こ……これはインパクトありすぎ!! 【衝撃的なタイトルの本】
更新日:2019/10/4
ギョッとして二度見しそうなタイトルの本ってありますよね。本屋さんにこんなタイトルの本を置いて大丈夫なのか、心配にすらなってしまいます。でも、ちょっと覗いてみたい……。
そんなインパクト抜群な一風変わったタイトルでも意外と真面目な内容だったり、タイトルだけで想像力を掻き立てられて、ワクワクさせてくれたりもします。
ここでは、思わず手にとってしまう「衝撃的なタイトルの本」をご紹介します。
“ハゲ”に真剣に向き合う
『ぼくらはみんなハゲている』
『ぼくらはみんなハゲている-マイ・ライフ・アズ・ア・ハゲー』
藤田慎一(著)、太田出版
様々な“ハゲ”を調査、取材するルポルタージュ本。
真剣に悩んでいる人にとっては「なんだこのタイトルは!」と思うでしょうが、著者の藤田真一氏もどうやらハゲているようです。
最先端の育毛技術を試したり毛髪に関する産業について調べていたり、決して“ハゲ”をからかってタイトルにしているわけではありません。
モテるハゲ、カツラをかぶるハゲなど、ハゲゆく人々の心の内を聞き出し、誰もがタブーにしたがる“ハゲ”に真剣に向き合っています。
直面するコンプレックスを隠す必要はない、ありのままの自分を受け入れることに気づかせてくれる作品です。
セクシー路線の本!?
『「おっぱい」は好きなだけ吸うがいい』
『「おっぱい」は好きなだけ吸うがいい』
加島祥造(著)、集英社
一般の書籍コーナーに「おっぱい」の文字があるだけで、なぜかいたたまれないような気持ちになりませんか? しかも、それを好きなだけ吸えと。
もう、どうやってレジに持っていけば良いんですか。
なーんて思うかもしれませんが、本書に出てくる「おっぱい」は赤ちゃんのための「おっぱい」。なんと、中国の哲学者である老子の思想について書かれた本なのです。
「おっぱい」を好きなだけ吸うがいいというのは老子思想のある一節を意訳したもので、「おっぱい」を好きなだけ吸っていた赤ちゃんの頃を「初めの自分」と表現されています。
「あるがままに暮らすべき」という老子の根幹的思想が語られており、当然ですがセクシー要素は皆無な作品でした。
子供ウケしそう。
『いいにおいのおならをうるおとこ』
『いいにおいのおならをうるおとこ』
ジル・ビズエルヌ(著)、ロクリン社
これまた衝撃のタイトルです。
こちらは中国の民話を元にしたフランス発の絵本。大人の思いとは裏腹に、子供たちのハートはきっとガッツリ掴んでくれるでしょう……。
欲張りな兄と、正直な弟が登場する、昔話にはありがちな設定なのに……。「おなら」を売るという発想はどこからきたのでしょうか。
いい匂いのするおならを売って大金を得ていた弟。そんな弟を見て、兄も真似てみるのですが――?
素朴で可愛らしい挿絵が余計におかしさを助長させ、子供だけでなく大人もハマるはず。タイトル以上にインパクトのある絵本です。
思春期の子供とガチトーク
『お父さんがキモい理由を説明するね』
『お父さんがキモい理由を説明するね-父と娘がガチでトークしました-』
中山順司(著)、泰文堂
世の中のお父さんが号泣してしまいそうなタイトルです。
自分がキモい理由を娘さんから聞き出し、話し合った中山順司氏はかなり心の強い方だとお見受けしました。
3ヶ月にもわたってそのガチトークは繰り広げられますが、途中で奥様が乱入、さらにお祖父様も巻き込んで、割と大変なことになっています。
あの手この手で娘と話し合い、接点を深めようとするお父さん。
死生観や恋愛(奥様によるまともな彼氏のつくり方講座)など、思春期の子供と真面目に語り合うって、とても画期的ですよね。
オカルト誌発の英会話本
『ムー公式 実践・超日常英会話』
『ムー公式 実践・超日常英会話』
宇佐和通(著)、学研
英会話や英語教育などの実用書はたくさんありますが、まさかオカルト・ミステリー情報誌である「月刊ムー」公式の英会話本が出ているとは思いませんでした。
もし、海外旅行先のホテルで心霊現象が起きてしまったら? 友人が異星人に連れ去られてしまったら?
