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角野栄子 おすすめ本|『魔女の宅急便』だけじゃない!


更新日:2020/1/7

角野栄子 おすすめ本

1970年に作家デビューした角野栄子さん。
日本を代表する児童文学作家のひとりであり、絵本や小説を中心に、たくさんの人気タイトルを手掛けています。

角野さんといえば、「魔女の宅急便」シリーズ。スタジオジブリによるアニメ映画を見たことのある方も多いのではないでしょうか。
しかし! 角野さんの作品には、『魔女の宅急便』以外にもたくさんの名作があります。

優しくて心に残る名作を多く発表している角野さん。ここでは、そんな角野さんが手掛けた作品をご紹介します。

 

「小さなおばけ」シリーズ

『スパゲッティがたべたいよう』表紙

「小さなおばけ」シリーズ
ポプラ社

レストランの屋根裏に住んでいる食いしん坊のアッチ、理髪師見習いのおしゃれなコッチ、飴屋さんのおばあちゃんと一緒に暮らすソッチ。
3匹の可愛らしいおばけたちが主人公の人気児童書シリーズです。

1979年に1作目の『スパゲッティがたべたいよう』を発売して以来、親から子へ、今もなお読み継がれています。

本をひとたび開けば、そこにはアッチ、コッチ、ソッチたちが繰り広げるドキドキとワクワクがいっぱい。お子さんと一緒に、文章を声に出して読むのもおすすめですよ。

 

『ラストラン』

『ラストラン』表紙

ラストラン
角川書店

古い写真を手がかりに、死んだ母の生家を探し出すイコ。しかし、そこで12才の不思議な少女ふみ子と出会い……。

 

角野栄子さんの自伝的作品。
「残された人生でやっておきたいこと」をテーマに、74才のイコが岡山県にある母の生家までバイクツーリングの旅を実行します。

イコとふみ子の旅の物語は、読者をほんわかとした優しい気持ちにさせてくれますよ。何かに挑戦することに、年齢は関係ない。そのことに改めて気付かせてくれる作品です。

 

『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』

『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』表紙

ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて
ポプラ社

角野さんの原点とも言えるデビュー作。自費移民としてブラジルで過ごした角野さんの、若き日の話をもとに書かれています。

ブラジルのサンパウロに滞在した約2年間。同じアパートに住んでいた黒人少年ルイジンニョとのエピソードを中心に物語が展開されていきます。

サッカー、サンバ、大喧嘩など、そこで出会ったさまざまな人々との交流が生き生きと描かれており、サンパウロの魅力に触れることのできる貴重な一冊です。

 

『ナーダという名の少女』

『ナーダという名の少女』表紙

ナーダという名の少女
KADOKAWA

リオデジャネイロで暮らす少女アリコは、常に罪悪感を抱いたまま生きています。
そんなアリコが出会ったのが、同い年のナーダ。不思議な雰囲気を持つナーダは、次第にアリコの心をとかし、2人の絆も固く結ばれていくのですが――。

『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』と同じく、ブラジルが舞台のミステリアスな物語。サンバのリズムとともに、少女たちの友情と愛情、嫉妬などの複雑な心情が美しく、幻想的に描かれています。

読み終えたあとには、アリコが1人の女性として成長した姿に安堵するはずです。

 

『ズボン船長さんの話』

『ズボン船長さんの話』表紙

ズボン船長さんの話
福音館書店ほか

小学4年生のケンと、ちょっと変わった元船長の老人との冒険物語。子供から大人まで、幅広い年齢の方が楽しめるファンタジー作品です。

悲しみ、くやしさ、笑いなど、さまざまな要素が詰まっています。冒険を通じて成長していくケンの姿に、胸が熱くなりました。何度でも読み返したくなる作品です。

定期的にミュージカル化もされており、多くの方に親しまれています。

 

『ぼくびょうきじゃないよ』

『ぼくびょうきじゃないよ』表紙

ぼくびょうきじゃないよ
福音館書店

親戚のお兄ちゃんと釣りに行くはずが、前日に熱が出てしまったケンくん。すると、ケンくんの部屋に白衣を着た大きなクマの先生が現れ、ケンくんの診察を始めて――?

クマの先生に教えてもらった手洗いやうがいをするケンくん。はたして、楽しみにしていた釣りに行くことができるのでしょうか?

風邪をひきやすい冬の季節に、ぜひお子さんに読み聞かせてあげてください。
もしかすると、クマ先生の言うことを聞いて、手洗いうがいがきちんとできるようになるかもしれません。

 

『おだんごスープ』

『おだんごスープ』表紙

おだんごスープ
偕成社

大好きなおばあさんに先立たれたおじいさんは、おばあさんの死から立ち直ることができません。
しかしあるとき、おばあさんが作ってくれたスープが飲みたいと思い立ちます。おばあさんのスープの味を再現するために、何度も試行錯誤を繰り返すのですが――。

物語冒頭から泣いてしまいそうになりますが、悲しいだけのお話ではありません。
スープを作るうちにおじいさんの元を訪れる動物が増えていき、おじいさんのスープはどんどん美味しくなっていきます。

子供にも分かりやすく、温かい感動がたくさん詰まっている絵本です。

 

『大どろぼうブラブラ氏』

『大どろぼうブラブラ氏』表紙

大どろぼうブラブラ氏
講談社

1982年、第29回「産経児童出版文化賞」大賞受賞作品。
由緒正しい家柄のおぼっちゃま。だけど、実は代々続く大どろぼう家系であるブラブラ氏を巡る人間模様を描いた作品です。

どろぼうなのに目立ちたがり屋のブラブラ氏と、ちょっと間抜けな刑事の攻防戦などが、ユーモアたっぷりに描かれています。

発表から40年近くが経過している作品ではありますが、古くささなんて感じられません! 壮大なスケールで繰り広げられる物語は、読者をワクワクドキドキさせてくれるはずです。

 

『トンネルの森 1945』

『トンネルの森 1945』表紙

トンネルの森 1945
KADOKAWA

幼い頃に母親を亡くしたイコの心の葛藤、新しい母親になじむことのできない孤独感、そして戦争による飢餓と恐怖。
耐え難い精神状態を払拭するように、イコは脱走兵が自殺したと噂される森の中へ影を追うように入っていくのですが――。

「戦争」がテーマに置かれている『トンネルの森 1945』。角野さんの太平洋戦争での実体験をもとに生まれたファンタジー作品です。

淡々と進行される物語の中には、戦争を体験した角野さんだからこそ描ける世界が広がっています。

 

「魔女の宅急便」シリーズ

『魔女の宅急便』表紙

「魔女の宅急便」シリーズ
福音館書店ほか

主人公は、魔法使いの女の子キキ。13歳を迎えたキキは、満月の夜に黒猫のジジとともに旅立ち、辿り着いたコリコの町で宅急便の仕事を始めます。

角野栄子さんといえばやっぱりこの作品! 1982年に1作目が発売されて以来、多くのファンに愛され続けています。

1作目しか読んだことがない方、多いのではないでしょうか。本シリーズでは、1人の少女がさまざまな人との出会いを通じて成長し、大人になっていく姿が描かれます。

シリーズ最終巻、お母さんになったキキの姿もお見逃しなく!

 

優しさの詰まった角野さんの作品を読んでみて

児童文学を中心に、絵本、小説など多岐にわたる活躍を見せる角野栄子さん。

角野さんの作品には、読者の心をホッと温かくしてくれる魅力がたくさん詰まっています。ぜひ読んでみてくださいね。

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ライター:aoi_suitou