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「国宝」がアツい! 国宝についてわかるおすすめ本


みなさんは、「国宝」と聞くと何を思いうかべますか?

「国宝」とは、その名のとおり「国の宝」。日本の重要文化財の中でも、特に歴史的・美術的価値が認められたものを指します。

 

文化財を保護するという意識が高まり、日本で実際に法律が作られたのは1897年。その時初めて「国宝」という言葉が使われました。120年前に産声を上げて指定されてきた国宝は1,108件にのぼります。(2017年現在)

 

今回は、そんな国宝についての関連本をご紹介します。

国宝について詳しくなくても読めるので、この機会に、世界に誇る日本の国宝に触れてみてはいかがでしょうか。

 

「国宝」はどんなものがあるの?

そもそも、国宝にはどんなものが指定されているのでしょうか?

 

有名どころだと、奈良の大仏(東大寺の銅造盧舎那仏坐像)や、鎌倉大仏(阿弥陀如来坐像)、ファンの多い阿修羅像(八部衆)などが国宝指定されています。その他、天守が国宝指定されている「国宝5城」と呼ばれる松江城、姫路城、松本城、彦根城、犬山城などが有名です。

2017年の時点で1,108件の国宝があるので、ほかにもどんな国宝があるのか気になりますね。

 

毎年、新しい国宝が生まれています。国宝のニューフェイスの発表を楽しみにしている文化財ファンも多いようですよ!

ご紹介する本は、「これも国宝だったのか!」という新しい発見があったり、いろいろな視点から国宝を学べる面白い本です。ぜひご覧になってみてくださいね。

 

 

『国宝(とんぼの本)』

『国宝(とんぼの本)』表紙

国宝(とんぼの本)
芸術新潮編集部(編)、新潮社

“国宝大百科”というサブタイトルがつく、まさに「国宝」の魅力がいっぱいに詰まった本書。写真も豊富ですし、ほぼオールカラーなので眺めているだけでも楽しめそうです。

 

県別・所在地別に国宝がリスト化されており、国宝のある地域の紀行文も載っているので、旅行に行く前に旅先の国宝情報を調べるのにぴったり。案外身近に国宝指定されている建造物や宝物があるかもしれません。

 

意外と知られていないのが、国宝は個人所有のものもあり、その管理にとても費用や手間がかかるということ。国で管理することですら大変なのに、個人所有の場合は相続などもあるので、国宝を次世代に受け継いでいくのは人々の努力の賜物でもあるのです。

 

焼失や盗難の被害にあって現在では見られない貴重な国宝もあるので、一見の価値がありますよ。

 

 

『知れば知るほど面白い日本の国宝』

『知れば知るほど面白い日本の国宝』表紙

知れば知るほど面白い日本の国宝
「国宝探究」倶楽部(著)、三笠書房

タイトル通り、国宝は知れば知るほど面白く、作られた時代背景や人々の様子が垣間みえてきます。

教科書で習った国宝は“わびさび”などの堅苦しいイメージだった方もいらっしゃるかもしれません。本書では、国宝をユーモアある独自の切り口のテーマでその魅力を紹介しています。

 

美術工芸品だけでなく建造物も写真とともに掲載されており、読み進めていても飽きのこない構成です。その時代の歴史や宗教観などから、どういった経緯で作られたのか、その国宝の背景にある物語など……専門用語の解説もあるので国宝初心者でもきっと楽しめるはずです。

「どの辺が国宝と言われているのかわからない」という方でも大丈夫、鑑賞ポイントも合わせて説明されています。

 

肩肘張らずに読むことができ、文庫サイズなので旅のお供にも最適です。

 

 

『へんてこ!すごいぞ!日本の宝もの こども国宝びっくりずかん』

 『へんてこ!すごいぞ!日本の宝もの こども国宝びっくりずかん』表紙

こども国宝びっくりずかん へんてこ!すごいぞ!
日本の宝もの ワンダーライフスペシャル

アートテラーとに~(著)、小学館

飛び交う専門用語、普段使わないような難しい漢字のオンパレード……。日本の国宝に興味があっても予備知識がないと、専門書籍を手に取ることはなかなか敷居が高いかもしれません。

