お母さん、いつもありがとう。母の日に読みたい感動小説4選
更新日:2019/5/8
5月の第2日曜日は、「母の日」です。
そこで今回は母の日に読みたい小説をピックアップ!
以下の基準で選書しました。
・「お母さん、いつもありがとう」と心から思えるような1冊
・母と子の愛がテーマとして描かれている
・あたたかい気持ちになれる、感動のストーリー
・号泣もの
・幅広い世代に支持され、映像化が実現している作品
ベストセラーや有名な作品を中心に取り上げたので、ご存知の作品も多いかと思いますが、久々に読み直してみてはいかがでしょうか?
さだまさし『眉山』
『眉山』
さだまさし(著)、幻冬舎
「神田のお龍」と呼ばれた、ちゃきちゃきの江戸っ子である母と、控えめでのびのびした娘の物語。
読んでいるうちにさまざまな疑問が湧いてきます。
東京出身の母が、どうして徳島で暮らしているのだろう? 咲子の父親はどこにいるんだろう? 母はなぜ「献体」を申し込んでいたのだろう?
謎が明かされていく過程に垣間見える母から子への愛情は、落涙もの。
末期癌に侵されながらも啖呵を切り、正義を貫き通す母・龍子。その生き様は圧巻です。
女性として、母として……信念を貫き通すその強さには、きっとパワーをもらえるはずですよ。
浅田次郎『天国までの百マイル』
『天国までの百マイル』
浅田次郎(著)、講談社ほか
「私の母が重度の狭心症を患い、大手術によって奇跡的に九死に一生を得たのは、7年前のことである。そのときの実体験をこんな物語にしてみた──。」
これは単行本に書かれた作者の言葉です。
一言で言うなれば、号泣必至の1冊。電車の中では読めません。
主人公が事業に失敗し、金銭的にも精神的にも苦しくなった時、助けてくれたのはお母さんだけでした。どんな時でも、子どもたちのことを一番に慮り、味方になってくれたお母さん。見返りを求めない母の愛が心に刺さります。
また、介護や安楽死についても考えさせられる1冊でもあります。
吉田康弘『バースデーカード』
『バースデーカード』
吉田康弘(著)、KADOKAWA
天国に旅立った母から届く、愛の手紙の物語。そばにいなくても伝わる母の愛をテーマにした作品です。
主人公のもとへ、11歳から20歳になるまで手紙が届くのですが、その内容が非常にユニークなんですね。良い意味で予想を裏切られるはず。
読む年齢や立場によって見方が大きく変わる作品とも言えます。私は、子どもの成長を見れずこの世を去ってしまう母の無念を思うと、さらに涙が止まりませんでした。
また、「お母さんの手紙に振り回されたくない!」と、バースデーカードを開封するのをためらう主人公の気持ちも理解できて……。
切なくもあたたかい作品を読みたい方は本書をおすすめします。
リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
リリー・フランキー(著)、新潮社ほか
作者の実体験を基にしたベストセラー。第3回本屋大賞受賞作でもあります。
個人的な感想ではありますが、今までの読書体験の中で最も泣いた本かもしれません。
いつかやってくる「その時」。確実に訪れるその恐怖。誰もが必ず直面する「死」というテーマが等身大に描かれているため、自分の家族を思い浮かべずにはいられない作品です。
読み終わった後はきっと、自分の両親に電話をかけたくなるはず。
「この話は、かつて上京し、故郷に戻っていったボクの父親と、同じようにやって来て、帰る場所を失してしまったボクと、そして、そんな幻想を抱いたこともなかったのに東京に連れて来られて、帰ることもできず、東京タワーの麓で眠りについた、ボクの母親のちいさな話です」(帯)
これは、帯に書かれた紹介文ですが、変哲もない普通の親子が描かれているからこそ、自分と重ね合わせてしまうことでしょう。
母の日に読みたい小説たち
どの作品も号泣ものです。ぜひ母の日に読んでみてくださいね!
今回紹介した書籍
『眉山』
さだまさし(著)、幻冬舎
『天国までの百マイル』
浅田次郎(著)、講談社ほか
『バースデーカード』
吉田康弘(著)、KADOKAWA
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
リリー・フランキー(著)、新潮社ほか
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