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大人もトラウマ注意!「怪談えほんシリーズ」9冊まとめて紹介


大人になって、絵本を読む機会がめっきりなくなった、という方は多いのではないでしょうか。

ファンタジーや子供向けの絵本はちょっと……と思っている方に読んでほしい絵本があります。

それは、岩崎書店の「怪談えほんシリーズ」。
有名な作家とイラストレーターがタッグを組み、絵本でありながら大人でもビクッとしてしまうような怖いお話をお届けするシリーズです。

「怖いから読むときは気を付けて」って言われると、怖いもの見たさで逆に興味が湧いてきませんか?

 

原画展が各地で開催されるなど注目されている「怪談えほん」。
今回は、この「怪談えほんシリーズ」の作品をまとめてご紹介します。絵本だからと侮ることなかれ、ですよ。

 

怪談えほん1.今はいらないと思っても……。
『悪い本』

悪い本

悪い本
宮部みゆき(作)、吉田尚令(絵)

この世の悪いことを、この世の誰よりも知っているという「悪い本」。悪い本は、あなたに一番悪いことを教えてくれるでしょう。
今は「いらない」と思っていても、あなたはいつか、悪い本と仲良くなりたいと思うはず……。

 

『模倣犯』などで知られる作家・宮部みゆきさんと、双子のお父さんでもあるイラストレーターの吉田尚令さんの共作。

この世で一番悪いことが何か、明確な答えはありません。しかし読んだ後、誰もが持っている悪い部分について考えるようになるはずです。
くまや猿などの人形が不気味で悪い予感がするのに、なぜか先を読みたくなる……そんな絵本です。

「悪い本」についてもっと詳しく知りたい方はこちら

 

怪談えほん2.自分にだけ見える弟。
『マイマイとナイナイ』

マイマイとナイナイ

マイマイとナイナイ
皆川博子(作)、宇野亜喜良(絵)

マイマイは、弟のナイナイを見つけた。ナイナイは小さすぎて、母さんにも父さんにも見えない。
マイマイは、そんな小さなナイナイをくるみの殻に入れた。ある日森にでかけたとき、マイマイの目が壊れてしまい……。

 

『薔薇密室』などの幻想的で美しい世界を描く作家・皆川博子さんと、独特なタッチで可愛らしい女性を描くイラストレーター・宇野亜喜良さんの共作。

異世界に迷い込んだような、救いようがない物語でありながら、その不安定で美しいイラストに引き込まれます。
自分に見えるものが、他人には見えないものだったとき、自分ならどうするか……と、考えてしまうことでしょう。

 

怪談えほん3.高くて暗いところに何かいる。
『いるの いないの』

いるの いないの

いるの いないの
京極夏彦(作)、町田尚子(著)

田舎のおばあさんの家で暮らすことになった「ぼく」。おばあさんの家の高いところには“梁”があって、とても暗い。「ぼく」は“梁”の上が気になって……。

 

「百鬼夜行シリーズ」の作者で妖怪研究家でもある京極夏彦さんと、ちょっと影のある絵と猫のイラストが特徴的なイラストレーター・町田尚子さんによる共作。
文字が少ないことで、より町田さん独特のジトッとしたイラストから得体の知れない怖さを感じます。

上を見て、誰かがいるという「ぼく」。見ないから、いるのか分からないというおばあさん。みなさんなら、いると思ったら見てしまうでしょうか。
最後のページに待っている恐怖を知りながらも、何度も読んでしまう中毒性のある絵本です。

 

怪談えほん4.踏み入れたら戻れない。
『ゆうれいのまち』

ゆうれいのまち

ゆうれいのまち
恒川光太郎(作)、大畑いくの(絵)

夜中、友達に「遊びに行こう」と誘われた。丘の向こうにひろがる「ゆうれいのまち」に辿りついた友達と「ぼく」。そっと覗いていると、幽霊たちに見つかり追いかけてきた!
そして「ぼく」だけが置いて行かれてしまい……。

 

ホラー作家であり、幻想的な物語を得意とする恒川光太郎さんと、アメリカで油絵を学び、個展などもおこなっている大畑いくのさんの共作。幽霊たちにさらわれ、元に戻れなくなった「ぼく」を描いた作品です。

この作品に、恐ろしい幽霊は出てきません。しかし、違和感を感じさせるコラージュのイラストと、ゆうれいのまちでそのまま大人になっていく「ぼく」に、なんともいえない不安を感じます。

遊びに誘った友達は、本当に「ぼく」の友達だったのでしょうか……?

