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本を持って外に出よう!村上春樹さんのおすすめ紀行本4選


「世界のムラカミ」と評され、世界中で高い評価を受ける村上春樹さん。

村上さんといえば、大の旅行好きとしても知られており、これまでに多くの紀行文を発表されています。

小説とは違った味わいがあり、ファンでなくても、旅行好きでなくても、一度読むとクセになる村上さんの紀行文。

知的好奇心をくすぐる深みのある文章が(それでいて笑える部分も多々あります)大好きだという方が多く、なかには、小説よりも紀行文が好きというファンもいるほど……。

本当におすすめですので、まずは一冊手に取ってみてください。

 

モンゴル、北米、メキシコ、そして日本

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『辺境・近境』
新潮社

久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町……。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃! 旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。(表紙裏)

「その場に立って、触れて、はじめてわかることがある」(本文帯より)

村上さんが本書で訪れたのは、イースト・ハンプトン(ニューヨーク州)、からす島(山口県)、メキシコ、香川県、中国、モンゴル、アメリカ、神戸(村上さんの育った街)。

なお、本書を気に入った方には、松村映三さん「辺境・近境 写真篇」を一緒に読むことをおすすめします。まるで村上さんと同じ視点に立ったような、思い出を共有しているような、不思議な感覚に陥りますよ。

 

ウィスキーがもたらす人との出会い

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『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』

シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは? 『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか? 蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々――。芳醇かつ静謐なエッセイ。(表紙裏)

「言葉とウィスキーが静かに微笑む旅」。

村上さんが本書で訪れたのは、シングル・モルトの聖地アイラ島の蒸留所と、アイルランドの小さなパブ・バー。

『グラスに満ちてくる思い』を味わえる一冊となっており、読むと、きっとウィスキーが飲みたくなります。そして、だれかと話がしたくなります。

大人の時間がここには流れています。

なお、本書に掲載された写真を撮っているのは、村上さんの奥様である陽子さん。家族だからこそ写せる村上さんの表情とともにお楽しみください。

 

噛めば噛むほど味がでる

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『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』
文藝春秋

好奇心全開の東京するめクラブ(村上春樹・吉本由美・都築響一)登場!

驚天動地の発見満載

・魔都、名古屋に挑む

・62万ドルの夜景もまた楽し-熱海

・このゆるさがとってもたまらない-ハワイ

・誰も(たぶん)知らない江の島

・ああ、サハリンの灯は遠く

・清里-夢のひとつのどんづまり

「近場の秘境、魔都、パラダイスを徹底探検」。

(帯)

 

本書の舞台は、名古屋市、熱海市、ハワイ、江の島、サハリン州、清里。

『東京するめクラブ』のネーミングは、「たいしたもんじゃないですけど、くちゃくちゃ噛んでいるうちに、なんかそれなりの味が出てくるのでは……」という意味合いから村上さんがネーミングしたのだとか。(村上作品ではおなじみの安西水丸さん談)

『地球のはぐれ方』というタイトル通り、三人三様の『はぐれ方』にはつい笑ってしまう面白さがあるこの作品。村上さんが描く紀行文のなかでも、特にユニークな一冊に仕上がっています。

また、本書にはカラー写真265点、安西水丸さん・するめ隊員のイラストが掲載されており、視覚的にも見応え十分な一冊です。

 

世界をめぐる10編の紀行文

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『ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集』
文藝春秋

そこには特別な光があり、特別な風が吹いている。何かを口にする誰かの声が耳に残っている。そのときの心の震えが思い出せる。それがただの写真とは違うところだ。それらの風景はそこにしかなかったものとして、僕の中に立体として今も残っているし、これから先もけっこう鮮やかに残り続けるだろう。(本文より)

「旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない」(帯より)

 

JALの会員誌「AGORA」に収録されていた作品を含めた計10編が収録されています。

本書の舞台は、ボストン、アイスランド、ポートランド、ギリシャ、ニューヨーク、フィンランド、ラオス、イタリア、熊本県。(タイトルから勘違いしがちですが、ラオスに限った紀行文ではありません)

なお、本書の中に熊本県が入っているのは、東京するめクラブの吉本由美さん(2011年に熊本県へ帰郷)と都築響一さんの3人で、同窓会を行うため。

東京するめクラブのような、ゆるい感じを楽しみたい方にぜひおすすめの一冊です。

 

旅がしたくなる村上さんの紀行文

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村上さんの紀行文は、旅行のお供にもぴったり。

ぜひ、村上さんの書を片手に外に出てみてくださいね。

 

今回ご紹介した書籍
辺境・近境』新潮社
もし僕らのことばがウィスキーであったなら』平凡社
東京するめクラブ 地球のはぐれ方』文藝春秋
ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集』文藝春秋

村上春樹さん作品をまだ読んだことがない方は、こちらの記事を参考にしてみてください!

村上春樹作品をまだ読んだことない人はどれから読むべきか

紀行文も小説も、どちらも楽しみたい方はこちらの特集で気になる作品をチェック!

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。