とっさの出来事に対処する為にも、普段あまり使わないような英単語や表現方法は知る必要があるでしょう。
日常生活において、いつ超常現象がわたしたちの身に起こるかは誰もわかりません。
備えあれば憂いなし。一家に1冊、ムー民もそうでない方も、その時のためにしっかり学んでおきましょう。
実話をもとにした作品
『夫のちんぽが入らない』
『夫のちんぽが入らない』
こだま(著)、扶桑社
これは果たしてギャグなのか? それとも大真面目な話なのか? と考えるほどインパクトのあるタイトル『夫のちんぽが入らない』。
本作は、著者であるこだま氏の実話がもとになっており、愛し合いながらも身体の繋がりを持てない夫婦の半生が、ドライかつユーモラスにつづられています。
交際から20年経っても、「夫のちんぽが入らない」。そんな2人に待ち受けるさまざまな悲劇とは……。
「普通」とは一体なんなのか? 読み手を選ぶ作品ではありますが、「普通」に対して悩み葛藤したことのある方であれば、きっと胸に刺さるはずです。
【関連記事】話題作『夫のちんぽが入らない』とは? あらすじや魅力をご紹介
死にたいのに、なぜ生きた?
『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』
『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』
頭木弘樹(著)、春秋社
いつも死にたがっていた男の生き方 (帯)
もし自分が誰かに、「なぜ自殺しなかったの?」なんて言われたら、悲しくなっちゃいます……。
そんなタイトルの本作は、『変身』『審判』などの作者として知られるフランツ・カフカについて語られた一冊。
なんと生前のカフカは常に絶望し、いつも死にたいと考えている人物だったそうです。
しかし、いつも死にたいと思いながらも、自殺はもちろん自殺未遂も起こさなかったカフカ。その理由はなんだったのでしょうか。
彼が遺した日記や手紙を手掛かりに、文学紹介者の頭木氏がカフカの「自殺しなかった理由」を考察していきます。
母親が突然豹変した理由とは……。
『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』
『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』
原田剛(作)、筒井則行(絵)、インプレス
お母さんが鬼のよう……は、まだ分かる。でも、なんでナスビ?
そんなタイトルはもちろん、表紙のイラストも印象的な本作。ホラーさながらの怖さすら感じられます。
この作品は、徳島県で会社を経営している男性が子供だった頃に実際に経験したお話をもとに描かれている児童書です。
ナスビ農家を営む両親のもとに生まれた「ボク」が10歳のときに、優しかったお母さんが豹変。鬼のような形相で、ナスビを市場で売ってくるよう「ボク」に命じるようになります。
お母さんが豹変した理由、どうして「ボク」にナスビを売りに行かせたのか……。
その理由を知ったとき、涙が止まらなくなります。
『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』
『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』
日野瑛太郎(著)、東洋経済新報社
「仕事はやりがいよりお金」と、堂々と言えない日本人はやっぱり変なのか……?
日野瑛太郎氏の大人気ブログ「社畜ブログ」を書籍化した本作。働き方に悩むすべての人に読んでほしい一冊です。こんな風に考えることもできるんだ、とわたしは驚きました。
だって、「やりがい」にはたしかに達成感があるけれど、お金は必ずしも発生しないじゃん! とにかく生きるためのお金をくれよ!
と、思うことは悪なのでしょうか。
なかなか仕事を「お金」だけと割り切ることは難しいですが、一度自分の仕事についてじっくり考えてみることも良いと思います。
『カモメに飛ぶことを教えた猫』
『カモメに飛ぶことを教えた猫』
ルイス・セプルベダ(著)、河野万里子(訳)、白水社
ヨーロッパで大ベストセラーを記録した海外小説『カモメに飛ぶことを教えた猫』。あの劇団四季でも演じられている名作です。
空から落ちてきたカモメのケンガーに、産み落とした卵を託された黒猫ゾルバ。ケンガーはゾルバに対して、3つの誓いを立てるのでした。
飛べないはずの猫が、飛べるはずのカモメに「飛び方」を教える……!? と驚くかもしれませんが、本作は、愛と勇気に満ちた感動の物語です。
高い壁に勇気を持って挑戦することの大切さや、自分とは違うものに対して愛を持って接することの素晴らしさを教えてくれます。
タイトルだけでも面白い!
衝撃的なタイトルの本は、良い意味で期待を裏切ってくれて、読む前から楽しみを作ってくれます。
本のタイトルとは、著者の思いがたくさん詰まった大切なもので作品の顔といっても過言ではありません。
「おっ」と目を引く衝撃的なタイトルの本を見つけたら、ぜひ躊躇せずにページを開いてみてください。