渋谷晶三監修『大人のブラック心理クイズ』|日常生活で使える心理学も学べる!
『大人のブラック心理クイズ』
渋谷晶三(監修)、日本文芸社
心理学は人の「心の動き」を探求する学問です。
世の中にはさまざまな場面で心理学が活用されており、実際、あなた自身も知らず知らずのうちに人の心を操ったり、操られたりしているのです。
本書では、そんな心理学のスキルやテクニックをクイズ形式で楽しみながら理解できるように解説しています。
ちょっと空いた時間にでも、本当の自分の見分け方や他人の心の動かし方など、クイズを解きながら身につけてみてはいかがでしょう。(p2-3)
漆黒の表紙に、白字で書かれた「大人のブラック心理クイズ」。
少し不気味で、どこか奇妙な印象を与えるそのカバーは、書店でもひときわ目を惹きました。
普段、占いや心理クイズの本を購入することはあまりないのですが、「心理学のスキルも一緒に学べる」という謳い文句に誘われ、本書を読むことにしました。すると……その面白さについ夢中になってしまいました。
気分転換に、ほどよく頭を使いたい方に、肩肘張らずに読める本を探している方に。おすすめの一冊です。
さっそく、心理テストにトライ!
ではさっそく、読者のみなさまに、心理クイズをしてもらいたいと思います。一度考えてみてくださいね。
「この会社で出世したい」とひそかな野望を抱えているあなた。なるべく時間をかけず、社内でグングンのし上がっていくには、まずは直属の上司に気に入られなければいけないと考えました。では、手っ取り早く上司の交換を得るためにあなたがすべきなのはどちらでしょう?
A:個性的な自分をアピールする
B:上司の服装やしぐさを真似る(p77)
さて、答えをお伝えする前に……
今回のクイズは、「『世渡り力』を身につけろ!」という、仕事をテーマにクイズになります。
他にも「『他人の心』を手玉に取れ!」といったコミュニケーション力、「目指せ!『恋愛勝ち組』」といった恋愛心理、「『自分の価値』をアップする!」といった自己啓発など、ジャンル別の心理テストが収録されているのも本書の魅力といえるのではないでしょうか。
では、先ほどのクイズの答えを発表しましょう。
B:「類似性の法則」により、上司はあなたに好感を抱きます。
アメリカのビジネスの世界では、出世をしたければまず「ボスの猿真似をしろ」という言葉があります。人は自分と性格や価値観、趣味などが似ている相手に親近感をおぼえ、相手との距離が縮まっていく傾向にあります。(中略)
上司の髪型や服装、趣味などに自分も合わせていけば、次第にあなたのことを可愛がってくれる可能性は高くなるわけです。(p78)
いかがでしょうか? みなさま、納得の答えでしょうか?(あくまでも、本書は心理学に基づいたものですので、その点はご了承くださいね)
この内容を見ていただいてもわかるように、本書の心理テストは、一般的な心理テストは少し異なります。
また、解答欄で、専門用語の意味を100字程度で解説してくれているのも魅力のひとつです。(このクイズであれば「類似性の法則」という専門用語になります)
楽しく心理テストをしながら、心理学の専門知識や教養を学ぶことができる、一石二鳥の一冊というのが分かっていただけたかと思います。
「本音」を知りたければ顔の左側に注目!
本書では、約100パターンの心理テストが収録されていますが、箸休め的な役割で、心理学にまつわるコラムも数多く収録されています。
私がつい感心してしまったコラムをひとつ引用してみたいと思います。
「本音」を知りたければ顔の左側に注目!
顔の作りは完全な左右対称ではなく、表情も左右で異なります。
脳と身体の関係は延髄交差によって左右が逆になるため、右脳がイメージや感情、左脳が言語や論理的思考を司ることと関係し、左側には「本音」、右側には「建前」の表情が出現します。(p246)
初対面の相手と会った時、まず目が行くのは顔ですよね。人は相手の顔や容姿で第一印象を決めてしまいがち。
心理学の観点では、顔の左側に特に注目すれば、プライベート(本音)の顔が見えてきて、相手の気質や性格を見抜きやすいということが分かっています。
みなさまはご存知でしたでしょうか?私は知りませんでしたが、このコラムを読んで、人の顔を見るときに、特に左側を気にしてしまうようになりました。
実生活に活かせる心理学
心理学は、日常生活のさまざまな場面で活かすことができる学問です。
本書は実生活に活かせる内容が盛りだくさんですので、ぜひ本書を読んで、心地よい環境作りにお役立てくださいね。
今回ご紹介した書籍
『大人のブラック心理クイズ』
渋谷晶三(監修)、日本文芸社
良好な人間関係に必須! こちらも読んでおきたい一冊です。