 

怪談えほん5.ありふれた音にある恐怖。
『ちょうつがい きいきい』

ちょうつがい きいきい

ちょうつがい きいきい
加門七海(作)、軽部武宏(絵)

部屋の扉からきいきいと音がする。よく見ると、ちょうつがいに挟まったおばけが痛いと叫んでいる! 耳をすますと、家の中に家の外、あちらこちらから、きいきい……。

 

霊や物の怪を扱う作品を多く執筆している作家・加門七海さんと、『のっぺらぼう』などの妖怪絵本を発表している軽部武宏さんの共作。

普段なら気にしないような小さな音ですが、そんなどこからでも聞こえる音は、本当にただの音なのでしょうか……?

また、この絵本の表紙に描かれている落ちた椿の花にも注目して読んでみてください。椿といえば、病院などのお見舞いで避けられる花ですが……。

 

怪談えほん6.足しかないオバケ。
『おんなのしろいあし』

おんなのしろいあし

おんなのしろいあし
岩井志麻子(作)、寺門孝之(絵)

オバケがいるとみんなから怖がられている古い倉庫。オバケなんて怖くないという男の子が一人でその倉庫を探検してみると、そこには女の白い足が立っていて……。

 

『ぼっけえ、きょうてえ』の作者である岩井志麻子さんと、神戸芸術工科大学で教授も務めるイラストレーターの寺門孝之さんの共作。

オバケといえばふつう足がないものですが、この絵本に出てくるオバケには足しかありません。また、どんな女なのか? 説明も一切ないのです。
ぺたぺたとついてくる女の白い足から逃げてきた男の子だけど……? 岩井志麻子さんらしい妖艶さも感じる絵本です。

 

怪談えほん7.身近にあるものに潜む恐怖
『かがみのなか』

かがみのなか

かがみのなか
恩田陸(作)、樋口佳絵(絵)

家の中、お店、街角。見ない日はない、どこにでもある鏡。右手を出せば左手を出す、あべこべな鏡だけれど……。

 

『夜のピクニック』などの作者である恩田陸さんと、個展などで作品を発表している樋口佳絵さんの共作。

鏡に映る自分に引きずり込まれ、鏡の中に入ってしまった女の子の不思議な物語です。女の子は、無事に元の世界に帰ってこられるのでしょうか? 「ただいま」、そう言ったのは……?

誰もが一度は想像したことがあるであろう鏡の中の世界を描いた作品です。身近なものにこそ恐怖が潜んでいるのかもしれない、と考えさせられます。

 

怪談えほん8.あなたの近くにもいるかもしれない。
『くうきにんげん』

くうきにんげん

くうきにんげん
綾辻行人(作)、牧野千穂(絵)

「くうきにんげん」は、誰にも見えないけれど、この世界に大勢いるらしい。くうきにんげんは、普通の人間に襲いかかって、空気に変えてしまう。もしあなたが空気になったら……。

 

『十角館の殺人』をはじめとする「館シリーズ」などの作者である綾辻行人さんと、書籍の装画や挿絵を手がけている牧野千穂さんの共作。
薄気味悪く、想像力を刺激される絵本です。徐々にくうきにんげんが迫ってくるような感覚を覚え、後ろを振り向くのが怖くなることでしょう。

うさぎの女の子が絵本を読んでいるシーンにも注目してみてください。うさぎの女の子と、この絵本の読み手であるわたしたちは、同じ状況にいるのです。

 

怪談えほん9.箱が空くたびに……。
『はこ』

はこ

はこ
小野不由美(作)、nakaban(絵)

何が入っていたか分からない箱。開かないけれど、振ると中から音がする。雨が降る日、気づくと箱が空いていた。けれど中身が空っぽで……。

 

『十二国記』などの作者である小野不由美さんと、挿絵やアニメーションなどの分野で活躍するnakabanさんの共作。
開かなかったはずの箱が開くたびに、生き物がいなくなっている……そんな物語です。

最初は小さかった箱が、徐々に大きくなっていきます。最後に消えてしまうものはなんなのか? 正体の分からないものに対する恐怖がこの絵本にあります。

もしも子供の頃に読んでいたら、ただの箱が、とても怖いものになっていたかもしれません。

 

夜中に一人で読むときはご注意を。

どの絵本も、誰もいない真夜中に読んだら恐ろしいこと間違いなし! 読み聞かせするときも、ゆっくりとトーンを下げてみるといいかもしれません。

今回このコラムで、少しでも「怪談えほん」に興味を持ってもらえたら幸いです。

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