありのコメディ漫画。
『うる星やつら』や『犬夜叉』で有名な高橋留美子さんの作品です。1987年から1996年まで連載されており、アニメ・ドラマ化もされました。
『らんま1/2』の魅力は、個性豊かな登場人物たちとテンポの良いストーリー展開。
ヒロインのあかねが男顔負けの格闘技の達人だったり、乱馬以外にも水をかぶると変身してしまうキャラが多数登場するなど、ハチャメチャな設定なのにサクサクと話が進み、読んでいて飽きません。
また、乱馬とあかねは親同士が勝手に決めた許嫁なのでいつもはケンカばかりですが、いざというときは乱馬があかねを守るなど、ツンデレな二人の関係を見守るのも楽しい作品です。
涙なしに読めない名作!
『うしおととら』
『うしおととら』
藤田和日郎(著)
『うしおととら』は、1990年から1996年に連載されていた漫画です。
寺の息子である主人公のうしおと、うしおに解放された凶悪な妖怪のとらが様々な妖怪たちと戦うストーリーで、2015年にはアニメ化もされました。
躍動感を感じる荒々しいタッチが特徴的な作品で、化け物たちとの戦いのシーンは迫力満点。
とらが解放されたために集まってきた妖怪たちから、友人を守るためうしおは戦います。しかし、妖怪たちにも戦わなければならない事情があり、妖怪を完全な悪として描いていないところは本作の特徴です。
妖怪たちの境遇や、戦いの結末には悲しいものも多く、泣ける作品でもあります。
また、人を食べることしか考えていなかったとらが、うしおの友人との交流を通して少しずつ変わっていく様子など、登場人物たちがそれぞれ成長していく姿も魅力的な作品です。
青春あり、ギャグありの柔道漫画
『帯をギュッとね!』
『帯をギュッとね!』
河合克敏(著)
柔道に青春を捧げる高校生たちの姿を描いた、『帯をギュッとね!』。
柔道の実力者たちが、柔道部のない高校に偶然入学し、柔道部の創部から全国大会を目指すまでを描いた爽やかなスポーツ漫画です。1989年から1995年まで連載されました。
本作は、作者の河合克敏さんの初連載作品ですが、初連載とは思えないほど技をかけている姿の描写が精密です!
しかも、柔道の技の解説が漫画中にコメントとして挿入されているので、柔道好きな人はもちろん、柔道を知らない人でも楽しく読めます。
主人公だけでなく、その他の登場人物たちも丁寧に描かれており、少年たちの成長物語としても楽しめる作品です。
熱き消防士たちを描いた名作
『め組の大吾』
『め組の大吾』
曽田正人(著)
新米消防士が成長していく姿を描いた、『め組の大吾』。
1995年から1999年に連載されており、2004年には山田孝之さん主演でドラマ化されました。
主人公の朝比奈大吾は、幼少期に消防士に命を助けられたことをきっかけに消防士になり、使命感に燃える熱血青年です。
火事場の馬鹿力という言葉がありますが、大吾は火事現場で危機的状況に陥ると、周囲も信じられないような力を発揮。周囲の消防士たちに「火事場のバカヤロー」と呼ばれながら消防士としての経験を積んでいきます。
危険を顧みず人命救助に向かう大吾の姿は感動的です。
また、大吾の配属先のメダカ浜出張所の消防士たちは、普段はダラダラしているのに、火事が発生すると別人のように救出に向かいます。消防士のかっこよさも感じられる作品ですよ。
奇想天外、大爆笑!
『神聖モテモテ王国』
『神聖モテモテ王国』
ながいけん(著)
『神聖モテモテ王国』は、1990年代に連載されていました。謎の宇宙人ファーザーと中学生の息子オンナスキーが登場する、一話完結型のギャグ漫画です。
女にモテたくて仕方ないファーザーとオンナスキー。
ナオン(女)と自分達しかいない夢の王国「モテモテ王国」を作るためにナンパを繰り返し、なぜか毎回警察かヤクザに捕まる奇想天外な設定の漫画です。
ファーザーは「宇宙人」なのですが、それだけでなく、何度死んでも生き返るという不死身なのです。他にも、いつもパンツ一枚で過ごしていたりと、ツッコミどころ満載の作品となっています。
さらに、ガンダムなどのパロディネタが随所に登場。
笑いのツボはややマニアックですが、ガンダムパロディが好きな人やシュールなギャグが好きな人など、ツボにはまれば涙がでるほど笑える作品です。
不動の人気を誇るヤンキー漫画
『今日から俺は!!』
『今日から俺は!!』
西森博之(著)
ドラマ化で話題となり、映画化も決定している『今日から俺は!!』。ズル賢い金髪の三橋と、根は真面目なツンツン頭の伊藤の2人が活躍する不良漫画です。
高校で「今日からツッパる」ことを決め不良デビューした三橋が、そこでツンツン頭の伊藤と出会います。
不良たちに呼び出された三橋に、伊藤が加勢したことでなぜか意気投合(?)。その後も行動をともにするようになり、他校の不良たちと対峙していきます。
とにかく卑怯な三橋と、不良ながらも真面目で義理堅い伊藤の掛け合いが面白く、不良漫画には珍しくギャグも多めです。
最初は不良を怖がっていた三橋と伊藤が、徐々に名を馳せていく……読んでいて気持ちのいい作品です!