本書は、縄文時代からの国宝についてでもわかりやすく、かつ楽しみながら学べるようになっていて、児童書とはいえ有名どころはしっかり抑えています。

国宝一つ一つがキャラクター化されていたり、扱いづらそうな国宝も見事に子供目線で紹介。しかし、やはり国宝を知る上では多少の知識が必要なので、巻頭には“基本のトリセツ”が用意されています。

 

3大付録の一つには、時空を超えて国宝を体験することのできる鳥獣戯画と金印のスタンプがついており、大人でもちょっと欲しくなってしまう……。子供向けと思いきや、大人の方がはまってしまいそうな楽しい本です。

 

 

『日本の国宝、最初はこんな色だった』

『日本の国宝、最初はこんな色だった』表紙

日本の国宝、最初はこんな色だった
小林泰三(著)、光文社

著者は、デジタル復元師として活躍する小林泰三さん。パソコン上で色彩復元を行い、当時の鮮やかさを取り戻した国宝たちの写真がふんだんに掲載されています。極彩色豊かな国宝たちは、まさにタイムスリップしてきたかのよう。

 

学術的な根拠に基づいて色彩復元は行われているので、何百年も前から人々は色を楽しみ、芸術を謳歌してきたのだと教えられました。

日本人は“わびさび”と言われる質素で静かなものだけでなく、“COOL JAPAN”と表現されるカラフルでポップな色彩も取り入れていたのです。

 

小林泰三さんの復元した国宝は、今までガラス越しに色あせた国宝を見て「日本の芸術は理解するのが難しそう」と感じていたのが嘘の様にカッコイイ、カワイイと思えるでしょう。その時代に沿ったきらびやかな人々の生活をぜひ感じてください。

 

『知識ゼロからの国宝入門』

『知識ゼロからの国宝入門』表紙

知識ゼロからの国宝入門
小和田哲男(著)、 幻冬舎

まさに知識ゼロから国宝を知りたい、という方の入門書といっても過言ではありません。

 

どうやって選ばれ、どういう経緯で「国宝」と指定されるのか。歴史上、誰が一番国宝をのこしているのか。国宝が一番多い都道府県とは――。

時代別に国宝が紹介されており、その国宝のどの辺りがスゴいのか、わかりやすい解説や裏話とともに読み進めることができます。

 

例えば、藤原道長がのこした国宝「御堂関白記」。実は誤字脱字を修正した跡が残っていて、本人としては恥ずかしいかもしれませんが、藤原道長を考察する上で貴重な資料となっています。

そういった人間臭さの残った国宝を知れば、グッと身近に感じられますよね。その時代や作者を反映している国宝は、歴史を知る上で欠かせない存在なのです。

 

国宝に疎くても日本史の苦手な方でも、豊富なカラー写真を見ながら楽しく国宝が学べるでしょう。

 

 

悠久の時を経て現存する「国宝」

「国宝」と指定されるには、共有性や普遍性、万人から認められるだけの価値が必要です。

国宝をあまり知らなくても今回ご紹介した書籍を開けば、きっとその魅力に気づくはず。観光や美術館・博物館巡りの強い味方としてもお使いいただけますので、旅行の前にぜひ一読してみてくださいね。

【おすすめ記事】衝撃!?『日本から城が消える』

 

■ご紹介した「国宝」の本

国宝(とんぼの本)
芸術新潮編集部(編)、新潮社

知れば知るほど面白い日本の国宝
「国宝探究」倶楽部(著)、三笠書房

こども国宝びっくりずかん へんてこ!すごいぞ!日本の宝もの ワンダーライフスペシャル
アートテラーとに~(著)、小学館

日本の国宝、最初はこんな色だった
小林泰三(著)、光文社

知識ゼロからの国宝入門
小和田哲男(著)、 幻冬舎