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『コクヨ式 机まわりの「整え方」』で今日から仕事がはかどる!


更新日:2016/5/24

『コクヨ式 机まわりの「整え方」』表紙

コクヨ式 机まわりの「整え方」
齋藤敦子(著)、KADOKAWA

文房具メーカーで有名なコクヨ株式会社。
実は、文房具だけに留まらず、「WORKSIGHT LAB.(ワークサイトラボ)」という研究組織を開設し、さまざまな業種の企業の“働き改革”や“オフィス改革”に携わっていることを、みなさまご存知でしょうか。

WORKSIGHT LAB.のメンバーは、国内外の企業に出向き、働く人たちを観察し、オフィス環境を分析するという研究を重ね、膨大な調査を行ってきました。

 

ここでは、WORKSIGHT LAB.の所長が、その調査結果を「提案」に変換し、働く環境を改善するヒントを指南してくれる1冊、『コクヨ式 机まわりの「整え方」』をご紹介します。

働く環境を改善する、というとハードルが高いように感じてしまいがちですが、今回は「個人」が「自分一人で」「今すぐに」できることのみに焦点を当てました。

机まわりから自身のメンタルまで「働く」ことにまつわるTipsを紹介したいと思います。

 

「机を整える」ことは自分を魅せる戦略

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アップル創業者・スティーブ・ジョブズ氏は、76年のアップル設立の直後、会社を辞めて日本の禅寺に入ることを考えていました。

彼が口にしていた『ハングリーであれ、愚か者であれ(Stay hungry, Stay foolish)』。これは曹洞宗の祖・洞山良价禅師の『愚の如く、魯ろの如く、よく相続するを主中の主と名づく』に影響を受けたものであることは有名な話です。

ジョブズ氏は、禅の教えに忠実に、心身を整え、イノベーションを起こしてきたのです。

 

日本人は昔から、心身を整え、姿勢を正し、身の回りを清潔にし、礼節を学ぶということを大切に守ってきました。

私たちにはそんな先祖の精神が受け継がれているはずなのに、筆者いわく、海外のオフィスと比べて日本のオフィスは無駄が多く汚いとのことです。そして筆者はこう訴えています。

机まわりに「美意識」を持っていいと私は思うのです。

自分の机まわりが乱れていたら、それは単に「片づけていない」とか「散らかっている」という問題だけではないのだと考えましょう。

それは、その机に向かっている人の、心の乱れ、モチベーションの乱れなのかもしれません。

机を整えることは、モチベーションを整えること、あなた自身を整えることそのものなのです。(p86-87)

 

「机の上の状態は、その人の頭の中の状態を表す」。ごちゃごちゃの机は、仕事も自分も混乱していますと言っているようなもの。それってとても恥ずかしいことですよね。

周囲の人たちは、机の状態を見て、あなたを判断していることを自覚すべきです。

つまり、机まわりを整えることは、戦略的に自分を魅せることにつながるのです。

 

「引き出しのスペースを使い切る」という発想を捨てる

フリーアドレス制を使っている会社でない限り、自分専用の机があると思います。その机には引き出しが付いているでしょう。
右側か両側に3段ほどの袖引き出しと、お腹のあたりに大きくて浅い引き出しがある机は多いはずです。

後で見返すかもしれない資料だから、とりあえず引き出しに入れる。でも、結局見返さない……という経験はありませんか?
その場合、共有スペースにその資料を置いておいたほうが、多くの人の役に立つでしょう。

引き出しは、100%を使う必要はないのです。

自分専用に与えられた空間があると、「なにか入れなきゃ損」とばかりに、なんでも入れてしまいがちです。

人は「収納スペースは、ある分だけは必要」と感じてしまうようです。そして、「ある分だけ、全部の収納を使おう」としてしまうのです。

モノを減らそうとすると、意外に捨てられる。「本当に必要だったスペースは、実は半分以下だった」ということが大半です。(p58-59)

 

お腹のあたりの大きくて浅い引き出しは、いちいち椅子を引いて後ろへ下がらないといけませんよね。不要です。

「引き出しのスペースがあるから使う」という考えを止めることで、引き出しの中だけでなく頭の中も整理することができるのです。

発想の転換です。「収納スペースがあるから」資料を抱え込んでしまうのであり、なくても問題ないことは多いのです。

 

アイデア出しにはアラームを

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さて、机まわりを整えた後は、どう効率的に仕事をしていくかを考えていきましょう。

次に取り上げたいのは、仕事に欠かせないアイデア出し。初期にアイデアを出すときは、質よりとにかく量を出すことが重要と言われています。

一日中、机の前でうんうん悩みながら考えていた時は何も出なかったアイデアが、数分散歩をすると思いついた。というのはよくある話です。

本書には、会議やアイデア出しをする時には、ストップウォッチやアラームを使い、短く時間を区切って行うと効果的だと書かれています。スピードとリズムが必要である、と。

初期段階のアイデアは、本数をたくさん出すことが必須。「1時間もブレストしたが、10個しか出なかった」というのではあまりにも非効率・非生産的。たとえば8分ずつに時間を区切って、その8分ごとに最低10個は出すようにすれば、5セットもやれば、40分で50個のアイデアが出ることになります。数を出していくとだんだん苦しくなるのですが、「もうこれ以上出ない」という瞬間にユニークなアイデアが出ることもあります。(p146-147)

ブレストも、1人の発言時間を区切っていくことが大事です。普段から、限られた時間内に自分の考えをまとめるクセをつけておくと、すべての仕事にそのスキルが活かせます。(p147)

 

人間、時間的に追い詰められると火事場の馬鹿力を発揮するものです。
慣れるまでは、毎日追い詰められているようでしんどいかもしれませんが、慣れると仕事を効率的に行うことができます。

 

動線を変える

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限られた勤務時間の中で、いかに生産性をあげるか。これは働く人にとって、切っても切れない課題でしょう。

毎日、オフィスで何時間も過ごしているにもかかわらず、私たちは無意識のうちに、その一部しか使っていません。

出社すると自分の部署に直行。会議室や他部署に行く時もルートは決まっていて、一度も歩いたことのない道筋や廊下などがきっとあるはず。

 

家に帰宅する時も同じく、いつもと同じルート、道路を通って帰る――。それってもったいない。

自分の動線を意識的に変えれば、新しい発見やコミュニケーションが生まれるんだと、本書には書かれてあります。

たとえば、自席からコピーをとりに行くときに、最短距離のいつもの通路を通っていくのをやめて、あえて逆から遠回りしてみる。

昼食を取りに社員食堂へ行った帰りに、いつもとは違うフロアのリフレッシュコーナーで雑誌をめくってみる。違う部署で働いている同期入社の友人の席をたずねてみる。そんなことを続けていると、新鮮な発見があるかもしれません。(p191-192)

 

先輩社員に新入社員がよく言いますよね。

「もっといろんな人とコミュニケーションしたほうがいいよ」

人間は同じような行動をとっている限り、新しい世界が開けることはありません。無理矢理にでも動線を変えることで、自分の行動パターンを拡げてみるのは楽しいものですよ。

 

より働きやすい環境をつくるために

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いかがでしたか?今回ご紹介したのは「個人」が「自分一人で」「今すぐに」できることばかりです。

もし気に入っていただけたなら、ぜひ今日から試してみてくださいね。

 今回ご紹介した書籍

コクヨ式 机まわりの「整え方」
齋藤敦子(著)、KADOKAWA