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怖い表紙から目が離せない! 表紙が怖すぎるホラー小説


更新日:2019/7/8

表紙が怖すぎるホラー小説

日頃ホラー小説を愛読している方は、何を基準に本を選んでいるでしょうか。

口コミ、知人の紹介、作者が好きなど、本を選ぶのにはさまざまな理由があると思います。
しかしそんななかで、怖い表紙に惹かれて思わず本を手にとった経験をしたことがある方はいませんか?

CDやDVDのジャケットを気に入って買うことを「ジャケ買い」といいますが、本でも似たような経験をしたことのある方は多いと思います。

ここでは、表紙も物語もとにかく怖い! おすすめのホラー小説をご紹介します。

 

とある旧家を襲う悲劇とは。
『拝み屋郷内 花嫁の家』

『拝み屋郷内 花嫁の家』表紙

拝み屋郷内 花嫁の家
郷内心瞳(著)、KADOKAWA

表紙の、薄暗い部屋に立っている白無垢姿の不気味な女性に思わず目をひかれました。これはもう、怖いニオイしかしません。

『拝み屋郷内 花嫁の家』は、拝み屋を稼業にしている作者の郷内さんが、実際に体験した怖い話をまとめたシリーズの1つ。実話に基づいて書かれたホラー小説です。

本作では、東北にある旧家を襲った恐怖体験をもとに、その旧家に嫁いできた女性がすべて死んでしまう恐ろしい現象が描かれています。

 

旧家に嫁いだ女性に、郷内さんが相談を受けたことから物語は始まります。

郷内さんのもとに舞い込む一見無関係な相談事たちには実は繋がりがあり、それらが少しずつ繋がっていく様子にゾクゾクしました。
この物語がフィクションでも恐ろしいし、そうじゃないと思ってもゾッとします……。

旧家を襲う悲劇、因縁の深さを読んだあと、改めて表紙を見るとより一層不気味に感じられると思います。

「拝み屋怪談シリーズ」作品一覧はこちら

 

岡山を舞台にした恐怖の短編集
『ぼっけえ、きょうてえ』

『ぼっけえ、きょうてえ』表紙

ぼっけえ、きょうてえ
岩井志麻子(著)、角川書店

美しい顔立ちをしていながら顔色が悪く、死相が表れているように見える女性。その姿は『ぼっけえ、きょうてえ』の世界と奇妙にマッチし、読者の恐怖心を煽っています。

本作は岡山弁で書かれたホラー短編集。ある秘密を抱える岡山の遊女から語られる恐ろしい話や、牛の頭を持つ怪物くだんをモチーフにした話など、エロスとグロテスク、そして悲哀が同居する作品が4編収録されています。
どの物語もただ怖いだけでなく、血なまぐさく、陰惨な雰囲気が漂っていることが特徴です。

これぞまさにジャパニーズホラー! と言える作品だと思います。 じわりじわりと迫りくる恐怖が襲ってきますよ。

ちなみにタイトルの「ぼっけえ、きょうてえ」とは、岡山弁で「とても怖い」を意味する言葉です。

 

京ことばで語られるおぞましい物語
『お見世出し』

『お見世出し』表紙

お見世出し
森山東(著)、角川書店

京都の花街を舞台に、舞妓にまつわるおぞましい幽霊騒動を描いた『お見世出し』。第11回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作のほか、2編を収録した短編集です。
和風ホラーが好きな人や、幽霊が出てくる話が好きな人におすすめですよ。

「お見世出し」とは、修業を積んできた舞妓がデビューする晴れ舞台のこと。
京ことばを使った語り口調で物語が進んでいくのですが、それによって京都花街に潜む妬みや嫉み、残酷さがより一層際立っているように感じます。

 

表紙に描かれた少女の口をふさぐ細くて白い手、口をふさがれ虚ろな顔の少女、その少女の背後にいる不気味な顔。
これは作中のとある場面が描かれているのですが、読む前に見た印象と、読んだ後に見る印象は全く違うものになるはずです。
私はより恐ろしく感じられ、鳥肌が立ちました……。

 

伝染する「穢れ」に恐怖する!
『残穢(ざんえ)』

『残穢(ざんえ)』表紙

残穢(ざんえ)
小野不由美(著)、新潮社

顔が見えず真っ白な服を着た女の子が抱える日本人形、何者かが天井から見おろしているようなアングルが不気味さをかもし出していますね。
女の子の表情は絵だけでは分かりませんが、明るい表情でないことは容易に想像できます。

装画は、怖すぎると話題になった「怪談えほんシリーズ」、『いるのいないの』で挿絵を担当した町田尚子さんが描いています。

 

本作は、とあるマンションを舞台に、そこで起こる怪奇現象に懐疑的な主人公が、その謎を解き明かしていくストーリー。
ドキュメンタリーのようになっているため、読んでいるうちに現実の出来事なのか創作なのかわからなくなってくるところが怖いんです。

誰もいないはずの廊下で足音がする、部屋にあるはずのものがなくなる。そんな経験をしたことはありませんか? この作品を読むと、夜1人で寝るのが怖くて怖くてしょうがなくなります!

 

異なる時代の恐怖が読者を襲う
『どこの家にも怖いものはいる』

『どこの家にも怖いものはいる』表紙

どこの家にも怖いものはいる
三津田信三(著)、中央公論新社

装画を担当したのは、イラストレーターの谷川千佳さん。
一見可愛い女の子のイラストに見えますが、すぐに大きな違和感に気付くはずです。わたしは、少女の持つ5つの目に吸い寄せられて本を手に取りました。

 

幽霊屋敷をテーマにしたホラー小説で、5つの連作短編集となっている『どこの家にも怖いものはいる』。

本作は、作者=主人公。怪談好きということで意気投合した編集者から、「家」にまつわる怪異記録を手に入れるストーリー展開になっています。
時代も背景もバラバラな5つの話なのですが、物語が進んでいくとそれらにある関係性が見えてきます。

 

表紙も中身も怖い小説に身震いしよう!

表紙は物語の入り口です。最初に見た時はそれほど怖くはなくても、物語を読むと恐怖が倍増するタイプの表紙もあります。

怖い小説が好きな人は、ぜひ書店へ出かけて怖い表紙探しをしてみてはいかがでしょうか?
もしピンと来る表紙があったら、ぜひ手にとってみてください。忘れられない作品との出会いになるかもしれません。

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ライター:ウメモト