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これを知っているとちょっとかっこいい!世界の名作文学5選


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最近海外の文学作品に興味があるアオノです、こんにちは。

 

海外の文学って、翻訳だしちょっと難しそう……というイメージ、ありませんか?

アオノも、難しそうだな、と思ってなかなか手を出していなかったのですが、読み始めてみると、日本にはない考え方や世界観があり、とても面白いんです。

そこで、海外の有名な作品と、これ知ってるとちょっとかっこいいよ!という隠れた名作を集めました!

 

今回ご紹介するのはこの5作

1.『カラマーゾフの兄弟』
2.『蜘蛛女のキス』
3.『ジェイン・エア』
4.『ガラスの動物園』
5.『盲目のジェロニモとその兄』

 

鬼才揃いの世界の文学。
意外な展開や、斬新な形式の物語を楽しんで読んでみてください!

 

父親殺しの犯人は誰なのか。
『カラマーゾフの兄弟』

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『カラマーゾフの兄弟』
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)、亀山郁夫(訳)
光文社

父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親と共に妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが……。(光文社古典新訳文庫 1巻 カバー裏)

 

言わずと知れたドフトエフスキーの名作。

タイトルは知っていても、読んだことがない方も多いと思います。
それもそのはず、とにかく長い! 長いんですが、長いには長いなりの理由があるんですね。

本作は、長男ミーチャが父親フョードルを殺した、という事件を軸に進みます。ミーチャは父を殺していないのですが、投獄されてしまいます。

それでは、フョードルを殺した本当の犯人は誰なのか? ミーチャの無実を、なぜ誰も証言してくれないのか?
ミステリーのようですが『カラマーゾフの兄弟』には、愛、金、宗教……様々な要素が盛り込まれており、その謎解きは一筋縄ではいきません。

この大長編が読み切れず、途中で挫折してしまった方もいらっしゃると思います。

『カラマーゾフの兄弟』を読み切るポイントは、心が折れそうになってもとにかく読み進めることです!
ミーチャが事件を起こすところから、物語が劇的に動き出します。

どうぞ頭から読んでいって、カラマーゾフの兄弟に起こる悲劇の結末を見届けてください!

 

ラテンアメリカが生んだ鬼才の傑作
『蜘蛛女のキス』

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『蜘蛛女のキス』
マヌエル・プイグ(著)、野谷文昭(訳)
集英社

ブエノスアイレスの刑務所の監房で同室になった二人、同性愛者のモリーナと革命家のバレンティンは映画のストーリーについて語り合うことで夜を過ごしていた。主義主張のあらゆる面で正反対の二人だったが、やがてお互いを理解しあい、それぞれが内に秘めていた孤独をも分かちあうようになる。両者の心は急速に近づくが――。モリーナの言葉が読む者を濃密な空気に満ちた世界へ誘う。(集英社文庫 表紙カバー裏)

 

全編がほぼモリーナとバレンティンの会話で綴られた物語。

モリーナはバレンティンに、大好きな映画のストーリーを語ります。その他にも、モリーナが書いた手紙、刑務所での取り調べ、報告書、様々な形式で綴られていきます。小説という枠を飛び越えた、まるで映画を見ているような気持ちになる小説で、いわゆる一般的な「小説」とは全然違っているんです。

モリーナはバレンティンに恋をしている。それは確かにそうなのですが、その裏には実はある理由があって……。

モリーナは葛藤に苦しみ、本心がわからないバレンティンを想い続ける。ラストへ近づいていくにつれて変わっていく二人の関係に比例して、会話が変化していくのも素敵です。

幻想とリアリズムが入り混じる不思議な感覚に引き込まれていき、予想もしていなかった結末に、読み終わったあと、本を閉じたまましばらくぼうっとしていました。

映画化、舞台化もされているラテンアメリカ文学の傑作。

アオノが本書を読んだきっかけは、卒業論文に必要だったからなのですが、大学を卒業しても忘れられない作品です。

 

ひとりの少女の半生を描く
『ジェイン・エア』

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『ジェイン・エア』
シャーロット・ブロンテ(著)、河島弘美(訳)
岩波書店

伯母に疎まれ、寄宿学校に入れられた孤児ジェイン。十八歳の秋、自由と自立をのぞみ旅立つ――家庭教師に雇われた邸で待つ新しい運命。信念と感情に従って考え行動する主人公の真率な語りが魅力的な、ブロンテ姉妹のひとりシャーロット(一八一六-五五)の代表作。(岩波文庫上巻 カバーそで)

 

両親を亡くし、頼みの綱だった伯父も亡くなり、伯母とその子どもたちに疎まれ、寄宿舎に入れられたジェイン。

前半は、寄宿舎での生活と子ども時代の心の成長が描かれています。
やがてジェインは、自立の道を切り開いていきます。
ロチェスター家の一人娘の家庭教師を始めたジェインは、そこの主である男性 ロチェスターに心を奪われていきます。

