必ず読んでおきたい! ビジネス書の名著10選
企業や組織に所属し社会人としての人生が始まると、誰しもが様々な壁にぶち当たり、ひとつひとつそれを乗り越えながら人間として成長していきます。
その過程において、道標やきっかけ、あるいは武器として自分の背中を支え、押してくれる存在の1つとなるのがビジネス書ではないでしょうか。
そんなビジネス書のなかでも、今まで多くの人に読み継がれているものをご紹介します。
「人を動かす」にはどうしたらいいか?
『人を動かす』
デール・カーネギー(著)、創元社
80年前に出版された自己啓発書の原点ともいわれ、世界で1500万部を売り上げたという超ロングセラーです。
タイトルから想像されるとおり、平たく言ってしまうとコミュニケーションスキルのハウツー本。
ですが、著名な人物から市井の人に至る具体的なストーリーを持って語られます。それが人間の本質を突いていて洞察力に富んでいるところがロングセラーたる所以なのでしょう。
特に若いときに読んでおくべき名著です。
ちなみに、大富豪のカーネギーはアンドリュー・カーネギーで、本作の著者とは別人です。
「松下幸之助」という人物の人柄が滲み出た作品。
『道をひらく』
松下幸之助(著)、PHP研究所
言わずと知れた「経営の神様」のエッセイ集。ビジネス書のランキングで常に上位に入るロングセラーです。
短編のエッセイが見開きで完結しているので読みやすい上に、そのひとつひとつが人生や仕事に対する味わい深い教訓となっています。
礼儀、謙虚さ、勤勉の大切さなどの自分を戒めてくれる言葉によって、切り開き、立ち上がる力を与えてくれる、精神的なよりどころとなる本です。
ビジネスシーンはもちろん、日常生活でも活かせる!
『7つの習慣』(画像はCD付)
スティーブン・R・コヴィー(著)、キングベアー出版
1990年の出版当初から話題になり、その後も影響力を持つビジネス書、自己啓発書として取り上げられることの多いベストセラー作品です。
古典的な名著とは趣が異なり、論理的・体系的に成功するために重要な習慣とすべき7つの要素が論じられています。
昨今の自己啓発書の特徴である科学的・心理学的なアプローチで書かれたものの先駆けと言えるのではないでしょうか。じっくりと腰を据えて読みたい本の1つです。
17年間、日本での出版が認められなかった1冊
『ザ・ゴール』
エリヤフ・ゴールドラッド(著)、ダイヤモンド社
ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)のための合理的な思考プロセス、TOC(制約条件の理論)、全体最適の手法などを工場のプロセス改善をテーマとしており、552ページと長編小説なみのボリュームです。
しかし、ストーリー仕立てのため先に挙げた専門用語なども理解しやすくそれでいて読み応えがあります。
米国で1984年に出版されたものの「部分最適に長けた日本人に全体最適の手法を教えると貿易摩擦が再燃する」という理由で、著者が日本での出版を長らく認めなかったという逸話を持つビジネス書です。
製造業に限らず、ある程度自分の会社のことが分かってきた中堅社員にお勧めします。
旧日本軍の敗戦を分析
『失敗の本質』
戸部良一ほか(著)、ダイヤモンド社
旧日本軍の敗戦を組織論の観点から分析することで、日本型組織、日本的な集団主義の悪い点を明らかにした本です。
情緒的に語られることの多い美点と言われる日本人の特性が、組織という枠のなかでマイナスに作用していく過程を腹落ちして実感できます。
大企業や官僚組織にお勤めの方はきっと頷ける点が多くあるでしょう。
また、大戦を経ての現在の日本と世界との関わり方を再認識する上でも示唆に富む内容だと思います。リーダーシップが求められるポジションの方には必読のビジネス書です。
「人生哲学」をあますところなく語りつくす!
