1冊で戦略エッセンスを学べ!『古代から現代まで2時間で学ぶ 戦略の教室』
『古代から現代まで2時間で学ぶ 戦略の教室』
鈴木博毅(著)、ダイヤモンド社
1冊で3000年の戦略エッセンスが一気にわかる!目標達成、マネジメント、組織づくりに役立つ、古今東西戦略論ガイド
軍事戦略から経営戦略まで、歴史から厳選する勝利の法則
『孫子』『君主論』『戦争論』『戦略論』『トヨタ生産方式』『ランチェスターの法則』『競争戦略』『ブルー・オーシャン戦略』『マーケティング・マネジメント』
プラットフォーム戦略、アダプティブ戦略…他 (帯)
私がこの本を手に取ったのは、「1冊で」「戦略エッセンスが一気にわかる」という言葉に惹かれたからです。
本書は古今東西の主要戦略のポイントを抜き出し、分類・整理している本です。
人類3000年の歴史には、膨大な数の戦略が眠っています。それらを一冊ずつ読むには途方もない時間がかかることでしょう。ぜひ本書で、ビジネスシーンに役立つ戦略を効率よく賢くサクッと学び、実際に使いこなしてみてくださいね。
また、世界の歴史も同時に学べます。一冊で二度美味しい本としてぜひオススメしたいと思います。
敵の意表をついて小が大に勝つ
孫武『孫子』
幾度となく「よし、戦略を勉強しよう!」と意気込み、何十冊と戦略にまつわる古典を購入してきた私。ですが、恥ずかしながら、その難しさとボリュームのあまり、挫折した経験は数知れず……。実際、本書で取り扱っている古典のうち、何冊かは積読として何年も置いたままになっていました。
社会人ならば知っておきたい名著を読んでいない、というのは、自分の中の負い目でもありました。
そんな私にとって、本書はまさしく救いの一冊。難しそうに見える古典たちが、簡潔にわかりやすくまとめられているのです。
あの分厚い『孫子』だって本書を読めば充分にエッセンスを学べます。たとえば、こんな風に。
孫子の戦略、二つの重要ポイントとは何か?
①張り合うことで敵が疲弊するポイントを攻める
②相手の強みとは違う場所で勝負する(p20)
そして、その戦略が現在どのように活かされているかという具体例もたっぷり書かれているので、イメージがしやすく、頭に残りやすいのです。
近年、飲食業界で大きな話題の人気店「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」は、孫子の戦略と重なるビジネスの典型例です。
中古書籍販売のブックオフ創業者、坂本孝氏によるこのレストランは、他の飲食店がマネしたくてもできない、張り合えば必ず疲弊するモデルとなっています。(p21)
また、単に成功企業を並べているだけでなく、「なぜこのようなスタイルが可能なのか?」など、さまざまな観点から成功事例を分析しているのも大変勉強になります。社会人であれば、きっといい刺激をもらえるはずですよ。
自己コントロールで本来の実力を最大限に発揮する
トム・ピーターズ「エクセレントな仕事人になれ!」
これまで知らなかった古典を読みたくなるきっかけ作り、という点でも本書は優れています。興味を惹きつけ、知的好奇心をくすぐる構成になっているのです。
ほとんどの人は、自分の取り組む仕事量や能率を、自ら(低く)制限しているのです。
人は注目され周囲や上司に気をかけられると、自ら無意識に制限していた労働量を解放します。期待に応えて本来の実力を発揮し始めることができるのです。
これらの効果は、工場の名前を取って「ホーソン効果」と呼ばれています。(p146)
「ホーソン効果」という言葉は耳にしたことがあるものの、特段興味がなく、深く知ろうとしなかった私でしたが、本書を読んで大変興味が湧きました。
なぜなら、「ホーソン効果」を自分自身で生み出しコントロールする方法まで、余すところなく書かれているからです。
社会人になると、なかなか褒められる機会は少ないですよね。もし自分で「ホーソン効果」をコントロールできたなら、仕事をする上でプラスになるのは間違いありません。
戦略というのは、経営戦略のような「経営者」だけのものではありません。「ホーソン効果」のように、誰でも使える心理戦略など、身近なものなのです。
私自身、本書で学んだ戦略を、仕事や家庭内で早速活かしています。
古代から現代まで2時間で学べる一冊
いかがでしたでしょうか?私のように、古典を挫折した経験をお持ちの方にはぜひとも読んでいただきたい一冊です。ぜひお手にとってみてくださいね。
今回ご紹介した書籍
『古代から現代まで2時間で学ぶ 戦略の教室』
鈴木博毅(著)、ダイヤモンド社
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