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おすすめ「家族」がテーマの感動小説|人生がもっと豊かになる


更新日:2019/11/27

人生がもっと豊かになる「家族」がテーマの感動小説

「家族」をテーマにした小説を読んでみませんか?

身近にありすぎて気づきにくいですが、家族はあなたの人生のベースを作っているものです。小説を通して家族の絆や人の温かみに触れれば、もっと人生が豊かになるかもしれません。

長編や連作短編集、シリーズ作品など、さまざまな家族小説を揃えました。

思いっきり泣ける作品から、ほろっとくる感動作も。ぜひあなたのお気に入りの家族小説を見つけてください。

 

重松清『とんび』

『とんび』表紙

とんび
重松清(著)、角川書店

重松清さんの『とんび』は、妻に先立たれたヤスと、その息子アキラの家族愛を描いた小説です。

昭和が舞台ということもあり、ヤスは昔ながらの武骨で短気な男ですが、亡き妻の忘れ形見アキラへ惜しみなく愛を注ぎます。不器用なヤスが試行錯誤してアキラを育てる姿は、切なさを感じずにはいられません。

また、母子家庭に比べ父子家庭は孤立しがちですが、周囲の人々から支えられ地域社会にも上手く溶け込んでいきます。

本作を読むと、現代人が忘れがちな人と人とのつながりを感じられるはずです。

 

瀬尾まいこ『卵の緒』

『卵の緒』表紙

卵の緒
瀬尾まいこ(著)、新潮社

血のつながりのない親子を描いた「卵の緒」、母親が違う姉と弟を描いた「7’s blood」が収録された作品集で、瀬尾さんのデビュー作でもあります。

「卵の緒」と「7’s blood」で取り上げられている2つの家庭に共通しているのは、一般的な家庭とはやや異なる複雑な家族構成と、芯のしっかりした母親です。

境遇の複雑な人物が多く登場すると、暗く悲壮感に包まれた物語になりがちですが、母親がたっぷり子どもに愛情を注いで育てているので温かい物語に仕上がっています。

 

『家日和』

『家日和』表紙

家日和
奥田英朗(著)、集英社

どこにでもいそうな平凡な家族が抱える問題を、ユーモアたっぷりに描いた短編集。

ネットオークションにはまりすぎた主婦、家事に喜びを見出すことを周囲から理解されない主夫など、人物設定や展開がリアルなので、まるで実在する家庭をのぞき見しているかのようです。

トラブルを解決しようと家族が寄り添う姿は、本来家族のあるべき姿を思い出し心が揺さぶられます。

 

原田マハ『キネマの神様』

『キネマの神様』表紙

キネマの神様
原田マハ(著)、文藝春秋

体を壊し借金が発覚した父と、40歳目前で無職になってしまった娘。本作は、人生のどん底まで落ちてしまった2人が映画を通して再び歩みだす物語です。
人物設定やストーリーには作者の原田マハさんの実体験も盛り込まれています。

また、作中には名作と呼ばれる映画のタイトルが何度も出てくるので、読み終えたら映画が見たくなっているかもしれません。

原田マハさんの思いがこもった家族の物語をぜひ読んでみてください。

 

小路幸也『東京バンドワゴン』

『東京バンドワゴン』表紙

東京バンドワゴン
小路幸也(著)、集英社

大家族が繰り広げるドタバタ劇を人情たっぷりに描いた物語『東京バンドワゴン』。

登場する人物たちは、面倒見の良く、人が困っていると手を差し伸べないと気が済まない人ばかり。
人間関係が希薄な現代とは異なるあたたかい世界観は、昭和のホームドラマを彷彿とさせ、家族のありがたみや人のあたたかさを思い出させてくれます。

時間があるときにシリーズを一気読みするのもおすすめです。

 

大切な人との時間を考えさせられる
『昨夜のカレー、明日のパン』

『昨夜のカレー、明日のパン』表紙

昨夜のカレー、明日のパン
木皿泉(著)、河出書房新社

夫の一樹に先立たれた嫁テツコと義父の物語『昨夜のカレー、明日のパン』。

テツコと義父は2人をつないでいた一樹が死んでからも同居を続け、周りの人々にも支えながら少しずつ一樹の死を受け入れていきます。
死はどんな人にも平等に訪れるので、どんなに愛しあい、支えあっていても家族と別れる日はいつかやってきます。

