もう一度読みたい児童文学『星の王子さま』
『星の王子さま』というタイトルを、聞いたことがある人は多いと思います。では、その詳しいストーリーを言える人はどれくらいいるでしょうか。
子供の頃に読んだことがある方も、大人になってから読むと、また違った発見があるかもしれませんよ。
ここでは、『星の王子さま』について迫っていきます。
『星の王子さま』のお話って?
『星の王子さま』
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(著)、岩波書店
主人公の飛行士「ボク」は、サハラ砂漠に不時着し、王子さまと出会います。
王子さまは、家の大きさほどしかない星からやってきました。王子さまの星では、バオバブの木が星を壊さないように小さな芽のうちから摘まなくてはいけません。
また、後々にその星を旅立つきっかけとなる1本のバラが咲いていました。
王子さまは、そのバラに愛想をつかし、ほかの星への冒険を始めます。6つの星をめぐり、7つ目に到着したのが地球でした。
王子さまは、さまざまな星を見て、様々な人に出会い、やがてキツネに出会います。
キツネが王子さまに教えてくれたこととは。そして、王子さまが「ボク」に教えてくれたこととは……?
著者 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリについて
『星の王子さま』は、1943年にアメリカ・ニューヨークで出版されました。
著者はフランス人のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。彼は作家だけではなく、操縦士でもあり、欧州から南米間の飛行航路開拓にも携わっていました。
海軍兵学校を受験するものの受からず、航空隊に入隊します。
1929年に『南方郵便局』を出版。その後は、フェミナ賞を受賞した『夜間飛行』、アカデミー・フランセーズ賞を受賞した『人間の土地』などを発表しています。
しかし彼は、ドイツ軍を偵察中に撃墜されて亡くなりました。
『星の王子さま』の魅力
この本の醍醐味は、途中途中に起こる出来事です。
途中で出てくる王子さまが地球に来る前に立ち寄る6つの星には、それぞれ意味があります。
うぬぼれ屋や酔っ払いなど変な大人がいる星は、大人が持つエゴイズムを描いています。そこには、著者からのメッセージが託されているんです。
王子さまと出会い、飛行士の「ボク」は社会の中での地位や名誉などのうわべだけではなく、人間はどう生きるべきかを考えるようになります。
飛行士と同じように、大人になってから何度も読むことにより、新たな発見に気がつくことがあることでしょう。
大人になっても味わい深い『星の王子さま』
『星の王子さま』は、初版から多くの国で書籍化されて、200カ国以上で販売され総販売部数は、1億5000万部を超えています。
一見、子供向けの絵本と思われるかもしれません。
しかし、著者が冒頭に「そのおとなの人は、むかし、いちどは子どもだったのだから、わたしは、その子どもに、この本をささげたいと思う。」と書いてあるように、大人も楽しめる内容です。
大人になってから読み返すと、また違った印象になりますよ。自分が過去に経験したこと、今置かれている状況に教訓となることが見つかるかもしれません。
もう一度読んでみてはいかがでしょうか?
「大切なものは目に見えない」という言葉が胸にしみます。
「星の王子さま」は、映画化やアニメ化もされるほど世界中で愛されている作品です。初めての読む人はもちろん、読んだことがある人も人生で大切なものが何か分からなくなったときは、もう一度手に取り読んでみてはいかがでしょうか。
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