しかしこの家には秘密があり、徐々に暴かれていく秘密に、ジェインと同じようにドキドキしてしまうのではないでしょうか。

とても静かな静かな物語ですが、ジェインが生きるソーンフィールドの自然の美しさが映像のように浮かんできます。そして、強い心を持とうとしていても、ふとした瞬間に不安や悲しみが降り注ぐジェインの気持ちに寄り添って読み進めると、ジェインと共に成長をしていけるような気持ちがします。

長いお話ですが、ゆっくり読み進めてみてください。

読み終わった頃にはジェインが、あなたの中に実体を持ったひとりの女性として鮮明に描けているはずです。

 

「家族」は愛おしくもどかしい
『ガラスの動物園』

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『ガラスの動物園』
テネシー・ウィリアムズ(著)、小田島雄志(訳)
新潮社

不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追い、はかない幸せを夢見る母親、脚が悪く、極度に内気な、婚期の遅れた姉、青年らしい夢とみじめな現実に追われて家出をする文学青年の弟の三人が展開する抒情的な追憶の劇。作者の激しいヒューマニズムが全編に脈うつ名編で、この戯曲によって、ウィリアムズは、戦後アメリカ劇壇第一の有望な新人と認められた。(文庫版表紙裏)

 

こちらは小説ではなく戯曲です。戯曲というのは、簡単に言えば舞台の台本です。
各国で何度も上演されるほどの名作であり、テネシーウィリアムズの代表作でもあります。

『ガラスの動物園』はある家族の物語。
登場人物はたったの4人。
母親のアマンダ・ウィングフィールド、娘のローラ、劇の語り手 息子のトム、そして一家を訪ねてくるジム・オコナー。

母親のアマンダは、ローラの婚期が遅れていることを気にして、誰かいい人はいないかと躍起になっており、トムは現状から抜け出したいと思い足掻いている。

この物語は「家族」という普遍的な形の中に生じる食い違いや、苦しみといったものを、詩的な美しい雰囲気で存分に描き出しています。
そして「家族」の中にいれば、誰でも一度は感じたことがあるだろうもどかしさを描いており、読む時期によって、誰に感情移入できるかが変わってくるでしょう。

戯曲を読んだことがない、という方も多いと思います。小説とは違い、セリフとト書き(セリフ以外の、登場人物の行動などを示した部分)だけで書かれているので、戯曲を初めて読むという方は読みにくいと感じるかもしれません。

そんな時は、好きな俳優さんに当てはめて読んでみると、とても読みやすいですよ!

 

ある兄弟の愛と疑いの物語
『盲目のジェロニモとその兄』

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『諸国物語』より
『盲目のジェロニモとその兄』
アルトゥール・シュニッツラー(著)他
山本有三(訳)他
ポプラ社

幼い頃、弟ジェロニモを誤って失明させてしまった兄カルロ。カルロは罪の意識から、自分の楽しみをすべて投げ出し、放浪する弟に寄り添い生きていた。しかしある事件をきっかけに、ジェロニモがカルロを疑い始める。カルロは疑いを解くために、ある犯罪を犯そうと……。


 

『諸国物語』という、世界の名作を集めた作品集に収録されている、アルトゥール・シュニッツラーの作品です。

観光客からのチップで生計を立てている兄カルロと弟ジェロニモ。
ジェロニモが歌を歌い、カルロはチップを受け取り、ジェロニモの身のまわりの世話をする。

そうやって生きてきたふたりでしたが、あるとき事件が起きます。客のひとりが、ジェロニモにある嘘をつくのです。
嘘とは知らず、カルロを疑い始めたジェロニモ。しかしカルロも気づいてしまうのです。
その疑う気持ちこそ、ジェロニモがずっと自分に抱いていた感情だということに。

カルロはまだ若く、弟にささげる人生をやめて、自分の人生を歩むことも可能です。自分の人生か、それとも今までのように、弟に寄り添い生きるのか。

疑い、迷い、離れていく兄弟の心。ふたりの心は再び結びつくのでしょうか。

あなたがもしカルロの立場だったら、ジェロニモの立場だったら、どういう道を選ぶでしょう。

愛とは、兄弟とは……深く考えさせられる、美しい物語です。

 

名作から開ける世界

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今回ご紹介した作品は、すべて舞台化や映画化されている、名作と呼ばれる作品ばかりです。

気になった作品がありましたら、ぜひ一度手に取って読んでみてください。

知らなかった世界がひとつ、開けるかもしれません。

 

今回ご紹介した書籍
カラマーゾフの兄弟フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)、亀山郁夫(訳)、光文社
蜘蛛女のキスマヌエル・プイグ(著)、野谷文昭(訳)、集英社
ジェイン・エアシャーロット・ブロンテ(著)、河島弘美(訳)、岩波書店
ガラスの動物園テネシー・ウィリアムズ(著)、小田島雄志(訳)、新潮社
諸国物語チェーホフ他(著),原卓也 ほか(訳)ポプラ社

 

一度は読みたい名作ってありますよね。でも、読んだことがないならこちらもオススメ!

ライター

アオノ
アオノ
本と芝居とミュージカルが好き。小説と児童書が特に好きです。週末の楽しみは、劇場へ行くこと。舞台を観るため各地へ飛び回るアラサ―女子です。