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登山初心者におすすめの本・コミックエッセイ


更新日:2019/9/26

登山初心者におすすめの本・コミックエッセイ

健康志向の高まりや山ガールブームの影響で、現在大人気の登山。山は身近な非日常空間であり、美しい景色や登頂後の達成感が多くの人を惹きつけます。
その魅力を知らずにいるなら、それはもったいないことです!

ここでは、読んだら登山したくなる本をご紹介します。

世界的に名高い山を登頂した登山家の本から、登山初心者が参考にできる本までさまざま。
これらの本を読んで登山を始めませんか?

 

山にまつわる34の実話
『新編 山小屋主人の炉端話』

『新編 山小屋主人の炉端話』表紙

新編 山小屋主人の炉端話
工藤隆雄(著)、山と溪谷社

人々が暮らす街から隔離された特別な場所で暮らす、山小屋の主人から著者が聞いた34編の実話をまとめた一冊。

2001年に東京新聞出版局から出版された前作をもとに、割愛や原稿の追加などの再編集を施してより魅力的な本になりました。

多くの登山客と触れ合ってきた山小屋の主人ならではの笑いあり、涙ありの実話がこの本最大の魅力です。心温まるエピソードも多く、短編集としても楽しめます。

各エピソードがどの山小屋のどんな主人から聞いた話なのかが紹介されているのも、この本のポイント。
読み終わったあとは山小屋で実際に主人と交流したり、普段はテント泊でも次は山小屋に泊まりたくなったりしてきますよ。

 

一体なぜ、登山をするのか
『登山の哲学』

『登山の哲学 標高8000メートルを生き抜く』表紙

登山の哲学 標高8000メートルを生き抜く
竹内洋岳(著)、NHK出版

著者の竹内洋岳さんは、地球上に14ある標高8,000m以上の山「8000メートル峰」すべてに登頂した唯一の日本人。
8,000m峰制覇から1年足らずで出版されたこの本は、普段登山をしない方にもおすすめです。

病弱だった竹内少年が青年になり、8,000m峰を制覇するまでの道のりを辿ります。竹内流の哲学や思考を読み解けますよ。

仲間を失ったり自身も重傷を負ったりしても歩みを止めない竹内さんの姿から、登山に限らず人生で大切なことを学べる本です。

死の淵をさまよってもなお8000メートル峰への挑戦を続けた竹内さん。その姿に、「そこまでさせる山にはどんな魅力があるんだろう?」と興味を抱かずにはいられません。

 

初心者、山登りにハマる
『山登りはじめました』

『山登りはじめました』表紙

山登りはじめました
鈴木ともこ(著)、メディアファクトリー

それまで一度も登山をしたことがなかった著者が、登山にハマり、ついには富士山まで登頂してしまうまでを描いたコミックエッセイ。

登りやすいことでも有名な高尾山で、著者は山登り歴15年の60代女性に出会います。
そしてその女性が語る「尾瀬の星空」が心に残った著者は、その後も次々と色々な山に登るようになるのです。

この本で紹介されているのは、高尾山、木曽駒ヶ岳、立山、尾瀬・至仏山、鎌倉アルプス、富士山、丹沢・塔ノ岳の7つ。初心者向けの山から始まって、徐々に経験を積んでいく様子が描かれます。

親しみやすい絵柄で、登山の大変さや失敗談、頂上へたどり着いたときの喜びが率直に表現されていて、「山に登るって、こういう感じなんだ!」と感じさせてくれますよ。

山登りの細かいテクニックが解説されているわけではありませんが、「山登りってどうかな?」という雰囲気を知りたい方にはおすすめです。

 

日帰り登山の楽しみ方
『あした、山へ行こう!』

『あした、山へ行こう!』表紙

あした、山へ行こう!
鈴木みき(著)、講談社

山登りに関するコミックを多数出版されているイラストレーター、鈴木みきさんによる「日帰り登山」の楽しみを伝えるコミックエッセイです。

山小屋で働いていたこともあるというくらい登山経験の豊富な著者。の本は、特に初心者の女性に向けて、コースタイム4時間以内の山に日帰りで登ることをコンセプトにしています。

山道具屋さんでのシューズやウェア、ザック選びから、登る山を選ぶときのポイント、事前のコースの下調べや、登山時の持ち物などが詳しく解説されています。

「登山ってちょっとハードル高い…」と思っている方も、「こういう登り方もあるんだ!」と目からウロコが落ちるのではないでしょうか。
女性向けと銘打ってはありますが、女性だけでなく男性が読んでも参考になることでしょう。

 

山登りの基本を学ぼう
『今日からはじめる山歩き』

『今日からはじめる山歩き』表紙

今日からはじめる山歩き
JTBパブリッシング

「山に登ってみたい!」という気持ちが高まっている方、「すでに山に登る予定がある」という初心者の方は、山登りの基本が学べるガイドブックを読んでおくことをおすすめします。

こちらの「今日からはじめる山歩き」は、初心者に向けた山登りのテクニックがひと通り網羅されており、最初の1冊としてとてもわかりやすい本になっています。

登山前の計画の立て方、装備の選び方など事前準備についての解説はもちろん、登山前の準備運動、岩場や滑りやすい場所での歩き方、ピンチに陥ったときの対処法まで豊富な写真つきで詳しく説明されています。

