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書店が舞台の小説&エッセイ|本好きにはたまらないおすすめ本


最近ではネットですぐに欲しい本が手に入り、電子書籍をダウンロードすることもできるので、実際に本屋さんに行って本を買う人は少なくなったのではないでしょうか。

街から書店が次々と消えていっていると言われている今の時代ですが、一方で書店を舞台にした本は現在でも、とても人気があります。

今回はそんな書店を舞台にした小説やエッセイをご紹介します。

 

自由な生き方を求める若者たちが集う書店
『コルシア書店の仲間たち』

『コルシア書店の仲間たち』
須賀敦子(著)、文藝春秋

 

随筆家でイタリア文学者の須賀敦子さん(1929年〜1998年)が、イタリアに留学した時の体験を回想して書いたエッセイです。

当時はまだ女性は家庭を守るということが当たり前で、大学に進学することさえ難しかった時代。詩人でカトリック司祭であったトゥロルド氏に連れられた先がこのタイトルの「コルシア書店」でした。

カトリック左派という自由な生き方を追求した若者が集う、サロン(文化人の交流の場)的存在であったこのコルシア書店。

仲間の中心的人物の一人であるペッピーノとの出会い、書店での様々な出来事や、人々との出会いが静かな文体を通して生き生きと綴られています。

 

「カウ・ブックス」の店主が綴る本との生き方
『最低で最高の本屋』

『最低で最高の本屋』
松浦弥太郎(著)、集英社

 

『暮らしの手帖』の編集長を経て、今やエッセイストとして絶大なファンをもつ松浦弥太郎さん。彼の文章に、触れたことがある方も多いのではないでしょうか。

松浦さんの本は知っていても、彼が、カフェなどが併設された若者に人気のお洒落な中古書店の先駆け「カウ・ブックス」の経営者であることを知る人は、少ないかもしれません。

高校を中退し、世界各地を放浪しながら自分の行き方を模索した松浦さん。そんな松浦さんを支えたのは沢山の本との出会いでした。

海外にある書店めぐりの旅の思い出も書かれているので、書店好きの人にも興味深い内容です。

またトラックに本を積み、移動式本屋からスタートした「カウ・ブックス」への思いや、本屋の経営についての考え方、若い頃の体験が綴られている本書。

これからの生き方や働き方を模索している若い人たちにも、なにかを始める勇気を与えてくれる一冊と言えるでしょう。

 

20世紀の文学の舞台裏
『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』

『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』
シルヴィアビーチ(著)、中山末喜(訳)、河出書房社

 

本好きの聖地として知られる、パリ5区、セーヌ川左岸にあるシェイクスピア・アンド・カンパニイ書店。

初代のシェイクスピア・アンド・カンパニイ書店は、アーネスト・ヘミングウェイ、スコット・フィッツジェラルドといった名だたる作家や芸術家が集う、歴史に名を残す文化サロンでした。

本を売るだけでなく、本を貸し出したり、出版業も行うシェイクスピア・アンド・カンパニイ書店は、お金のない作家を育てる場でもありました。

当時、発刊禁止処分を受けていたジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』を世に出したことでも有名です。

シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店の創設者、シルヴィア・ビーチによって綴られたこの回想録は、20世紀の文学の舞台裏を実際に目にしているように感じられます。

特に、当時の文化や文学に興味のある人には、興味深い内容ですので、ぜひ読んでみてください。

 

島でただ一つの書店
『書店主フィクリーのものがたり』

『書店主フィクリーのものがたり』
ガブリエル・ゼヴィン(著)、小尾芙佐(訳)、早川書房

 

第13回本屋大賞、翻訳小説部門第1位に選ばれた『書店主フィクリーのものがたり』は、小さな島でただ一つの書店を営む店主、フィクリーが主人公。

フィクリーは元々妻と二人で書店を営んでいましたが、妻が事故で亡くなり、その上唯一の財産であったエドガー・アラン・ポーの貴重な本が盗まれてしまいます。

困難をくぐり抜けながらも、書店を閉めることなく一人で毎日本を売っていたフィクリー。ある日、書店に置き去りにされていた女の子、マヤと出会います。

マヤを育てる決意をしたフィクリーとマヤの成長、周りの人々との交流が描かれた心温まる物語。

各章には有名な短編集のタイトルが付けられていて、本好きの人にはその物語との関連を想像することができるのも『書店主フィクリーのものがたり』の楽しみ方の一つです。

 

古書収集にのめりこんだ作家夫婦のエッセイ
『古書店めぐりは夫婦で』

『古書店めぐりは夫婦で』
ローレンスゴールドストーン(著)、ナンシーゴールドストーン(著)、浅倉久志(訳)
早川書房

 

夫ローレンスの誕生日に、トルストイの『戦争と平和』を贈ることにしたナンシー。

たまたま古書店で10ドルで売られているのを見つけたのがきっかけで、夫婦揃って古書収集にハマってしまった、作家夫婦の実体験を小説化した物語です。

古書にどっぷりのめり込んだ二人はオークションにも参加、イエローページで探し出した古書店を端から巡って行きます。

そこで出会ったちょっと変わった面白い人々や、本のエピソードがちりばめられている本書。読んで楽しいだけでなく、アメリカの古書業界を垣間みることもできます。

古書マニアはもちろんのこと、電子図書より書物で読むのが好きな人にもおすすめです。
また何故わざわざ古い本を高い値段で買うのか分からない、という人も、ひょっとしたら古書の魅力に取り憑かれるきっかけになる一冊かもしれません!

 

この週末は書店に行ってみよう!

本屋さんは、ただ本を買うだけでなく、そこから新しい文化が生まれ、未知の本や人との出会いがある場でもあります。

書店をテーマにした本を読んだらぜひ今度、近所の本屋さんに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

今回ご紹介した書籍

 

・『コルシア書店の仲間たち』須賀敦子(著)、文藝春秋

・『最低で最高の本屋』松浦弥太郎(著)、集英社

・『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店
シルヴィアビーチ(著)、中山末喜(訳)、河出書房社

・『書店主フィクリーのものがたり
ガブリエル・ゼヴィン(著)、小尾芙佐(訳)、早川書房

・『古書店めぐりは夫婦で
ローレンスゴールドストーン(著)、ナンシーゴールドストーン(著)、浅倉久志(訳)、早川書房

 

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