『生き方』
稲盛和夫(著)、サンマーク出版
京セラ、KDDIの創業者である現代のカリスマ経営者、稲盛和夫氏の人生哲学書。
「生き方」というタイトルどおり個人の倫理・道徳観から企業や国家、文明論・宇宙論に至る、人の生きる意義が稲盛氏の言葉で語られています。
ビジネスマンだけでなくすべての年代にわたって勧められることの多い自己啓発書ではないでしょうか。偉大な人物の言葉には重みがあり、「明日も頑張って会社に行こう!」という気持ちにさせてくれる本です。
戦略参謀の重要性と、戦略的なアプローチの方法とは
『企業参謀』
大前研一(著)、講談社
経営コンサルタントとして有名であり、多くの著作を持つ大前研一氏。
著者が30代でマッキンゼーに転職後数年の間に書かれた初期の著作で初版は1975年。にもかかわらず、著者のなかで今でも評価が高い1冊になっています。
というのも発売当時、あまり馴染みのなかった外資系コンサルファームの戦略的思考や問題解決のための手法は新鮮だったと言われています。貪るように読んだ方もいるのではないでしょうか?
40年の時を経て未だ色あせないのは、ロジックのキレの鮮やかさが読者の知的好奇心を満たしてくれるからだと思います。コンサル系やMBA系のビジネス書が好きな方には1度読んでおいて頂きたい作品です。
思考が生み出す「引き寄せの法則」の重要性
『ザ・シークレット』
ロンダ・バーン(著)、角川書店
「引き寄せの法則」については数多くの書籍がありますが、なかでもベストセラーとなっている1冊がこちらです。
思考が人間の行動を左右する割合はかなり大きく、否定的な思考は自分に悪影響を与えるものです。マイナス思考・ネガティブ思考が進むと、他人を傷つけてしまうこともあります。
優れたビジネスマンは自分のメンタル管理もしっかり行っています。ポジティブな気持ちがどれだけプラスをもたらすか、前向きに力強く生活を送るにはどうすれば良いのか知りたい方はチェックしてみてください。
明快な論理構成で文章を書くためのノウハウとは
『考える技術・書く技術』
バーバラ・ミント(著)、ダイヤモンド社
ビジネスマンにとって、メールはもちろんのこと、報告書・企画書を作成する上でも文章力は大切です。しかし、多くの人は分かりやすい文章が書けず苦労しています。
著者は世界の大企業を相手にライティングのコースを教えているコンサルタントです。伝わりやすい論理構成を組むにはどうすれば良いか、具体的なノウハウを教えてくれます。
ビジネスライティングはもちろんのこと、普段のコミュニケーションにも生かせる一冊です。
マネジメント論の本質をしっかり学べる1冊
『マネジメント』
ピーター・F・ドラッカー(著)、ダイヤモンド社
数々のベストセラーを出したドラッカーによる、マネジメント論を体系化した書籍です。抽象的で難しいと思われることも多いマネジメント論ですが、ドラッカーは分かりやすい言葉で端的に論じています。
対象となる読者は経営者だけではありません。チームで成果を出すには、リーダーのあるべき姿とは、メンバーのモチベーションを上げるにはなど、経営層ではない立場の人でも『マネジメント』から学べる内容は数多くあります。
表面上のテクニックではなく、経営の中核と言えるエッセンスを学ぶことができる1冊です。
企業戦士の包帯でもあり、栄養ドリンクでもあるビジネス書
誰しもが頑張って、苦労して、時には傷つきながら社会人、企業人として戦っています。そして誰しもが、もがきながら縋った思い入れのある一冊があるのではないでしょうか。
新しい知識や考え方、気づきを与えてくれるビジネス書。自分をまた新たに一歩進めてくれる、知らなかった一冊を是非手にとってみてください。
今回ご紹介した書籍
■『人を動かす』
デール・カーネギー(著)、創元社
■『道をひらく』
松下幸之助(著)、PHP研究所
■『7つの習慣』
スティーブン・R・コヴィー(著)、キングベアー出版
■『ザ・ゴール』
エリヤフ・ゴールドラッド(著)、ダイヤモンド社
■『失敗の本質』
戸部良一ほか(著)、ダイヤモンド社
■『生き方』
稲盛和夫(著)、サンマーク出版
■『企業参謀』
大前研一(著)、講談社
■『ザ・シークレット』
ロンダ・ハーン(著)、角川書店
■『考える技術・書く技術』
バーバラ・ミント(著)、ダイヤモンド社
■『マネジメント』
ピーター・F・ドラッカー(著)、ダイヤモンド社
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