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【閲覧注意】実話を元にした怪談集。恐怖の体験談をお届けします。


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夏真っ盛りのこの時期。暑い夏だからこそ、背筋がひんやり涼しくなる怪談話が読みたくなりますよね。

今回取り上げるのは『実話を元にした怪談集』。

数ある怪談小説の中でもピカイチのものを選びました。

読んだ後、夜眠れなくなっても、何かが起こっても、申し訳ありませんが責任は取れませんので自己判断でお読みください……。

 

一夜で完読すれば何かが起きる……

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『新耳袋―現代百物語〈第1夜〉』

木原浩勝(著)、中山市朗(著)
角川書店

見てはならないものが、起こってはならないことが、この世にあってはならないものが。本書に収められた“怖い話”はすべて、本当のことなのだろうか…。百話を語り終えると、怪しきことが起こると古より言い伝えられる「百物語」。これを当代きっての怪異蒐集家の二人が鮮やかに現代に甦らせた、かつてない怪談集シリーズ第一弾!

この百物語を一夜で完読したとき、あなたに何かが起きるかもしれない…。(表紙裏)

実話怪談のブームを巻き起こした作品。オーソドックスな一冊です。

一夜で百話を語り終えると何かが起こるという触れ込みで、九十九話が収録されています。そこにあなたの一話を加えれば、百話となります。

恐ろしさのあまり、私は一夜では読み終わらないように何日かに分けて読もうと考えました。ですが、あまりにも面白く、早く読みたいという衝動は抑えられず……。

第十夜で完結しますので、気に入った方はぜひ続編もどうぞ。

 

最後まで語られることのなかった、いわくつきの怪奇譚

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『拝み屋郷内 花嫁の家』

郷内心瞳(著)、KADOKAWA

決して語ってはならない怪異譚

拝み屋を営む著者が、これまで一度も最後まで語ることも記録に残すことも許されなかった、忌まわしき怪異譚をここに開陳する。“花嫁が必ず死ぬ”といわれる東北の旧家では、これまで代々の花嫁が数年の内に亡くなっていた。この家に嫁いだ女性から相談を受けた著者は、幾度も不可解な現象に悩まされる―。戦慄の体験談「花嫁の家」と、「母様の家」の連作2篇を収録した怪談実話集。(表紙裏)

拝み屋を営む筆者が見聞きした怪談実話シリーズ。

拝み屋とは、いわゆる祈祷師のこと。家内安全、交通安全、安産祈願、合格祈願、屋敷祓い、先祖供養、ペット供養など、依頼人から乞われるままにただひたすら無心で拝む仕事なのだそうです。

今回ご紹介する『花嫁の家』は、著者が手がけた仕事の中で、もっとも忌まわしい体験を描いたもの。筆者曰く、これまで書こうとするたび、様々な怪異や変事に見舞われてきたという”いわくつき”の出来事なのだそう。

ネタバレになるので多くは語りませんが、読んだ後も長い間呆然としてしまいました……。まさに戦慄の体験談というのが相応しい作品です。

 

登山で訊いた怪談集

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『山の霊異記 赤いヤッケの男』
安曇潤平(著)、 KADOKAWA

山という異界を語る怪談実話集
著者自ら山で訊き集めた怪異譚集。山の描写も豊かに盛り込まれた全26篇。「その年は冬が厳しくてな。山も例年に比べてずいぶんふぶいていた。(中略)俺は中止を提案したんだが、彼はひとりでも大丈夫といって、重たいキスリングを背負って行っちまったんだ」(表題作より)。文庫化にあたり書き下ろし「ザクロ」を収録。解説は山岳エッセイストとしても知られるみなみらんぼう氏。(表紙裏)