また、この本では一章分を割いて「子ども連れ山歩き」の際のポイントが解説されています。
夏休みなどは家族そろって山に登りたい、子供に大自然を満喫させてあげたい、と思う親御さんは多いかと思いのではないでしょうか。
大人と子供では体力にも経験にも差があります。安全に山を歩く技術や、子どもが退屈しないようにするコツをしっかりと学んでおきたいものですね。

 

登山の永遠の課題!
『バックパッキング登山入門』

『バックパッキング登山入門 自由に山を旅する61の流儀』表紙

バックパッキング登山入門 自由に山を旅する61の流儀
四角大輔(著)、枻出版社

登山において、荷物の軽量化は永遠の課題。軽量化と安全性のバランスに頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、この本です。

この本では、著者の四角大輔さんが30年かけて習得した独自のパッキング術や、荷物の軽量化メソッドを余すことなく公開しています。

登山経験者はもちろん、アウトドア初心者にもわかりやすく書かれているのがこの本のポイント。自身の経験をもとに登山用品の選び方のポイントを共有しているので、初心者でも装備選びに失敗しません。

この本を読み終わったら、新しい登山用品を買いに行きたくなること間違いなし。
同時発売の『バックパッキング登山紀行 歩いてしか行けない世界へ』をあわせて読むのもおすすめです。

 

日帰り登山や山小屋泊に注目!
『トレッキング実践学 改訂版』

トレッキング実践学 改訂版
高橋庄太郎(著)、枻出版社

 2010年に出版された『トレッキング実践学』の改訂版として発売されたこの本。
前作はテント泊が中心でしたが、今回は日帰り登山や山小屋泊にも焦点を当て、より多くの人が参考にできる本になりました。

他にも、前作出版時から変化した、山中でのスマートフォンの活用方法や新しい山の常識にも対応しています。
最近登山を始めた方はもちろん、少し前に登山を始めて情報をアップデートできていない方にもおすすめです。時代に即したコンテンツの追加以外にも、前作に掲載されていた各章のコラムが刷新されています。

内容はタイトル通りトレッキングの実践を踏まえていて、読み終わったらすぐにトレッキングに出かけたくなる一冊です。

 

「日本百名山」を知る
『日本百名山』

『日本百名山』表紙

日本百名山
深田久弥(著)、新潮社

山のガイドブックコーナーなどを覗いていると、よく見かけるのが「日本百名山」。この言葉、聞いたことはあっても実際どのような山なのかよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。

山に興味が出てきたら、一度は読んでおきたいのが『日本百名山』です。

もともと、「日本百名山」は、登山家であり文筆家でもあった深田久弥さんが、日本各地の山を実際に踏破。標高が1,500m以上の山の中から、「山の品格」「山の歴史」「個性のある山」という3つの基準をもとに選定したものです。

そして選定された百名山それぞれの解説を記したのが『日本百名山』。
百名山それぞれについて、著者がその山に登った時のことや、山にまつわる歴史やいわれ、その山をうたった俳句や文学、景観の美しさなどが書かれています。

文筆家だけあり、詩的な表現で山の姿が描写され、ぜひこの風景をこの目で見たいと思わせてくれます。山好きの方なら必携の1冊です。

 

美しい雪山の風景
『雪山放浪記』

『雪山放浪記』
星野秀樹(著)、山と溪谷社

著者は、アウトドア雑誌で活躍している山岳フォトグラファーの星野秀樹さん。
星野さん自身が撮影した写真も多く掲載されていて、文章だけでなく写真からも山に登りたい気持ちを駆り立てられます。

この本は、長年の経験をもとに、星野さんの雪山に対する考え方や歩き方を凝縮させた放浪記。雪山の体験を綴っただけでなく、星野さんが歩いた雪山のコースガイドや使った装備も掲載されています。

放浪記の内容は、決して初心者が真似できるものではありません。しかし、登山初心者でも読み物として単純に楽しめます。

雪山を題材にした本ですが、読み終えるころには雪がない夏山にも登りたくなってきますよ。

 

前人未到の「日本百名山」横断旅行記
『グレートトラバース』

『グレートトラバース』表紙

グレートトラバース
田中陽希(著)、NHK出版

NHK BSプレミアムで放送されていた、日本百名山を踏破する番組「グレートトラバース」。その様子を綴るノンフィクション作品です。

「グレートトラバース」は、九州から出発し、日本百名山を登りながら北海道まで北上していく旅です。なんと公共交通機関を一切使わず、すべて徒歩で(海はシーカヤックで)移動すると言うから驚きです。

「グレートトラバース」に挑んだのは、プロのアドベンチャーレーサー、田中陽希さん。田中さん自らの手で、その旅の様子が克明に記されています。

テレビでは分からなかった、田中さん自身の想いや苦しみ、道中で遭遇したハプニング、旅先で出会う人々との交流のエピソードがふんだんに盛り込まれています。
テレビを見ていた方も、そうでない方も、ハラハラドキドキしながら、まるで自分自身が山を歩いているかのように読み進めることができることでしょう。

 

雄大な山の旅へ!

山に登りたいと思っても、なかなか勇気がでない。どうしたらいいか分からない、そんな方も多いのではないでしょうか。

でも、一度登るとハマってしまう人が多いのも登山です。大自然に囲まれて過ごす時間は、大変なことも多くはあるけれど、都会では絶対にすることのできない貴重な体験をもたらしてくれることでしょう。

少しでも山に興味が湧いてきた方、ぜひ今回ご紹介した本を読んで、楽しくて雄大な山の旅に出かけてみませんか?

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