スパイスの香りが漂う!カレーがテーマの小説・エッセイ集
更新日:2019/8/29
いまや日本人の国民食とも言われる「カレー」。
おふくろの味としてカレーを挙げる方も多いのではないでしょうか?
その食欲を増幅させる香りとスパイシーな味がなんとも魅力的です。
ここでは、本の中からスパイスの香りがしてきそうな、カレーにまつわる小説・エッセイ集をご紹介します。
読めばきっとカレーが食べたくなりますよ!
ボリューム満点のカレー小説
『カレーライフ』
『カレーライフ』
竹内真(著)、集英社
祖父が死んだその日、ケンスケ、サトル、ワタル、ヒカリ、コジロウ、5人の幼いいとこたちは、将来みんなでカレー屋をやろうと約束する。
それから時は流れ19歳となったケンスケ。約束を果たすべく旅立つことに――。
2015年に舞台化もされた青春冒険小説。ケンスケがカレー屋の開業をめざし、富士五湖・アメリカ・インド・沖縄などを旅し、成長していく様子が描かれます。
旅するなかでいとこが一人、また一人と集まり、徐々に5人は絆を深めていきます。はたして祖父が食べさせてくれたカレーの味を、5人は再現できるのでしょうか?
読んでいるとワクワクが止まらなくなります!
美味しいカレー屋さんを目指す物語
『カレーライスの唄』
『カレーライスの唄』
阿川弘之(著)、筑摩書房ほか
昭和中期の日本。勤めていた出版社が倒産した六助と千鶴子は、美味しいカレー屋さんを開業しようと決意する――。
もともと新聞小説だったものを書籍化した本作。カレー屋の開業を目指す男女がさまざまな人に翻弄されながらも夢のために奮闘します。
戦争の爪痕や昭和の古き良き時代が丁寧に描かれますが、古臭さは全くありません。私自身、自分が生まれる前のお話でしたが、読みにくさを感じることなく読了できました。
ゆったりとしたテンポで進む物語に、心が穏やかになります。
夏の読書にピッタリ
『カレーなる逆襲! ポンコツ部員のスパイス戦記』
『カレーなる逆襲! ポンコツ部員のスパイス戦記』
乾ルカ(著)、文藝春秋
不祥事が原因で廃部に追い込まれている樽大野球部には、伝説のエラーをした主将の森一郎をはじめ、ポンコツメンバーばかりが所属している。
廃部を免れるために教授が持ち込んできた方法は、エリート大学との「カレー対決」に勝利することだった――。
北海道の大学で、廃部寸前の落ちこぼれ野球部が一念発起する青春小説。部員同士が協力し合って、カレーを作ります!
笑って泣けるエピソードの数々が非常に面白い作品です。さらにカレーの雑学も満載なので、カレー好きにはたまらない1冊です。
カレーへのこだわりは人それぞれ!
『たかがカレーというなカレー』
『たかがカレーというなカレー』
究極グルメ軒(編)、小学館
あなたは、カレーライスに何か思い出はありますか?
本作では、伊集院静さんをはじめ、著名な評論家や作家、漫画家など37人が、「一皿のカレーライス」に対する熱い思いを綴ります。
作家ごとに異なる文体を楽しめるのが特徴。なかには「分かる!」と共感できる内容もあると思います。
それぞれが持つスパイスへのこだわり、思い出、体験を読めば、「たかがカレー」なんて、もう2度と言えなくなるはずです。カレーには、みんなさまざまな思い出が詰まっているんですね。
あなたの絶品カレーの味は?
『アンソロジー カレーライス!! 大盛り』
『アンソロジー カレーライス!! 大盛り』
杉田敦子(編)、筑摩書房
北杜夫さん、伊丹十三さん、林真理子さん、阿川佐和子さん、宇野千代さんなど、著名人によるカレーにまつわるエッセイを44編収録した短編集。
それぞれのこだわりの食べ方や調理方法、家族や友人とのカレーの思い出、とっておきの忘れられない絶品カレーの味が、面白おかしく綴られています。
カレーライスに対する思いがそれぞれ異なり、それがまた面白いんです。
カレーの匂いを思い浮かべながら読んでいくと、おのずと夕飯のメニューはカレーライスになっているかも!?
自分の好きな作家さんが実践している「カレーの隠し味」を真似してみるのもおすすめです。
今日の晩御飯はカレーに決まり!
カレーがテーマの小説とエッセイ集をご紹介しました。
どの作品も魅力的で、今にも本のページ1枚1枚からカレーの香りが漂ってきそうな作品ばかりです。
カレー好きの方はぜひ一度読んでみてくださいね。そして、今日の晩御飯はカレーに決まりです!
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ライター:aoi_suitou