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2021年大河ドラマの主人公!渋沢栄一のことが分かる本


更新日:2020/2/26

渋沢栄一のことが分かる本

2021年(第60作)のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一は、2024年度上期から一万円札の図柄にも選ばれている人物です。

幕末から大正初期にかけて活躍した渋沢は、日本のために奔走。91歳で生涯を終えましたが、その功績から「日本資本主義の父」と称されています。

教科書にも載る有名な人物ですが、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

ここでは、渋沢栄一のことが分かる本や、彼の著書をご紹介します。

 

『渋沢栄一 100の訓言 「日本資本主義の父」が教える黄金の知恵』

『渋沢栄一 100の訓言』表紙

渋沢栄一 100の訓言 「日本資本主義の父」が教える黄金の知恵
渋澤健(著)、日本経済新聞出版社

『渋沢栄一100の訓言』は、数ある渋沢栄一の教えの中でも特に有用なものをわかりやすくまとめた一冊。ちなみに著者の渋澤健さんは、渋沢栄一の玄孫(孫の孫)にあたる人物です。

右ページには渋沢の訓言とその現代語訳、左ページには解説文が記載されています。
通勤や通学などのスキマ時間にサクッと情報を得たいときは右ページだけを読み、ゆとりのある時は左ページの解説をじっくり読む、といった読み方ができるので大変便利です。

渋沢栄一の教えを学ぶための入門編としておすすめですよ。

 

『現代語訳 論語と算盤』

『現代語訳 論語と算盤』表紙

現代語訳 論語と算盤
渋沢栄一(著)、守屋淳(訳)、筑摩書房

渋沢が76歳のとき(1916年)に出版した最も有名な一冊『論語と算盤』の現代語訳版です。

儒教の開祖・孔子の言行をまとめた「論語」の教えに基づいて、渋沢を代表すると言っても過言ではない理念「道徳経済合一説」を打ち出しています。

労働、経営、人材育成についての考え方は、いずれも現代のビジネスシーンで通用するほど核心的。
原著が出版されたのは大正時代ですが、女性が教育を受けること・勉強することの大切さを説くなど、先進的な渋沢の思考が見て取れます。

読み進めていくと、100年以上前に出版されたとは思えない渋沢の現代的な感覚にきっと驚くはずです。

 

『漫画版 論語と算盤』

『漫画版 論語と算盤』表紙

漫画版 論語と算盤
近藤たかし(漫画)、渋沢栄一(原作)

この作品は、『論語と算盤』を原作にした、渋沢栄一の伝記的な漫画です。

83歳の渋沢が、自身の邸宅で孫たちと遊んでいるところから物語は始まります。
渋沢が寝室に戻ると、そこには前年に亡くなったはずの第3代、第9代首相・山縣有朋の霊がいました ……。山縣に孔子の「論語」を説きながら、渋沢は自身の人生を回顧していきます。

原作のエッセンスを織り交ぜながら、渋沢栄一がどんな人生を歩んできたのかを分かりやすく知ることができます。絵もきれいで読みやすく、あっという間に読めますよ。
文章を読むのが苦手な方にもおすすめです。

 

『渋沢栄一の経営教室 Sクラス』

『渋沢栄一の経営教室 Sクラス』表紙

渋沢栄一の経営教室 Sクラス
香取俊介、田中渉(著)、日本経済新聞出版社

『渋沢栄一の経営教室 Sクラス』は、新しい切り口で渋沢栄一について学べる小説です。

ある日、定時制高校に通う16歳の少年が八咫烏(やたがらす)になって幕末にタイムスリップしてしまいます。
青年時代の渋沢と出会い、直弟子として行動を共にすることにした少年。次第に渋沢の考えに共感するようになり、学びを深めていきます。

タイムスリップなどのファンタジー要素を含む作品ではありますが、史実に沿って物語が進んでいくので、当時の渋沢の金言を多く得ることができます。

幕末から現代にわたるストーリー展開は壮大です。少年から見た渋沢栄一は、どんな人物に描かれているのでしょうか?

 

『雨夜譚』

『雨夜譚』表紙

雨夜譚
渋沢栄一(著)、長幸男(校注)、岩波書店

『雨夜譚(あまよがたり)』は、渋沢栄一の自伝です。
農民から幕臣に取り立てられて将軍に仕えた後、新政府では大蔵省に入省。そんな渋沢の半生が自身の言葉で記されています。

作中で描かれるのは、彼が大蔵省から退くまでのこと。
古い言葉遣いで書かれているため、人によっては読みにくさを感じるかもしれません。しかし、理路整然とした文章なので、内容そのものは非常にわかりやすいです。

国の体制が大きく転換する激動の時代を振り返る文章は、単純に読み物としても楽しめます。渋沢栄一の人となりや半生を知りたい方におすすめです。

 

『富と幸せを生む知恵』

『富と幸せを生む知恵』表紙

富と幸せを生む知恵 ドラッカーも心酔した名実業家の信条「青淵百話」
渋沢栄一(著)、実業之日本社

渋沢栄一の著書『青淵百話(せいえんひゃくわ)』から、「幸せ」と「富」に関する内容を抜粋。その原文を平易な表現に書き改めたのが、『富と幸せを生む知恵』です。
ちなみに「青淵」とは、渋沢栄一の雅号を指します。

この作品では、人として幸せに生きるためには「高い精神性」と「深い人間性」を持つことが必要とされています。
そのための心の持ちようや人間関係のあり方を、具体的な教訓とともに紹介。内容は5章29節に分かれていて、どれもが現代に通じる内容です。

人間関係や仕事のことだけでなく、人生において必要なことについて考えさせられます。誰が読んでも得られるものがあるでしょう。

 

現代にも通じる渋沢栄一の教えを学ぼう

どの作品を読んでも、渋沢栄一の柔軟な思考やバランス感覚に優れた人物像が読み取れます。

オーストリア出身の経営学者で、「マネジメントの父」と称されるドラッカーにも影響を与えたとされる渋沢栄一。
現代の日本にある企業や教育機関の多くに実業家として携わった彼の教えは、これからも色褪せないではずです。

渋沢栄一のことを詳しく知りたい方は、今回ご紹介した作品をぜひ手に取ってみてください。

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ライター:アカネ