【閲覧注意】実話を元にした怪談集。恐怖の体験談をお届けします。
更新日:2017/8/11
夏真っ盛りのこの時期。暑い夏だからこそ、背筋がひんやり涼しくなる怪談話が読みたくなりますよね。
今回取り上げるのは「実話を元にした怪談集」。数ある怪談小説の中でもピカイチのものを選びました。
読んだ後、夜眠れなくなっても、何かが起こっても、申し訳ありませんが責任は取れませんので自己判断でお読みください……。
一夜で完読すれば何かが起きる……
『新耳袋 現代百物語』
木原浩勝、中山市朗(著)
角川書店
実話怪談のブームを巻き起こした作品。オーソドックスな1冊です。
一夜で百話を語り終えると何かが起こるという触れ込みで、九十九話が収録されています。そこにあなたの一話を加えれば、百話となります。
恐ろしさのあまり、私は一夜では読み終わらないように何日かに分けて読もうと考えました。ですが、あまりにも面白く、早く読みたいという衝動は抑えられず……。
第十夜で完結しますので、ぜひ続編もどうぞ。
いわくつきの怪奇譚
『拝み屋郷内シリーズ』
郷内心瞳(著)、KADOKAWA
拝み屋を営む筆者が見聞きした怪談実話シリーズ。
拝み屋とは、いわゆる祈祷師のこと。家内安全、交通安全、安産祈願、合格祈願、屋敷祓い、先祖供養、ペット供養など、依頼人から乞われるままにただひたすら無心で拝む仕事なのだそうです。
今回ご紹介する『花嫁の家』は、著者が手がけた仕事の中で、もっとも忌まわしい体験を描いたもの。筆者曰く、これまで書こうとするたび、様々な怪異や変事に見舞われてきたという”いわくつき”の出来事なのだそう。
ネタバレになるので多くは語りませんが、読んだ後も長い間呆然としてしまいました……。まさに戦慄の体験談というのが相応しい作品です。
登山で訊いた怪談集
『山の霊異記』
安曇潤平(著)、 KADOKAWA
怪談専門誌『幽』で活躍する著者が、実際に登山して訊いた体験談をもとに書いた怪談集。
「山×怪談」という限られたテーマの中だと、どうしても内容が似通ってしまうのでは? と考えがちですが、本書には、身も毛もよだつ話だけでなく、心がホロリとする怪談話などバラエティ豊かな作品が収録されています。
その絶妙なバランスが、よりリアリティを高め、読者を魅了する構成となっているのですね。
なお、筆者はかなりの山好きなのだそう。その綿密な描写には、改めて山の神秘を感じさせられること間違いなしです。
病院で起きた実話怪談集
『恐怖箱シリーズ』
雨宮淳司(著)、竹書房
医療の現場に従事している作者が、仕事で耳にしたり経験した怪異譚を集めた1冊。
病院という生と死が混在する場所だからこそ起こる事象は、どれもおどろおどろしく、一度読むと忘れられない作品ばかりです。
もしかすると、どこの病院にもこのような話はあるのかもしれません。得体の知れない災厄。
祟りなのか、呪いなのか……自分には縁がないことだと、どうして言い切れるでしょう。いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくはないのです。
読むと必ず病院に行くのが恐くなるので、その点はお気をつけください。
オフィスで起きた薄気味悪い恐怖の体験
『怪社奇譚 ~二十五時の社員~』
黒木あるじ(著)、大和書房
怪談作家として広く知られる筆者による、オフィスに潜む怪異をテーマにした怪談集。
オフィスという場所柄もあり、『おどろおどろしい作品』というよりは、『薄気味悪い作品』という言葉が相応しい作品と言えます。
もし、あまりにも恐ろしい事象が続く職場だと、みな辞めてしまうでしょうから……社員の間では、暗黙の了解で通っているのでしょう。
黒木さん特有の淡々とした文体が、より現実味を感じさせます。本書を読むと、恐さのあまり残業をしたくなくなりますよ。
夏はやっぱり怪談話!
バラエティ豊かな怪談集を集めました。お好きなものからぜひお手にとってみてくださいね。
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もっと「こわい本」が読みたいあなたには、特集をご用意しております。自己判断で、閲覧ください……。
今回ご紹介した書籍
『新耳袋 現代百物語』
木原浩勝、中山市朗(著)、角川書店
『拝み屋郷内シリーズ』
郷内心瞳(著)、KADOKAWA
『山の霊異記』
安曇潤平(著)、 KADOKAWA
『恐怖箱シリーズ』
雨宮淳司(著)、竹書房
『怪社奇譚 ~二十五時の社員~』
黒木あるじ(著)、大和書房