【見て、触って楽しめる】装丁がおしゃれな手元に置いておきたい本
現代では、電子書籍を利用した読書スタイルも珍しいものではなくなってきていますよね。
さらに、「ものを持たない暮らし」も広く支持されるようになり、読み終えた本は長く手元に置かず、次に必要としている人の元へ……という方も多いのではないでしょうか。
しかし、紙ベースの本の居場所がなくなってしまったというわけではありません。
今回は、「実物を手に取るからこそ楽しめて、手元に置いておきたい」と思わせてくれるおしゃれな装丁の本をピックアップしました。
装丁まで面白い!
『言いまつがい』
『言いまつがい』
糸井重里(著)、東京糸井重里事務所
ちょっとした言い間違いの言葉や台詞を700点集めた、気さくな雰囲気の作品です。
言葉の間違いをピックアップした本だけに、装丁もあえて間違いだらけに仕上げられた、触りがいのある面白くておかしな本になっています。
まず、底辺が斜めになっているので、本棚に差したとき垂直に収まりません。
さらに、表紙は幅が足りていなくてタイトルがはみ出している。そして、表紙の中央には大きな穴が開けられています。
こんな愉快な「装丁まつがい」の本はほかには無いのではないでしょうか。ご紹介した箇所以外にも、装丁の”まつがい”がいくつもあります。
本作は装丁はもちろん、内容も年齢や性別を問わず誰でも気軽に楽しめるものになっています。
家族や知人と話のネタにするのもいいですし、なかなか共通点の見つからない人との会話を始めるきっかけにもできちゃいますよ。
小口を斜めに傾けると……?
『線の冒険 デザインの事件簿』
『線の冒険 デザインの事件簿』
松田行正(著)、角川学芸出版
『線の冒険 デザインの事件簿』は、表紙に透明な凹凸の特殊プリントが施されている本です。透明な凹凸のデザインは、この本のテーマになっている「線」のみを用いて、スタイリッシュに仕上げられました。
傾けると様々なニュアンスを見せてくれるこの「線」のデザインは、地色の鮮やかなピンクと相まって、なんとも言えない奥深さを感じ取ることができます。
また小口は、斜めにずらすと作品内でも取り上げられているエッフェル塔と、東京タワーの図が現れる仕掛けになっています。傾ける方向で現れる図が変わるので必見です。
内容も、多くの図面を載せながら古今東西の多様な知識がまとめられていて、読み応えも十分。装丁を見て楽しむだけに留まらず、何度も手に取り、触れて、読みたくなる書籍です。
ひと目見て惹かれてしまう!
『団地のはなし』
『団地のはなし〜彼女と団地の8つの物語〜』
東京R不動産(著)、青幻舎
「団地」をテーマに、8人の女性クリエイターが紡ぎだした作品を収録しています。
小説、フォト、インタビューなど異なるジャンルが集まっているので、普段はあまり手に取らないようなテイストの作品にも出会えるかもしれません。
内容が興味深いのもこの本の魅力ですが、ひと目見て「なんだろう?」と思わせてくれる装丁も必見です。
一段低くカットされた表紙には『1』の番号が印字。
そしてその上部からは『2』『3』『4』の数字が書かれた、ピンク・水色・灰色の紙面が、それぞれ異なる形で重なり合いながらのぞいています。
これはズバリ、この本のテーマである「団地」をモチーフにデザインされた形なのだとか。装丁も作品も楽しめる一冊になっています。ぜひ一度手にとってみてください。
ピンときたデザインの本を読むのも面白い
今回ご紹介した3冊のほかにも、面白い、おしゃれな装丁の本はたくさんあります。あなたの感性にピンとくるデザインの本もあるはずです。
ぜひ書店へ足を運び、実物を手に取りながらお気に入りの本を見つけてみてください!
自分だけの、お気に入りの本が見つかりますように……。