ドタバタコメディの傑作
『GS美神 極楽大作戦!!』
『GS美神 極楽大作戦!!』
椎名高志(著)
霊能者が一般的に活躍している舞台設定が新しい本作。
お金を愛するゴーストスイーパーの美神令子、女性とみれば見境なく欲情する高校生・横島忠夫と、成仏し損ねた地縛霊のおキヌ。この3人のドタバタを描いた作品です。
ワンレン・ボディコン、美人でセクシーな美神は、国家資格を持つプロのゴーストスイーパー。高額な報酬でどんな悪霊や妖怪も追い払う除霊師です。
かなりハチャメチャな展開が多いですが、彼らの成長していく姿にワクワクさせられます。前世や未来へ飛ぶこともあり、美神たちの意外な関係性に驚かされることも。読者を惹きつけて離さない作品です。
左腕に隠された秘密とは……。
『ARMS』
『ARMS』
皆川亮二(著)、七月鏡一(原案)
高槻涼は、傷がすぐ治る不思議な右腕を持つ高校2年生である。
ある日、左腕にギブスをはめた新宮隼人が転校してきたことで、それまでの平穏な生活は一変。彼らの腕には隠された秘密があり、それを狙う者たちがいて……。
登場人物の細かい設定や、多くの伏線。これがもう、何度読んでも飽きないんです!
高槻の知らなかった自分自身の姿、大切な人たちの正体。真実がわかるたびに読者は驚かされ、苦難をも受け止めて成長していく高槻たちから目が離せなくなるでしょう。
また、映画を観ているようなコマ割りや表現が、漫画とは思えない迫力を演出しています。学園ものかと思いきや、思いも寄らない壮大な世界観が広がっているSF漫画です。
不老不死にまつわる悲しい物語
「人魚シリーズ」
「人魚シリーズ」
高橋留美子(著)
高橋留美子さんといえば、先に紹介した『らんま1/2』など、ラブコメディやギャグ作品が多く、個性豊かな登場人物たちを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかしこの「人魚シリーズ」は、そんなイメージを覆すほどのダークで胸が締め付けられるような悲しい作品です。人魚とはいっても、童話のように可愛らしいものではありません。
人魚の肉を食べて不老不死になってしまった湧太が、普通の人間に戻りたいがために人魚を探す旅に出るお話。
500年もの間、さまざまな時代を渡り歩きますが、そこで出会うのは不老不死に取り憑かれた恐ろしい人間ばかりなのです。
若いまま永遠に生き続けられることは幸せなのか? 永遠の命を手に入れたい人、残される人たちの思い、人間の生と死を考えさせられる作品です。
義経の生涯
『ますらお―秘本義経記―』
『ますらお―秘本義経記―』
北崎拓(著)
さまざまな逸話を残し、謎多き歴史のヒーロー・源義経の生涯を綴った『ますらお―秘本義経記―』。
7歳で寺に入った遮那王(義経)は、少女と間違えられるほどの美貌の持ち主です。しかし不遇な生い立ちからか、荒々しく誰もが手をつけられない性格に。
そんな遮那王は、寺の生活が嫌になって逃げ出し、その途中で運命の女性となる”静”を助けることになります。
華やかなイメージのある源義経ですが、父・義朝の敗戦により家族は散り散りに、そして出家させられるなど波乱万丈。兄である頼朝とも対立することになります。
漫画の中では、そんな義経の成長していく姿や仲間たちとの熱いやりとり、静御前との恋の行方が生き生きと描かれています。綺麗なだけではなく、人間らしさが溢れる義経が魅力的です。
90年代の少年サンデー漫画を読んでみよう!
王道の少年漫画から、シュールなギャグ漫画まで様々な作品が連載されていた90年代の「週刊少年サンデー」。今読んでもワクワクしたり笑える作品ばかりです!
まだ読んだことがない人はもちろん、かつて読んだことがある人もぜひ新たな気持ちで読んでみてはいかがでしょうか。
きっともう一度読みたくなる漫画があるはず!