ブックオフオンラインコラム
ブックオフオンライントップへ
ブックオフオンラインコラム > 本に出会う > 小説(テーマ別) > 重い腰が上がらない? 「掃除がしたくなる本」でモチベーションを上げよう!

重い腰が上がらない? 「掃除がしたくなる本」でモチベーションを上げよう!


毎日の家事の中で、やらなくてはいけないと思っていても、ついつい後回しにしてしまいがちな掃除。

少しぐらい汚くても大丈夫……やり始めるまでに時間がかかってしまう……重い腰が上がらない……という方も多いのではないでしょうか?

 

今回ご紹介する作品は、「楽しく読めて、かつ、掃除がしたくなる本」。

主婦の私が、掃除に対するモチベーションを上げるために読む作品を集めました。

興味を持っていただけたなら、ぜひ掃除への意識を高めるためにも、読んでみてくださいね。

ただし、どの作品も、いわゆる「ハウツー本」ではありませんので、ご注意ください。

 

お掃除のプロが書いたミステリー小説
『天使はモップを持って』

『天使はモップを持って』
近藤史恵(著)、文藝春秋

深く刺さった、小さな棘のような悪意が、平和なオフィスに8つの事件をひきおこす。社会人一年生の大介にはさっぱり犯人の見当がつかないのだが―「歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない」という掃除の天才、そして、とても掃除スタッフには見えないほどお洒落な女の子・キリコが鋭い洞察力で真相をぴたりと当てる。(表紙裏)

お掃除のプロは名探偵!ビルの清掃員・キリコ&新入社員・大介の2人組が、次々と事件を解決していく痛快ミステリー。

大きなオフィスをたった一人でピカピカに磨き上げるキリコ。その凄腕テクニックは、見習うところも多く、読んでいると掃除がしたくなります。

捨てたゴミには本性が出るー。その鋭い観察力には脱帽です。

また、作者の近藤さんは、実は清掃業の仕事経験者なのだとか。(あとがきより)

ぜひお掃除のプロによる、ミステリー小説をお愉しみください。

 

掃除をするまでの気持ちの上げ方を教えてくれる
『ぼくの夏休み革命』

『ぼくの夏休み革命』
つちもととしえ(著),大庭賢哉(絵)、国土社

夏休みの間、ぼくは父さんが新しく始めるハウスクリーニングの仕事を手伝うことになった。ある日、近所でうわさのゴミ屋敷を見つけ、たのもしい仲間たちと、さっそく作戦開始。ガラクタの山をきれいにかたづける爽快感を知って、生まれかわったぼくの夏は、革命的に熱く燃える!(表紙)

小学生の夏休み推薦図書として選ばれた作品。

児童文学ではありますが、なかなかに本格的な一冊です。

ゴミ屋敷になってしまうのは、ゴミの分別ができないから。では、どうすれば掃除ができるのか?など、掃除に取り掛かるまでの気持ちの上げ方を、丁寧に描いています。

作中、主人公が自分の部屋を片付けて、スッキリ爽快な気持ちになるシーンがあります。この作品を読んで、掃除をする子どもが激増したという噂も……。

掃除は面倒だけど、やらなくちゃいけない……そんな重い腰をあげるのに最適な一冊です。

 

父から子へ受け継がれる掃除の仕方
『幸田文しつけ帖』

『幸田文しつけ帖』
幸田文(著),青木玉(編)、 平凡社

父親のしつけは娘に贈る「一生もの」

父・幸田露伴に暮しかたのすべてを教わった幸田文。

大切な心を取り戻す、生きた言葉28篇。(帯)

文学好きな方でしたら、掃除といえば「あとみよそわか」を思い出す方も多いのではないでしょうか。

「あとみよそわか」とは、幸田文の父であり、明治の文豪・幸田露伴が、娘に家事を教えた際に出た言葉。

『あとみよ』とは「掃除の跡を見て、もう一度確かめよ」。『そわか』は仏教用語で「功徳あれ」「成就あれ」の意味なのだそう。

掃除をするにはよい道具が必要ということで、はたきの歪みを直し、改造する露伴。掃除の順番、雑巾の掛け方、所作など、徹底した掃除のやり方を文に教えます。

それがすべて理に適っており、役に立つんですね。子どもが中高生になったら読ませたい一冊です。

 

整理整頓の価値観を変える
池澤夏樹
「スティル・ライフ」

『スティル・ライフ』
池澤夏樹(著)、 中央公論新社

ある日、ぼくの前に佐々井が現れてから、ぼくの世界を見る視線は変って行った。ぼくは彼が語る宇宙や微粒子の話に熱中する。佐々井が消えるように去ったあとも、ぼくは彼を、遙か彼方に光る微小な天体のように感じるのだ――科学と文学の新しい親和。清澄で緊張にみちた抒情性。しなやかな感性と端正な成熟が生みだした、世界に誇りうる美しい青春小説の誕生。(表紙裏)

中央公論新人賞・芥川賞受賞作。

この作品はお掃除小説ではないのですが、整理整頓を考える上で価値観を大きく変える作品だと思いますので、選んでみました。

何が凄いかと言うと、最小限の物しか持たずに生活する登場人物の言葉です。

「何でも店で売っているからね。自分の手元に置かないで、 店という倉庫に預けてあると思えばいい。出庫伝票のかわりにお金を使うだけさ。」(本文より)

この後も、

「着るものは安いのを買って、一シーズンでおしまいにする……」(本文より)

と続きます。

思い切って物を捨てようと考えている方にはおすすめの作品ですよ。

 

本を読んで掃除をしよう

掃除への気持ちが高まってきた時が、掃除のやり時です!

読んだ本も一緒におかたづけしてくださいね。

 


今回ご紹介した書籍
天使はモップを持って近藤史恵(著)、文藝春秋
ぼくの夏休み革命つちもととしえ(著),大庭賢哉(絵)、国土社
幸田文しつけ帖幸田文(著),青木玉(編)、 平凡社
スティル・ライフ池澤夏樹(著)、 中央公論新社


片付けに役立つ本は他にもいろいろありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。