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村上春樹作品をまだ読んだことない人はどれから読むべきか


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先日、今年のノーベル文学賞について、「イギリスのブックメーカー(賭け屋)は村上春樹さんが受賞する可能性が高いと予想している」という報道が流れていました。もうノーベル賞の季節なんですね。

過去にノーベル文学賞を受賞した日本人は1968年の川端康成氏と1994年の大江健三郎氏の2名だけですので、村上さんが受賞すれば日本人3人目22年ぶりの受賞ということになります。

新作発売時に予約が殺到し「発売前に重版がかかる」などして話題にもなった人気作家の村上さん。ですが、実は私、村上作品を読んだことがありません。

そこで、まだ読んだことがない人はどれから読めばいいのか、いくつかの切り口で探ってみましたのでご紹介します。「村上作品初めて読むならどれ?」という方はご参考にしてください。

 

デビュー作『風の歌を聴け』から読んでみよう

0012730758L『風の歌を聴け』
講談社

10年ほど前に小説好きの友人から聞いた選び方がこれ。「デビュー作から読め」。

村上さんのデビューは今から37年前。デビュー作は1979年の『風の歌を聴け』です。”29歳になった「僕」が1970年の出来事を振り返る”という内容で、村上さんはこの作品で群像新人文学賞という賞を受賞されています。5人いた選考委員全員に好評だったそうです。

『風の歌を聴け』の商品レビューには「軽い感じがいい」「良い意味での諦めみたいなものを教えてくれた作品」「夏の日の爽快感を感じる」「春樹さんの根底となっている気がする」など折々の感想が寄せられています。

170ページほどなので、分量としても、はじめて村上作品に触れる方には読みやすそうです。

なお、これに続く『1973年のピンボール』(1980年刊)、『羊をめぐる冒険』(1982年刊)とあわせて「鼠三部作」と呼ばれていて、さらに少し間を置いて出版された『ダンス・ダンス・ダンス』(1988年刊)も本作と同じ主人公の物語。なるほど、『風の歌を聴け』にハマったら次に読む作品も自動的に決まるというわけですね!

ちなみに『羊をめぐる冒険』では、村上さんは日本の代表的文学賞の一つである野間文芸新人賞を受賞しています。

 

ファンが一挙に増えた、累計1,000万部を超える『ノルウェイの森』

0012733302L『ノルウェイの森』
講談社

続いては「話題作は確実に面白い」という選び方です。売れているのは理由があるわけで、本の場合はその大部分を占めるのが、やはり「面白さ」ではないでしょうか。

『ノルウェイの森』は、1987年に発表された上下巻の長編小説。当初かなり話題になっていたので、村上作品を読んだことがないという人にもタイトルは広く知られている作品かと思います。

“37歳の「僕」がハンブルク空港に着陸した時にスピーカーから流れてきたビートルズの『ノルウェイの森』を聞いて、17年前の学生時代のことを回想する”という内容で、村上さん自身はこの作品を「100パーセントの恋愛小説」と称しています(初版本帯のコピーより)。

商品レビューでは「ずっと手元に置いておきたい、なんて思った本は初めて」「人の気持ちを様々な表現で描かれている作品」「内容はヘビーなはずなのに、読んだ後の印象がどこかさわやか」などの声が寄せられ、この他にも「一気に読んでしまった」「もう一度読みたい」といった感想が多い作品です。

当初上巻が赤、下巻が緑というクリスマスカラーの単色表紙でインパクトがありましたが、これは村上さん本人の発案のようです。初版本では帯も同色のものがつけられていたのですが、重版では金色の帯が採用されており、ますますクリスマス色になりました。

 

読売文学賞小説賞受賞の『ねじまき鳥クロニクル』

■『ねじまき鳥クロニクル』新潮社

最後にご紹介する選び方は「文学賞受賞作を読んでみる」です。

前述の通り、村上さんは数々の作品で様々な文学賞を受賞しているのですが、今回のチョイスはこの『ねじまき鳥クロニクル』です。

1995年に発表された8作目の長編小説『ねじ巻き鳥クロニクル』。この作品で村上さんは、読売文学賞を受賞されました。また、本作は英訳版で英訳担当のジェイ・ルービンが野間文芸翻訳賞を受賞しています。野間文芸翻訳賞は日本の賞ではありますが、海外向けに翻訳されたものでも賞を受賞するというのはすごいですね。

あらすじは、”会社をやめて、妻クミコと平穏に暮らしていた「僕」でしたが、そんな暮らしも飼い猫の失踪をきっかけに少しずつ変化が……。やがてはクミコも失踪してしまい、「僕」は様々な人と巡り合っていくことになる――”というものです。

商品レビューでは「初めて読んだ村上作品で、見事にハマったお話」「不思議な展開で、3部作もあっという間」「村上春樹の作品で一番好き」など評価は高く、村上作品初心者の方も「ドハマリした作品」としてあげているケースがみられました。ちょっとグロテスクだったり、謎が多かったりと先が気になる展開で、一気読みしてしまう方が多いようです。

第3部まであるかなりの長編作品ですが、小説を読み慣れている方ならこの作品から読んでみるのもよさそうですね。

 

直感を信じてまずは手にとってみよう

いかがでしたか?今回は特に3作品をピックアップしてみましたが、村上作品には『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『海辺のカフカ』『1Q84』など、まだまだ話題作、人気作があります。直感でチョイスするのもアリです。

また、長編のみならず短編小説も多数あり、作品集にまとめられているので、まずは短編集から読んでみるのもいいと思います。

読んでみたいなーと思ったときが読み時です。何はともあれ手にとってみてはいかが?

ご紹介した本
■『風の歌を聴け』講談社
■『ノルウェイの森』講談社
■『ねじまき鳥クロニクル』新潮社

ライター

サカモト
サカモト
中学生の頃に歴史にハマった歴史好き30代。毎日のように本屋に行っては面白そうな本をあさってます。歴史関係のほか、漫画も好きです。