本作を読むと、家族と過ごす何気ない日々の幸せにきっと気づくはずです。

 

森絵都『カラフル』

『カラフル』表紙

カラフル
森絵都(著)、文藝春秋ほか

「おめでとうございます、抽選に当たりました。」死んだはずの僕に、天使はそう告げた。

そして「僕」は、生前の罪により外されてしまった輪廻のサイクルに再び戻るための試験を受けることになります。

その試験の内容とは、下界の誰かの身体を借りて(作中では「ホームステイ」とよぶ)自分の罪を思い出すこと。「僕」は、自殺したばかりの14歳の少年、小林真の身体を借りることになります。

苦しい人生を抱えた少年になりきり、過ごしていくうちに見えてくる世の中の複雑さに心が動かされます。思春期の複雑さを描いた感涙必須の物語です。

 

山田詠美『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』

『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』表紙

明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
山田詠美(著)、幻冬舎

再婚により、一つの家族になろうとしていた2組の親子の物語。幸せで楽しい生活を始めようとした家族を、ある悲劇が襲います。

それによって、家族は静かに少しずつ崩れていきます。
兄の死を受け止められない母、自分の感情の間で揺れる長女、義母の愛情を求め空回りする次男、物心ついたときには崩壊していた家族の中で育った次女。
それぞれの目線で家族のことが語られますが、とても複雑なものです。

絶望の淵からの再生の物語は、号泣必至。誰の心に寄せて読んでも、それぞれの苦しさがひしひしと伝わってきます。

 

小川洋子『博士の愛した数式』

『博士の愛した数式』表紙

博士の愛した数式
小川洋子(著)、新潮社ほか

家政婦として働く「私」が派遣された先で出会ったのは、記憶が80分しかない数学者の博士。博士とのコミュニケーションは、記憶が80分しか持たないことも手伝って困難極まりないものでした。

ある日、「私」の10歳になる息子「√(ルート)」がその生活に加わることで、ぎこちなかった日常がどんどん楽しいものへと変わっていきます。

暖かな温もりに包まれるような物語に漂う悲しい香りが心をそっと捉えて離さない。静かに泣ける、そんな物語です。

 

梨木果歩『西の魔女が死んだ』

『西の魔女が死んだ』表紙

西の魔女が死んだ
梨木果歩(著)、新潮社ほか

なんだか学校に行きたくなくなった女の子まいと、西の魔女と呼ばれるおばあちゃんの物語。
まいは学校の代わりに、おばあちゃんのもとで「なんでも自分で決める」ようになるための魔女修行に行くことになります。

都会にはない豊かな自然のもとで、学校では学べない貴重な体験を日々飲み込んでいくまい。
しかし、小さなことがきっかけで、大好きなはずのおばあちゃんに言いたくなかった言葉をぶつけてしまいます……。

難しい年ごろの少女の成長が魅せる輝きと、かけがえのない家族からの愛情の温かさに包まれます。

最後の魔女からのメッセージを読んだとき、きっと涙するはずです。

 

角田光代『八日目の蝉』

『八日目の蝉』表紙

八日目の蝉
角田光代(著)、 中央公論新社ほか

秋山の愛人だった希和子が、秋山とその妻の間に生まれた子供を衝動的に誘拐。赤ん坊に「薫」という名を与え、希和子は逃避行を続けますが――。

本作では、希和子の物語と、薫(恵理菜)の物語が描かれます。希和子はもちろんのこと、薫の人生も大きく狂っていく様子がなんとも生々しいです。

恵理菜の知らない「過去」を知る者との出会いが物語を大きく動かしていきます。血縁を超えた家族の絆のあり方を問う慟哭の物語です。

 

心温まる家族小説を読もう

家族をテーマにした感動小説をご紹介しました。

概要を読んだだけではピンとこない小説でも、読み進めるうちに作品の世界にどっぷりとはまってしまうこともあります。ぜひいろいろな作品に触れ、家族の素晴らしさを感じてください。

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