「ジーヴスシリーズ」とは?執事と主人のやりとりが魅力のコメディ小説を読もう!
更新日:2019/5/7
上皇后美智子さまが「夢中になってしまう読み物」として名前をあげられたことで、大きな話題となった小説「ジーヴスシリーズ」をご存知ですか?
イギリスではメジャーな小説として知られ、エリザベス女王も愛読されているそうです。
すぐトラブルに巻き込まれてしまう英国紳士・バーティーと、彼の有能な執事・ジーヴスが織りなすコメディ小説。2人のウィットに富んだやりとりが見所のひとつとなっています。
ここでは、そんな「ジーヴスシリーズ」の魅力や、見どころに迫ります。
「ジーヴスシリーズ」はどんなお話?
「ジーヴスシリーズ」より
『比類なきジーヴス』
P・G・ウッドハウス(著)、国書刊行会
作者はイギリス出身の小説家、ペルハム・グレンヴィル・ウッドハウス。イギリスの国民的な作家として知られ、数多くのユーモア小説を執筆しています。
この「ジーヴスシリーズ」、イギリスでは「シャーロックホームズシリーズ」と同じくらい有名な小説なんですよ。
何かと問題に見舞われるバーティーや、問題を持ち込んだ親戚や友人たちに、切れ者の執事ジーヴスが救いを差し伸べ、泥沼化する事態を収束させる……というストーリー。
ドタバタコメディやシニカルな笑いが好きな人なら、きっと楽しめることでしょう。
「ジーヴスシリーズ」の読む順番
シリーズ作品の、おすすめの読む順番をご紹介します。
最初に読むなら、主人と執事の最初の出会いの物語が収録されている『それゆけ、ジーヴス』からがおすすめです。次に『比類なきジーヴス』、それ以降は刊行順に読むと良いでしょう。
ジーヴスシリーズの登場人物たちの特徴
「ジーヴスシリーズ」に登場する、代表的な人物たちをご紹介します。
・バーティー・ウースター
ジーヴスの主人で、働かなくても食べていくことができる身分の青年。
とてもお人好しな性格をしており、友達は変わり者ばかりです。幾度となくトラブルに巻き込まれ、そのたびジーヴスに助けられます。
・ジーヴス
バーティーに仕える執事で、彼の良き相談役。皮肉屋な性格で、相手が主人であるバーティーであろうとハッキリとものを言います。
バーティーやその周囲に降りかかったトラブルを、天才的なひらめきで解決へと導く人物です。
・ビンゴ・リトル
バーティーの幼馴染で、何かと彼に相談事を持ちかける青年。とにかく惚れっぽい性格をしており、常に一目惚れをしています。
バーティーを度々トラブルに巻き込みますが、懲りることなく何度も問題を持ち込むトラブルメーカーです。
「ジーヴスシリーズ」のおすすめポイント3つ
「ジーヴスシリーズ」の魅力はどんなところにあるのでしょうか。魅力、本シリーズのおすすめポイントをまとめました!
1.主人と執事の絶妙なコンビネーションが楽しい
ジーヴスとバーティーのやりとりは、とにかくユーモアたっぷり! シニカルで保守的なジーヴスと、お気楽な性格のバーティーの凸凹コンビが楽しい作品です。
トレンドのファッションに身を包んだバーティーに対し、「お似合いではありません」とばっさり斬り捨てることもしばしば。頑固な性格のジーヴスは、一度決めたら相手が主人であっても一歩も引くことがないのです。
2.バーティーの人柄に癒される
軽率なところはありますが、おおらかで上品なバーティー。毎回トラブルに巻き込まれるのにあまり学習しないようで、そんなところにハラハラさせられることもあります。
しかし、そんなバーティーの人柄がジーヴスの存在を引き立てていると言っていいでしょう。
特権階級の人々に対し、たっぷりと皮肉を利かせた内容であるにもかかわらず、狡猾さのないバーティーの人柄が、物語を温かい雰囲気にさせています。
3.気楽に読むことができる
「ジーヴスシリーズ」はどれだけ事態が泥沼化しようとも、最後にはジーヴスが何とかしてくれるという安心感があります。泥沼と言っても、ドロドロとした愛憎劇や人の命に関わるような陰謀などはありませんのでご安心を。
有能な執事であるジーヴスの、手段を選ばない行動や悪知恵にニヤリとさせられながら、気楽にストーリーを楽しむことができるのもまた魅力です。
凸凹コンビのやりとりは必見!
「ジーヴスシリーズ」にはたくさんの書籍があります。まずは短編集でテイストを確かめ、長編作品でジーヴスの真髄を味わうといいでしょう。
また、「天才執事ジーヴス」という名で映像化されているので、動く2人のやりとりを楽しむこともできます。さらに漫画好きな人には、勝田文さんによるコミカライズ版「プリーズ・ジーヴス」もおすすめですよ。
上皇后美智子さま、エリザベス女王も愛する「ジーヴスシリーズ」。ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
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今回ご紹介した書籍
「ジーヴスシリーズ」
P・G・ウッドハウス(著)、国書刊行会
■文庫版
「ジーヴズの事件簿シリーズ」
岩永正勝、小山太一(訳)、文藝春秋
■コミカライズ
『プリーズ、ジーヴス』
勝田文(著)、白泉社