怪談専門誌『幽』で活躍する著者が、実際に登山して訊いた体験談をもとに書いた怪談集。

『山×怪談』という限られたテーマの中だと、どうしても内容が似通ってしまうのでは?と考えがちですが、本書には、身も毛もよだつ話だけでなく、心がホロリとする怪談話などバラエティ豊かな作品が収録されています。その絶妙なバランスが、よりリアリティを高め、読者を魅了する構成となっているのですね。

なお、筆者はかなりの山好きなのだそう。その綿密な描写には、改めて山の神秘を感じさせられること間違いなしです。

『山の霊異記』シリーズとして続編も出ていますので、気に入って頂けた方は続けてどうぞ。

 

医療に携わった著者による、病院で起きた実話怪談集

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『恐怖箱 怪医』
雨宮淳司(著)、竹書房

科学の聖域とも言うべき医療の現場で起きた、想像を絶する異常現象。にわかには信じがたい―だが人ならざるモノの存在を肯定しなければ説明のつかぬ怪奇事件の数々を、長く医療に携わってきた著者が物語風につづった戦慄の異色実話怪談集。これがすべて本当にあった話だというのだから、もう病院へ行くことが恐ろしくなる。生と死の交差点、病院。そこに霊が存在することを当たり前と見るか否か、それはあなた次第である。ただ、最先端科学をもってしても消せぬ何かが今日も潜んでいる、そのことだけはもはや疑いようがない。ある意味、病院そのものがひとつの巨大な病巣と言えなくもない。実話怪談コンテスト【超‐1】2006年度大会で発掘された異才が、ついにデビュー。従来の「病院の怖い話」とは一線を画する重厚な大人向け怪談であることをここに宣言する。(表紙裏)

医療の現場に従事している作者が、仕事で耳にしたり経験した怪異譚を集めた一冊。

病院という生と死が混在する場所だからこそ起こる事象は、どれもおどろおどろしく、一度読むと忘れられない作品ばかりです。

もしかすると、どこの病院にもこのような話はあるのかもしれません。得体の知れない災厄。祟りなのか、呪いなのか……自分には縁がないことだと、どうして言い切れるでしょう。いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくはないのです。

読むと必ず病院に行くのが恐くなるので、その点はお気をつけください。

 

 オフィスで起きた薄気味悪い恐怖の体験

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『怪社奇譚~二十五時の社員~』
黒木あるじ(著)、大和書房

怪異に遭遇する場所が職場であったとしたら、あなたはそこを辞めることができるだろうか? そう、わかっていても、逃れられないのだ-。「会社のエレベーターに張られた無数のお札」「施錠されていたオフィスに入ってきた人影」「残業中に廊下から聞こえてくる足音」……職場にまつわる話だけを集めた奇譚の数々、怪談実話の旗手による待望の書き下ろし!(表紙裏)

怪談作家として広く知られる筆者による、オフィスに潜む怪異をテーマにした怪談集。

オフィスという場所柄もあり、『おどろおどろしい作品』というよりは、『薄気味悪い作品』という言葉が相応しい作品と言えます。もし、あまりにも恐ろしい事象が続く職場だと、みな辞めてしまうでしょうから……社員の間では、暗黙の了解で通っているのでしょう。

黒木さん特有の淡々とした文体が、より現実味を感じさせます。本書を読むと、恐さのあまり残業をしたくなくなりますよ。

 

夏はやっぱり怪談話!

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バラエティ豊かな怪談集を集めました。

お好きなものからぜひお手にとってみてください。

 

今回ご紹介した書籍
新耳袋―現代百物語』木原浩勝(著)、中山市朗(著)、角川書店
拝み屋郷内』郷内心瞳(著)、KADOKAWA
山の霊異記 赤いヤッケの男』安曇潤平(著)、 KADOKAWA
恐怖箱 怪医』雨宮淳司(著)、竹書房
怪社奇譚~二十五時の社員~』黒木あるじ(著)、大和書房

もっと「こわい本」が読みたいあなたには、特集をご用意しております。
自己判断で、閲覧ください……。

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。